【ゲームマーケティング最新攻略】立ち上がりのカギは「広く 深く 早く」…『ヘブバン』のTikTokを活用したデジタルマーケティングとは

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 TikTok for Businessは、7月22日、オンラインセミナー「TikTok for Business〜ゲームマーケティング徹底攻略〜」を開催した。

本セミナーは、昨今のゲームマーケティングにおいてTikTokを活用する事例も増えており、

・ゲームの事前登録からリリース後の運用方法
・TikTokを活用したゲームマーケティング

といった具体的な事例をもとに、ゲームマーケティングにフォーカスを当てた、最新のマーケティング動向を紹介する内容となる。

講演では、TikTok for Business Japanの石川氏と共に、株式会社WFSの加藤氏とグリーアドバタイジング株式会社の新里氏から、『ヘブンバーンズレッド』の立ち上げから今に至るまでの事例について語られた。

本稿ではその模様についてお届けしていく。
 

「広く」「深く」「早く」発信する『ヘブバン』のデジタルマーケティングとは?



株式会社WFS Marketing部 シニアマネージャー / シニアマーケター
加藤 耕輔 氏

グリーアドバタイジング株式会社 広告運用コンサルタント
新里 琴美 氏

株式会社MOTTO 代表取締役 
佐藤 基 氏

TikTok for Business Japan 
石川 和英 氏

『ヘブンバーンズレッド』と言えば、今年の2月にリリースされたWright Flyer Studios × Keyが贈る、ドラマチックRPG。Key 麻枝 准氏が15年ぶりに手がける新作ゲーム作品として、リリース前から注目されており、リリース後早々にランキング上位に入るなど、2022年ヒットタイトルと言えよう。

そんな『ヘブンバーンズレッド』だが、デジタルマーケティングにおいては初動を重要視していたようだ。

スマホゲームのマーケティングにおいては、まずはローンチを行い、ゲーム内の動きなどの手応えをみつつプロモーションを行うことも多かったが、昨今の市場を考えると競争相手も多く、ユーザーの手に取ってもらえることは難しい状況だ。

そこで、『ヘブバン』のデジタルマーケティングにおいては初動時期から、「広く」「深く」「早く」お客様に届けることを重要視していたそうだ。

デジタルマーケティングにおいて「広く」リーチしていくことはこれまでも取り組んできたが、「深く」「早く」届けることを今回は特に意識していた。TikTokは「深く届ける」という観点でも、非常に相性が良いメディアだったと加藤氏は語る。

動画コンテンツを介して、深い情報を届けやすいメディアであり、事前調査においてもゲームユーザーと親和性が高いことから、『ヘブバン』の新しい世界観を発信していきたいという考えにて活用するに至ったそうだ。

▲実際に、TikTokユーザーは新しい情報やゲームとも親和性の高い層が多い。

では、実際にどのような施策が行われたのか。新里氏からは4つのフェーズで紹介された。

まず、第一フェーズである2月のローンチ時点では、「広く」「深く」を重視し大規模にプロモーションを行ったという。

そのこともあり、CPIはすぐに上昇傾向になり、ROASに関しては問題ないものの、改善の余地がある成果であったそうだが、初動を重視していた為、事前調査の時点でも承知の上で手厚く行ったそうだ。

続いて、第二フェーズではTikTokでのパフォーマンスを高める為に、機械学習をフル活用した運用にシフトしたと新里氏は話す。

例えば、リリース当初は事前調査に基づいたターゲティング設定により配信していたが、ターゲティングを幅広くとることで、機械学習による効果的な最適化を行ったという。

また、『ヘブバン』では「深く」、多面的なゲームの魅力を届けたい狙いもあり、通常よりも数多くのクリエイティブを用意していたそうだ。

第二フェーズからは、用意したクリエイティブの最適化も行うことで、パフォーマンス向上にもつながったそうだ。

▲石川氏によると、TikTokの運用型広告では、ターゲティングは絞りすぎずに機械学習を行わせることで、結果的に獲得効率を伸ばすことが実現できるそうだ。

第三フェーズでは、これまでの改善施策で最適化した内容で出稿量を数倍まで拡大して行うようにしている。

▲『ヘブバン』ではアプリプロフィールページの導入も行なっていた。同機能はiOSで使用可能な機能となっており、ユーザーからのシグナル量を増やすことで、CPIのみならずインストール数においても改善が見られた。

新里氏によると、TikTokでは新規のクリエイティブにおいてもフラットに評価がされるので、その時々やユーザー層に応じた最適な内容を届けることができるという。この点は、手に取ってもらいたいユーザーに「早く」届ける手段としても最適なメディアだと言えるであろう。

現在は第4フェーズとなっており、新里氏は引き続き改善を行いながら運用を行なっているそうだ。

また、クリエイティブによって大きく成果が変わると加藤氏は話す。

ここで、実際に成果のあったクリエイティブをいくつか紹介してもらった。

まずは世界観を伝えられるようPVをタグライン付きフレームにて展開するオーソドックスな形式で配信している。

次に用意したものは『ヘブバン』のキャラクターの魅力を押し出す内容にしたクリエイティブだ。

ただ、本作は横持ち型のゲームとなる。TikTokでは縦型になるので、ゲーム画面をそのまま表示することは難しい。そこで、フレームをメインにした動画にすることでキャラクターの魅力を押し出せるよう工夫をこらしたそうだ。

また、TikTokでは、広告運用の管理画面で視聴2秒間や6秒間の再生率を確認することができる。そこで、最初の2秒の再生率を意識したクリエイティブも用意している。

カウントアップのキャッチを加えることで、最初に目を惹くような構成のクリエイティブだ。こちらのクリエイティブを活用することで、CVも大きく伸びたそうだ。

そして、最終的にはこれまでの要素を組み合わせたクリエイティブに至ったと言う。

横型画面のゲームシーンは利用しづらかったものの、キャラクターのアイキャッチ部分を活用した動画を用意することで、高水準のCVRを実現できているそうだ。

現在は、横型画面ゲームだとフレームレスでは訴求しづらいようなシーンも、開発環境用アプリで縦型で広告用動画を撮影できるようにするなど、TikTokにも適した表現をできるような工夫も行っていると言う。

直近では、リリース時期よりも低いCPIも実現できているとして、TikTokはデジタルマーケティングにおいて今後も重要なメディアだと話す加藤氏。

グリーアドバタイジングでは他のタイトルのプロモーションも数多く扱っており、今後は『ヘブバン』で培ったノウハウを、他のタイトルでも活用していきたいとして、新しい施策や表現も積極的に取り入れていきたいと期待を顕にしていた。

▲TikTokはインストールにつながりやすいメディアであるので、AndroidはMMP、iOSはSKAdnetworkにて効果検証を評価しているそうだ。

加藤氏によるとiOSでSKAdnetworkとともに、AppStoreConnectも活用して媒体評価を行っていると話す。AppStoreConnectではアプリ別のリファラ軸でのインストール数を確認することができるが、TikTok経由でのコンバージョンが非常に多く、「広告から行動に直接繋がっている」メディアであると評価しているとのことだ。

他にも、セミナーではTikTokの最新動向やIAA型ゲームにおけるTikTok活用事例も紹介された。気になる人は以下の記事より確認してみて欲しい。

また、現在、期間限定でセミナーのアーカイブ動画も配信中だ。 見逃した方はぜひ視聴してみてはいかがだろう。


アーカイブ視聴はこちら



なお、TikTok for businessとモバイルアプリ広告プラットフォームPangleは、TOKYO GAME SHOW 2022の出展も決定している。

当日は「見つけた、次の楽しみを。」をテーマに、ゲームマーケティングにおけるTikTok活用方法やゲームアプリの収益化戦略など、事例を交えながらスペシャルゲストとともに紹介するそうだ。また、人気TikTokクリエイターとの対談やライブ配信などのコンテンツも用意しているそうなので、気になる人は来場してみてはいかがだろうか。