コインベース、米国財務省のトルネードキャッシュ制裁に「メスではなくハンマーを使った」と強く抗議 訴訟に出資



米国コインベースは、9月8日(現地時間)、米国財務省によるトルネードキャッシュへの制裁に異議を唱える6人が起こした訴訟に出資したと発表した。

同社によると「今回の制裁は財務省の権限を超えており、罪のない人々を傷つけ、暗号ユーザーのプライバシーとセキュリティの選択肢を取り除き、イノベーションを阻害するもの」と出資した理由を説明している。

事の発端は、米国財務省が2022年8月に暗号資産(仮想通貨)ミキサーであるトルネード・キャッシュの米国内での資産の凍結に加え、同サービスに関連するイーサリアムのアドレスやステーブルコインのUSDCを制裁対象リストに指定するなどの制裁を行ったことによるものだ。

暗号資産(仮想通貨)ミキサーは、イーサリアムとERC-20などの取引において匿名性を高めるサービスで、その匿名性がゆえにマネーロンダリングに悪用されたことがある。<関連記事>

コインベースは、財務省が悪質業者に制裁を加えることに問題はなく、同社としても違法行為についても厳しい姿勢で対応するという姿勢を見せる一方、同省が特定の個人ではなく技術全体に制裁を行うことへ懸念を示した。

同社は今回の制裁によって、無実のユーザーの資金拘束、プライバシーツールへのアクセスが遮断、また財務省の越権行為があったのではないかと考えており、「メスではなくハンマーを使った」と皮肉を交えたコメントで強く抗議している。

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