【連載】中山淳雄の「推しもオタクもグローバル」第31回 デビュー10周年、クリエイターエコノミーを体現するシンガーソングライター。レーベルと事務所が不要になる音楽業界

中山淳雄 エンタメ社会学者&Re entertainment社長
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作家―それはいわゆる小説家のようなテキスト藝術だけではなく、ゲームの世界観・原作から漫画、陶芸から音楽まで自分の作品の腕一本で生きている職種を呼ぶ呼称である。作詞・作曲で生きているミュージシャンもまた、「作家」の一種であり、今回は20代女性でシンガーソングライターとして腕一本で生きている山崎あおいさんにインタビューを行った。ヤマハのオーディションで高1のときにグランプリを受賞し、秋元康から絶賛を受けた彼女が、現在フリーとなってどう生きているのか。22年8月はデビュー10周年となるその節目の年に、「音楽作家」としての生き方についてお話を伺った。

 

■高1でヤマハコンテストにグランプリ受賞、夢のアーティスト生活の実態

――:自己紹介からお願いいたします。

シンガーソングライターの山崎あおいと申します。北海道出身で、2009年にヤマハの第3回Music Revolutionでグランプリ受賞後、2012年の18歳の時に「ツナガル」でメジャーデビューしました。2017年までは芸能事務所としてのヤマハミュージックエンターテイメント(以後ヤマハ)に所属してビクターエンターテイメント(以後ビクター)からCDを出してきましたが、2017年からは独立してフリーのシンガーソングライターをしています。これまで200超の楽曲を作ってきて、モーニング娘。さんなどの所属するアップフロントグループに楽曲提供していることが多く、安倍なつみさんの『嘘つき』とか、Juice=Juiceの『「ひとりで生きられそう」ってそれってねえ、褒めているの?』といった詞や曲を作っています。


――:山崎さんは最初どういったところから音楽に接点を持たれたのですか?

もともとピアノは幼稚園のころからやってきていたのですが、親子でギターを弾いているCMをみた親から誘われて、中1でギターを弾き始めました。そのころYUIさんが主演・主題歌をされていた映画『タイヨウのうた』に影響を受けて、自分もアーティストになりたいと思うようになりました。


――:よくある中学・高校でバンドを組んで、上京してデビューといった感じではないのですか?

まわりにあまり弾いている子はいなかったので基本はソロですね。高校からはバンド組んでやっていたのですが、オーディションへの合格まではソロでやってましたね。


――:独学でやっていた中学生が、経験数年でオーディションに申し込むということがなかなか大胆ですね。

なぜか謎の自信がありました笑。過去の受賞者の演奏・歌唱を聞いていた中で、自分もいいところまでいけるのでは、という思いもあって。しかもそのコンテストが履歴書・写真・デモテープという通常は必要な事前審査みたいなものがなくて、サクッと出たいと言えば出れるものだったんですよ。ちょうど中3までのテニス部が終わったタイミングで、受験までぽっかり時間が空いたところもあって、出てみようと応募しました。


――:それがヤマハのMusic Revolutionですよね。最初の応募は2008年度の第2回大会、曲は自作だったんですか??中学生とは思えない行動力ですね。

ヤマハのPOPCON(ポピュラーソングコンテスト)といって、中島みゆきさんも受賞していた由緒あるコンテストの系列なんです。中3の時は、北海道の数百名のなかで勝ち上がっていったのですが、最後北海道大会のなかでは選ばれず、翌年に高校にあがってから再チャレンジしています。自分で作詞作曲した曲で、しかもそのオーディションのときが初めて人前で歌ったんですよ。よくやりますよね笑


――:でもよく落ちても、またチャレンジしようと思いましたね。第2回大会と第3回大会の間にどんな練習をされるのですか?

落ちはしたものの、ちょっとヤマハの方からも声かけていただいたんですよ。「もうちょっと磨いたら可能性あるから来年も頑張って」と言われて、ボイストレーナーを紹介されて、1年間そこにボイトレで通っていました。

 
――:あ、もうそのタイミングで目をつけられているものなんですね!?才能を見出されて、もう翌年の合格も織り込み済みたいなのはあるんですかね。

何人かには声かけられていたので、そこで翌年の結果が決まっていたということはないですね。ただその時には子供で気がつかなかったですが、ボイトレ代を出していただいてたり、契約こそしないまでも、それなりに注目はいただいていたのかなと思います。


――:そして高1の時に、グランプリ&特別審査員賞をW受賞されます。当時審査員だった秋元康さんからも歌詞の世界観を絶賛されての受賞だったと聞いております。

はい。AKBも好きだったので、とても緊張しましたね。


――:グランプリ受賞したあとって高校生活はどんな感じになるのでしょうか?地元のスターみたいな感じ?俗っぽい質問ですが、激モテしたりするんでしょうか??

いやいや、地元の新聞には載りましたけど、見る人しか見てないですし、デビューといってもCDを出したりするのはその後卒業して上京してからなんです。高校の残り2年間は、たまに東京にきてボイトレしたり、ちょっとライブに参加したりといったぐらいなので、本当に普通の高校生ですよ。激モテとか、なかったです笑。


――:デビューまではそこから数年間、時間があいているんですね。慶應大学の環境情報学部に入学されます。こちらSFCキャンパスって芸能の方も結構いらっしゃいますよね?

そうですね。芸術系の人は何人かいて、卒業生ですと一青窈さんとかでしょうか。大学も芸能に理解がある環境なので、やりやすかったです。芸能入りにあたって親との条件が「大学はきちんと出る」だったので、すぐにアーティスト活動に振り切るということはせず、事務所のヤマハとも話し合って、大学生としてデビューをしていくという方向で決めていました。

ただ大学1年からはCDを出すたびにライブして日本全国を出張してまわるので、本当に忙しいんですよね。なんとか単位をとっていましたが、半年だけは延長して留年してしまいました。


――:芸能事務所がヤマハで、音楽レーベルがビクターですよね。こういう高校・大学でコンテスト受賞者は、どうやって給与をもらったりしているのか不思議なのですが。

高校時代はボイトレ代とか本当にお小遣いのような感じですが、大学になるとCDも出したのできちんと印税が入って、あとは毎月固定金額で給与を頂きます。が、そんなに多くはないので、そちらもお小遣いみたいな感じですかね。まだまだ楽曲数も多くないので、印税もそこまでではないですし、儲かる儲からないというよりは、毎月仕送り無しでギリギリバイトはせずに暮らせる、くらいの感じでしょうか。


――:CDはどのくらい売れるものなのでしょうか?正直2010年代デビューのアーティストって、毎年のようにみるみるCD枚数が減っていった厳しい時代ですよね?

そうですね。私は何かの楽曲・CDがすごく売れたタイプではないので、毎回コンスタントにという感じですが、、、一番売れたものでも2、3千枚といった感じですかね。正確に数字が把握できているわけではないのですが。


――:見ていて思うのは、本の出版と音楽って、そういったデビューだったり売れ行きがすごく近いんですよね。僕の場合は1冊書くのに200~300時間くらいかかるのですが、(固定給与は出ないにしても)大手出版社でも出版しても100~200万円といった印税の世界で。やっぱり生活の糧にしていくにはパッケージ販売ではとても生活はできないですね。

確かに! 音楽の場合は、本1冊ほど時間はかからないですね。曲は下手すれば1日で書いちゃいますし、アレンジにまた1日、レコーディングも1日、あわせても1曲あたり数十時間くらいでしょうか。量産はできますが、それでもCDにしてパッケージにして売ったところで小売金額の数%くらい※。サブスクで継続的に聞かれるので、本よりは薄く長く売れるところはありますが、、、それで生計をたてるといった規模にはなりにくいですよね。

※CDから得られる印税は一般的に小売、レーベル、原盤権保有者が約30%ずつもっていき、作詞家/作曲家/歌手それぞれが2%程度と言われる。自ら作詞作曲をして自分で歌も歌う山崎さんの場合は1,000円のCDが売れて、60円といった単位だと考えられる。


――:ライブのサイズはどのくらいなのでしょうか?

ホントまちまちですね。当時は渋谷のO-EAST(1300席)とか赤坂BLITZ(1418席)でやることが多くて、700~800席が埋まっている感じでした。ただ東京だとライブのサイズってある程度想定の範囲内なのですが、初めて行く地方ライブですと、びっくりするくらい人が集まってないこともあって。数十人とか、ときに数人しかいない、みたいなこともあるんですよ。そういうのは精神的にもキツイです。


――:パフォーマンスということは、衣装だったり化粧だったりということも技術が必要ですよね。そういうのは事務所もサポートしてくれるのでしょうか?

そうですね、事務所でメイクの仕方からどんな衣装を着たらよいかなども指導してくれます。私は特にそういうのが疎いほうなので、、、笑


――:山崎さんはグランプリ受賞や秋元康さんの絶賛、iTunesが選ぶ今年期待の新人「new ARTISTS 2013」などもあって、華々しいばかりのデビューだった印象ですが、それでもデビュー後ドッカンドッカン、という感じではないのですね。やはり創作活動で食べていく大変さは、ラノベ作家も漫画家も、ミュージシャンも同じなのだな、と感じます。ちなみに、じゃあこないだ福岡ドームで2万人の前で国歌斉唱していたものなんかは、過去最大だったんですか?


ありがとうございます!そうなんです。あれは独立してからの案件ですけど、HP経由で普通に担当者がメールをくれまして。2万人の前での国歌斉唱、大変緊張しました笑。

 



■年500名強のデビュー、10年生存率2割以下。レーベル契約切れと独立、悩む作家キャリア

――:アーティストで生きていくというのはいつ頃決められるのですが?

最初からアーティストとしてというよりは、作詞作曲を作っていく作家・シンガーソングライターになりたかったんです。女性歌手で若かったのもあって、歌い手としてパフォーマンスもしていくということも求められるのですが、最終的には作詞作曲を中心にした「作家」になることは考えてきましたね。そうはいっても当初リアリティはそこまでなくて、本当に音楽一本になっていく2016年の大学卒業後くらいに、そういったキャリアを強く意識するようになりましたね。


――:16歳でグランプリ受賞、18歳でデビューですから、22歳の大学卒業時はもうそれなりに経験は積んでる状態ですよね。そもそもヤマハグランプリで受賞されてる方や、同じ時代にデビューされてる方は現在どうされているものなのでしょうか?

ヤマハのMusic Revolutionでいうと第一回受賞のおおたえみりさん※や第二回受賞のThe coridras(バンド)※さんですね。私の後の第4回グランプリの吉澤嘉代子さん※や、第5回の酸欠少女さユりさん※もいらっしゃいますし、続けられている方が多いです。

同じ2012年にデビューしたアーティストでいうと、大原櫻子さんや家入レオさんが今も活躍されている方ですね。

※YUI(1987~):福岡県出身、スターダスト所属でレーベルはSony Records(2005~06)やSTUDIOSEVEN(2007~10)など。母子家庭で母親の影響で歌うことをはじめ、アブリル・ラヴィーン『Let Go』で衝撃を受けたことをきっかけに本格化、路上ライブなどを続けながらソニーみゅーじいくのSDオーディションで2万人応募者から最終10人に残り「I know」で最高点をつけてデビュー。2006年松竹系映画『タイヨウのうた』に主演で女優デビュー、第30回日本アカデミー賞新人俳優賞とタイアップ曲の5thシングル「Good-bye days」はオリコン週間シングルで3位を獲得。
※おおたえみり(1992~):兵庫県出身、ヤマハ所属でレーベルはcutting edge。2007年に15歳の時にThe 1st Music Revolutionでグランプリ受賞。2012年から「セカイの皆さんへ/集合体」でメジャーデビュー。
※吉澤嘉代子(1990~):埼玉県出身、小5から5年間完全不登校で、井上陽水に影響を受けて16歳から作詞作曲。The 4th Music Revolutionで2010年にグランプリ受賞、ヤマハ所属でレベールは日本クラウン(2014~20)とビクター(2020~)。2014年に「返信少女」でメジャーデビュー。YouTubeチャンネル登録7万人
※酸欠少女さユり(1996~):福岡県出身、以前はヤマハに所属(2015~19)し、レーベルはアリオラジャパン。小6の時に関ジャニ∞に影響を受けて曲を作り始め、The 5th Music Revolutionグランプリ受賞。『クズの本懐』や『Fate/EXTRA Last Encore』などアニメタイアップ曲にも複数採用されている。2017年自身初のオリジナルアルバム『ミカヅキの航海』は週間オリコンランキング3位を獲得。YouTubeチャンネル登録61万人
※大原櫻子(1996~):東京都出身、以前は藤賀事務所(2012~14)・フジパシフィック(14~16)などに所属、レーベルはビクター・エンターテイメント。ミュージカル『アニー』に影響を受けて歌に興味をもち、中2の時にダンサーとして藤賀事務所にスカウトされて芸能界入り。17歳で映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』のヒロイン理子役に選ばれ、第23回日本映画批評家大賞で新人女優賞。2014年から「大原櫻子」名義でソロデビュー後に第56回日本レコード大賞新人賞受賞、2015年には「瞳」で『第66回NHK紅白歌合戦』に初出場。YouTubeチャンネル登録23万人。
※家入レオ(1994~):福岡県出身、研音所属、レーベルはJVCケンウッド・ビクター。13歳に尾崎豊「15の夜」を聞いて歌手を志、2011年に単身上京して2012年「サブリナ」でデビュー、1stアルバム「LEO」は累計15万枚のヒット。2017年には日本武道館で単独公演、『新宿セブン』(テレビ東京)で女優デビューも果たす。YouTubeチャンネル登録26万人。


――:この10年はずっと下降傾向だった音楽業界ですが、毎年300~400名(再デビューは+100名程度)の歌手デビュー数は変わらず、小さくなるパイに対して志望者は常に多いです。山崎さんも2012年デビューはいわば「同期500名強」いましたが、これだけ大量の方々がデビューするなかで、10年間でどのくらいが現役を続けられるものなのでしょうか?

そうですね、私も全員把握しているわけではないので、あくまで体感値ですけど、、、10年もたつと半分は確実に音楽からは足を洗ってますね。残りのうちもまた半分は別の仕事しながらインディーズをなんとか続けている感じで、音楽専業できている人は4人に1人もいない、ホントに一握りという感じはします。なので2012年デビューした501名のうち、現在もメジャー・専業で続けているのは100名もいない、くらいのものでしょうか。


――:あれだけの全国大会やセレクションを潜り抜けて、「グランプリ受賞」など華々しいメジャーデビューを飾ったとしても、やはり“生存"確率は本当にわずかばかりなんですね。生存≒お金に近いところがあると思うんですが、シンガーソングライターとしての給与はどんな形で払われるんですか?いままでで「生活が厳しい」となったタイミングなどありますか?

3か月ごとに印税として振り込まれます。金額はホントにまちまちで、そのタイミングでなにかApple Musicでフィーチャーされていて、たくさん聞かれていたら多めだったりもしますし、そうじゃないこともあります。なので「印税があるから安定的に」という感じではないです。常に生活の不安はありますね、来年がどうなってるかわからないですし。

一番厳しかった時代はやっぱり大学を出た後に、レーベルとの契約も切れた2017年です。家賃は8万円だけど貯金は40万しかない。これは稼がないと、やばいことになるな、というのをビシバシ感じましたね。


――:レーベルとの契約がなくなる、というのはどのようなインパクトをもつものなのでしょうか?

2012~17年の6年間での契約が、レーベルと事務所間の間で2017年に切れて更新されませんでした。これは戦力外通告みたいなもので、、、やっぱりショックでしたね。

※通常は芸能事務所はアーティストに固定給を渡しながら、印税・出演料・タイアップ広告費などの「タレント収入」のマージン(5割程度が多い)を収入としていき、音楽レーベルが「音楽出版」部分(楽曲をJASRACなどに登録して収入を得る楽曲著作権)と1曲数百万かかる収録費を負担して「レコード」部分(音声も含めたレコーディング部分となる楽曲原盤権)で収入を得る。


――:まさに野球の1軍落ちみたいな状態なんですね、、、そのまま事務所も契約が切られるのでしょうか?

いえ、ヤマハとしては違う方向性でまた売り出していこうと提案いただいたんですが、私もそろそろアーティストというよりも作家としてのキャリアを追求したいという思いもあって、独立することにしました。

 



■クリエイターエコノミー:事務所とレーベルは今後必要なのか?

――:現在山崎さんは作詞作曲や歌唱はもちろん自分でしょうけれど、ブログもHPもYouTubeもTwitterもありますし、ライブ活動もされていますし、関連グッズの販売までされています。こういったものは誰がどうやって動かしているのでしょうか?

ブログ(アメブロ)は2019年末くらいで更新をとめていて、発信のメインはTwitterで、これは自分でやってます。HPも自分ですね。ミュージックビデオの撮影や編集は大学時代の映画業界で仕事している先輩が、やってくれています。ライブの時のポスターもその先輩にお願いしています。ライブハウスの予約やセッティングは事務所時代にお世話になっていた方がアレンジしてくれています。

グッズでいうと、自分でInstagramで見つけたデザイナーに発注して、EC事業者のSKIYAKIさんを経由して販売します。小ロット(1種類で100個くらい作っていたりします)のアイテムを作りますが、SKIYAKIさんの倉庫を使わせてもらったり、自宅に置いています。ですので、部屋は一般的な女の子の部屋というよりは「業者」って感じになってます笑。


――:なんと、ほぼほぼ自前でやっちゃうんですね!?法人化はされてるんですか?

いえ、法人にはしてなくて、本当にその数人単位で色々手伝ってくれている人たちに、毎回今回はこの固定額・ロイヤリティで、みたいな感じで、損にならないようにお願いしてます。かといってすごくお金を入れられているという感じでもないのですが、、、


――:ライブの興行とかは、そうはいってもリスクがありますよね?

そうですね、ライブ終了後に清算になって、その時は数十万円単位で先払いが発生します。チケット代などは数か月後にチケット会社から手数料を引いて振り込まれるので、それまではちょっとドキドキしますね。ただ何度もやっていると、だいたい来てくれる方の人数も読めるところがあって、なんとなくライブのサイズ感やチケットの価格設定なども自分たちでまわせるようにはなっていきます。


――:ファンクラブ「わさび部」も運営されてますよね。年会費4千円で特典プレゼントや限定動画・桃鉄大会とかもやってらっしゃいますね笑。何人くらいいらっしゃるんですか?

山崎葵で、山と葵で「わさび」なのでわさび部にしています。こちらもSUKIYAKIさん経由ですね。現在の会員数は、数百名くらいという感じです。


――:すごい。これぞまさに「推しエコノミー」で、フリーでもこうやってファンの方々を固めて生活ができる状態にクリエイターがあるということが凄いなと思います。ホントにこういうツールがこの数年すごく進化してますよね。THE COOさんのFaniconで自分のオンラインサロンをやったり、あとはTunecore※とか自分でSpotifyやAmazon MusicなどDSP(デジタル音楽配信業者)につなぎ込むこともできますよね。


Tunecore使ってます!※やっぱり個人で直接DSPと契約するのは面倒な作業が多く、そこはこうしたサービスを使います。日本だけでなく海外でも視聴されたカウントなども自動化されていて、自分だけの楽曲じゃなくて共同のものでも、最初に設定した配分に応じて自動的にその収益の割り振りなどもありますし、逐次どのくらい聞かれているかも見れる便利なサービスですね。私のまわりもやはりTunecore使っている人は多いです。

※Tunecore:ニューヨークで2005年に設立された、デジタル音楽配信専用のディストリビューターで、日本はライセンスをもったWano Groupが2012からサービスを開始。この10年強の間に100万曲以上が委託され、累計で約268億円、コロナ後にデジタル楽曲配信が活性化するなかで単年度で98億円の還元額となった。1曲あたり月1500円程度という固定金額のみで委託を受け、全世界のDSPに配信するかわりに、1再生あたり0.5~1円というストリーミング収益は100%クリエイターに還元する。事務所にもレコード会社にも所属していなかった瑛人が、個人でTunecoreに委託した曲のなかで「香水」が2020年に爆発的にヒットしたことでも有名。


――:いま楽曲はどのくらいの数保有しているんですか?結構毎月のように作詞作曲されてますよね。それは受託のように1曲いくらで売って、みたいな商売にはならないんですか?

1カ月で30曲くらい作、るをテーマにやってますね。基本的に作った曲自体を売るよりは、それを提供して、売れたらその作詞家・作曲家としての印税が入ってきます。提供している方々が鈴木愛理さんとかNMB48さんとかジャニーズWESTさんとか有名な方も多いので、だいたい今回のCDが10万枚くらい売れたからこのくらい、、、みたいな皮算用はしちゃいますね。

私自身が歌唱まで入って信託している楽曲は、JASRACで200曲、Nextone25曲なので、この225曲が私のもっている登録楽曲ということになります。


――:そうすると、いままで何千曲とつくってきて、そのうち何百曲と原盤にして、正式に登録までいっているのが225曲ということですね。

そうなりますね。よく作ったものだと思います


――:あえて聞きたいです!実際ここまで1人あとは数名のチームでアーティスト活動ができてしまうということは、事務所やレーベルは不要になってきているということなのでしょうか?

私の場合はデビュー後の事務所の存在は大きかったです。タイアップつけてくれたり、ラジオに出演したり、特にテレビへの出演というのは事務所の力がないと厳しいですね。ただそのテレビ出演というのが、ここ数年でファンを作るための唯一のルートでなくなっている現状も踏まえると、確かに違うデビューの選択肢が生まれてきているとはいえます。少なくとも私の場合は、また事務所やレーベルにあえて所属しなくても、という気持ちにはなってきていますね。


――:これって普通のサラリーマンも直面しはじめている感覚なんですよね。僕自身も昨年独立したんですが、会社と肩書がなくても、ある程度知っているチームができれば、それなりの規模の案件でも対応できるようになってきている。もちろん新人で最初からソロというのは不可能ですが、ある程度手に職ができてきて、営業が嫌でなければ、だんだん案件はまわしやすくなっている。むしろ“偉くなって"組織的な活動が増えれば増えるほど、そうした「実力」的な部分が損なわれ始めている。だったら独立してしまったほうが、と考えるサラリーマンは絶対数としては少ないですが、割合としては確実に増えている気がします。そういえば、Twitterで拝見した、エドガー・サリヴァンさんも最近同じように独立されてましたよね?

エドサリの萌ちゃんは仲良しです!お互いデビュー前、高校時代のときからの友達なんですよ。そうですよね、彼女たちもアミューズから独立して、2,021年からフリーで活動してますよね。本当にそういう生き方が選べる時代にはなってきていると思います。


――:最後に、22年8月が10周年ライブ ということで、ぜひお聞きしたかったのは、今後の山崎あおいとしての目標や目指しているところを伺いたいです。

先ほどのTuneCore経由でSpotifyのデータなどをみると、実は台湾で私の曲を聞いてくれている人がいたりするんですよね。いままで「海外」というのは見ていなかったのですが、台湾出身者の友人などをチームに引き込んで、翻訳などしながらちょっと海外でも活動を広げていきたいなと思っています。いまもテンセントのゲーム楽曲を手掛けたりしているので、Bilibili動画でアカウントを広げてみたり、この10周年をこえて「今ファンの人に届ける」だけでなく、「これまでみていなかった層・市場にも楽曲を広げていく」ということにチャレンジしたいなと思ってます。ひとまず台湾にいけるよう、目先の20人のコアファンを作りたい!と思いますね。


――:そういう単位で個々人のアーティストが外の市場を見れるようになったこと自体がとても革新的な変化だと思います。応援しております!

 

 

山崎あおい
https://yamazakiaoi.jp/contents/530061

Happy LIVE Day with YOU 10th Anniversary SPECIAL LIVE
▽日 時 :2022/08/22(mon.)
      open 18:30 / start 19:00
▽会 場 :東京・Shibuya duo MUSIC EXCHANGE
▽チケット:全自由・整理番号付
      adv.¥5,000- /door ¥5,500-(tax in)
      ※ドリンク代別途必要
▽主 催 :duo MUSIC EXCHANGE/山崎あおいライブ制作委員会
▽企画制作:山崎あおいライブ制作委員会
▽公演に関するお問合せ:Shibuya duo MUSIC EXCHANGE tel:03-5459-8716 (12:00-19:00) 

会社情報

会社名
Re entertainment
設立
2021年7月
代表者
中山淳雄
直近業績
エンタメ社会学者の中山淳雄氏が海外&事業家&研究者として追求してきた経験をもとに“エンターテイメントの再現性追求”を支援するコンサルティング事業を展開している。
上場区分
未上場
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