コナミグループ、9月中間決算は事業利益33.7%減の256億円と大幅減益 新作投入や円安で過去最高売上も制作費の償却やプロモーション費用が負担に
コナミグループ<9766>は、本日(11月2日)、第2四半期累計(22年4月~22年9月)の連結決算(IFRS)を発表し、売上高1483億5900万円(前年同期比6.4%増)、事業利益256億1100万円(同33.7%減)、営業利益253億9600万円(同35.1%減)、最終利益198億4700万円(同28.0%減)と増収・減益だった。
・売上高:1483億5900万円(同6.4%増)
・事業利益:256億1100万円(同33.7%減)
・営業利益:253億9600万円(同35.1%減)
・最終利益:198億4700万円(同28.0%減)
同社では、主力コンテンツの新作タイトルを順次投入したことや円安の影響により売上高は第2四半期における過去最高を更新したものの、新作タイトル投入直後の制作費の償却やプロモーション費用の負担に加えて、エネルギーコストの上昇などによる影響があった。
(デジタルエンタテインメント事業)
売上高は1027億300万円(前年同期比4.1%増)となり、事業利益は235億300万円(前年同期比34.4%減)となった。
マルチデバイスで「eFootball2023」の配信を開始した。新たに使用可能なチームや選手を追加し、操作性の向上を追求したことで、多くのユーザーが楽しでいるという。
また、家庭用ゲームでは「Teenage Mutant Ninja Turtles: The Cowabunga Collection」を発売し、欧米を中心に好調な出足となった。
モバイルゲームでは「遊戯王クロスデュエル」を配信開始した。4人同時対戦の新感覚のカードゲームとして高い評価を得ている。
継続した取り組みとしては、「プロ野球スピリッツA(エース)」が順調な推移となった。「遊戯王 マスターデュエル」では積極的な新カードの追加、レギュレーションの変更によりゲーム環境の変化を促し、ユーザーから引き続き好評を得ている。
カードゲームにおいては、「遊戯王トレーディングカードゲーム」が引き続き好調に推移しており、グローバルで売上が伸長した。「遊戯王 マスターデュエル」をきっかけとして新しく触れたユーザー、再び遊び始めたユーザーも加わり、遊戯王コンテンツ全体で相乗効果が生まれている。
eスポーツでは、「eFootball2022」で、全プレーヤーが参加可能で、プラットフォームごとにNo.1プレーヤーを決める「eFootball Championship Open2022」を開催した。「遊戯王 デュエルリンクス」では、大規模オンライン大会となる「KCグランドトーナメント2022」の本戦を行った。いずれの大会も全世界にライブ配信を行い、大きな盛り上がりを見せた。
なお、2022年に入り主力コンテンツの新作タイトルを順次投入したことによる制作費の償却やプロモーション費用の負担により第2四半期累計は減益となった。
(アミューズメント事業)
売上高は71億7900万円(前年同期比27.9%減)となり、事業利益は10億5000万円(前年同期比38.0%減)となった。
アミューズメント施設向けビデオゲームでは、「麻雀格闘倶楽部 Extreme(マージャンファイトクラブ エクストリーム)」において、各プレーヤーがプレーに応じて得られる投票権を応援したいプロ雀士に投票し、シリーズ20周年を象徴するプロ雀士を決める「日本プロ麻雀連盟 投票選抜戦2022」などのイベントを実施し、ユーザーから好評を得ている。
また、日本プロ麻雀連盟と共同で開催する、モバイルアプリ「麻雀格闘倶楽部Sp」を使用したeスポーツ大会「eMAH-JONG 麻雀格闘倶楽部 プロトーナメント」を開催した。厳正なる選考により選ばれた一般ユーザー24名と、日本プロ麻雀連盟所属のプロ雀士8名を合わせた32名の「eMAH-JONGプロ」が初代王者をかけて、熱戦を繰り広げた。
さらに、アーケードゲームをPCやスマートフォンでいつでも楽しむことができるサービス「コナステ(KONAMI AMUSEMENT GAME STATION)」が引き続き堅調に推移している。加えて、個性あふれる女性キャラクターにより人気を博するアーケードゲーム「ボンバーガール」を題材とした、「パチスロボンバーガール」を6.5号機第1弾として発売した。
なお、第2四半期累計では、製品の投入時期の違いから減収減益となった。
(ゲーミング&システム事業)
売上高は171億1900万円(前年同期比39.5%増)となり、事業利益は20億100万円(前年同期比9.5%増)となった。
スロットマシンでは、北米市場、豪州市場において、複数の賞を受賞している「DIMENSION(ディメンション)」シリーズが引き続きユーザーの注目を集めている。スロットマシン販売においては、「DIMENSION49(ディメンション フォーティーナイン)」が市場で高稼働を維持している。
また、パーティシペーション(レベニューシェア)では、75インチの湾曲したモニターが特徴の「DIMENSION75C(ディメンション セブンティーファイブ シー)」の展開が開始され、カジノ施設への導入が拡大している。
ゲーミングコンテンツでは、「All Aboard(オール アボード)」が約2年にわたり業界トップクラスの稼働を記録しているほか、「Lucky Envelope(ラッキー エンベロップ)」や「Ocean Spin(オーシャン スピン)」などのタイトルも市場から高評価を得ている。
カジノマネジメントシステムでは、キャッシュレスカジノを実現する「Money Klip(マネークリップ)」など、多彩な機能を充実させることにより、前四半期に引き続き堅調に推移している。
(スポーツ事業)
売上高は224億6000万円(前年同期比12.6%増)となり、事業利益は5億100万円(前年同期比8.9%減)となった。
スポーツクラブ運営では、施設でのサービス提供に加えてオンラインサービスを充実させるなど、ユーザーが自身のライフスタイルに合わせて参加できるよう、安全・安心な運動機会の提供に努めた。また、天井ミラーを設置したピラティススタジオの2号店となる「Pilates Mirror(ピラティスミラー)吉祥寺」を2022年8月にオープンした。
資産を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態である受託事業では、これまで培った運営・指導のノウハウや実績を活かして事業を推進しており、新たに神奈川県横浜市、神奈川県秦野市、京都府京都市及び福岡県福岡市のスポーツ施設の業務受託運営を開始した。
学校水泳授業の受託では、学校側のニーズはより高まっており、日本全国の多くの小学校に対し水泳指導業務を提供し、好評を得ている。
こども向け運動スクール「運動塾」では、新たに磯子(神奈川県横浜市)、川西(兵庫県川西市)、自由が丘、和泉中央の4施設でスイミングスクールを開講した。また、新たなデジタルサービスとして、映像とAIを活用した「スマートスイミングレッスンシステム」とコナミスポーツクラブインストラクターの指導技術との相乗効果により、練習効果を向上させる「運動塾デジタルノート」の提供を引き続き推進している。
■2023年6月期の業績見通し
2023年6月期の業績は、売上高3200億円(前期比6.8%増)、営業利益810億円(同0.9%増)、経常利益765億円(同2.8%増)、最終利益550億円(同0.4%増)、EPS411.74円を見込む。
・売上高:3200億円(同6.8%増)
・営業利益:810億円(同0.9%増)
・経常利益:765億円(同2.8%増)
・最終利益:550億円(同0.4%増)
・EPS:411.74円
計画に対する進捗率は、売上高46.4%、営業利益31.6%、営業利益33.2%、最終利益36.1%となっている。
・売上高:46.4%
・営業利益:31.6%
・営業利益:33.2%
・最終利益:36.1%
(デジタルエンタテインメント事業)
ネットワークを通したエンタテインメントの提供が急速に普及し、今まで以上に多くあらゆるデバイスでゲームに親しんでできる機会が増加している。その中で当事業は、デバイスの特徴に合わせた遊び方に加えて、様々なデバイスの垣根を越えてコンテンツを楽しめるよう、クロスプラットフォームでの展開を推進していく。またコンテンツの楽しみ方が多様化する中で、幅広いゲームジャンルを、ファンイベントやeスポーツ大会など様々な場面で楽しめるような取り組みを、グローバルで推進していく。
今後の新しい取り組みとしては、世界中から注目を集めた「SILENT HILL」シリーズの復活に向け、過去作の「SILENT HILL2」のリメイク、及び完全新作の制作を進めている。また、全世界で愛されている幻想水滸伝シリーズ「幻想水滸伝」、「幻想水滸伝II」のHDリマスター版である「幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争」、及び縦スクロール型シューティングゲームの新作「CYGNI: All Guns Blazing」の2023年発売を発表した。
さらに、7月よりTVアニメを放送した「シャインポスト」のモバイルゲーム「シャインポスト Be Your アイドル!」、「ボンバーマン」シリーズの最新作「スーパーボンバーマン R2」を鋭意制作している。
継続した取り組みとしては、「eFootball2023」において、今冬は世界的にサッカーに対する注目度、熱量が高まることが予想されるので、多くのサッカーファンに訴求できるよう、新機能の追加やコンテンツの充実を続けていく。「プロ野球スピリッツA(エース)」などの各モバイルタイトルにおいても、魅力ある施策を引き続き講じることで、高く評価する運営を目指していく。
また、「遊戯王トレーディングカードゲーム」は、来期25周年を迎える。カードゲームに加えて、「遊戯王 マスターデュエル」、「遊戯王 デュエルリンクス」においても、様々なイベントや大会の開催などを通じて、さらなるコンテンツの盛り上げに注力していく。
eスポーツにおいては、日本野球機構(NPB)と共同開催するプロ野球eスポーツリーグ「eBASEBALLプロスピA(エース)リーグ」の2022シーズンが開幕する。「プロ野球スピリッツA(エース)」のプレーヤーだけではなく、シーズンオフとなったプロ野球のファンにも興味を持える大会となるよう注力する。
また、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と共同開催する「eJリーグ eFootball2022シーズン」の本戦が始まる。各クラブに選ばれた3選手がクラブを代表して試合を行うことで、Jクラブサポーターを含めた盛り上がりが期待される。今後もeスポーツの魅力を発信し、eスポーツファンのさらなる拡大に向けて活動を継続していく。
(アミューズメント事業)
全国のアミューズメント施設をネットワークで繋ぐ「e-amusement」サービスをはじめとして、“人と人とのコミュニケーション"を通して生まれる新たな遊びを提供していく。また、アーケードゲームをいつでも楽しめるサービスとして、PCやスマートフォンで高品質なゲームをプレーできる「コナステ(KONAMI AMUSEMENT GAME STATION)」におけるコンテンツの拡充を進めていく。
新作アミューズメントマシンにおいては、3vs3のチーム対戦鬼ごっこで仲間と勝利を目指すビデオゲーム「チェイスチェイスジョーカーズ」、メダルプッシャーゲーム「桃太郎電鉄 メダルゲームも定番!」など、多くのタイトルの発売を予定している。また、プロ麻雀リーグ「Mリーグ2022-23シーズン」が開幕し、同社の麻雀プロチーム「KONAMI麻雀格闘倶楽部」が優勝を目指した戦いを続けている。
さらに、音楽とeスポーツを融合させたプロリーグ「BEMANIPRO LEAGUE」では、今年から新たにSOUND VOLTEXシリーズを競技タイトルとした「BEMANI PRO LEAGUE -SEASON2- SOUNDVOLTEX」が開幕する。新たなユーザー体験を提供することで、KONAMIタイトルの「面白い」・「楽しい」をより多くのユーザーにお届けし、引き続き市場の活性化につなげていく。
(ゲーミング&システム事業)
ゲーミング市場では、2022年10月に業界最大のイベントである「Global Gaming Expo(G2E)」が、3年ぶりに新型コロナウイルス感染症の拡大前と同様の規模で開催した。回復に向かっている市場にとって大きな盛り上がりとなることが期待されている。
その中で、スロットマシンでは、市場で高い評価を獲得しているスロットマシン「DIMENSION(ディメンション)」シリーズやゲーミングコンテンツ「All Aboard(オール アボード)」、「Ocean Spin(オーシャン スピン)」等の展開を進めていく。さらに、新たなコンテンツを展開することで、「DIMENSION」シリーズの価値向上に努めていく。
カジノマネジメントシステム「SYNKROS(シンクロス)」においても、最先端の技術を活用した各種機能の開発を進め、ユーザーの需要を獲得していく。
(スポーツ事業)
スポーツクラブ運営では、日常生活や経済・社会活動を継続しながら、業界団体が定めるガイドラインに沿った取り組みに加え、自社基準による感染拡大防止策を講じることで、引き続きユーザーに安心して利用できる施設運営に努めていく。
なお、天井ミラーを設置したピラティススタジオの3号店となる「Pilates Mirror(ピラティスミラー)桜新町」を2022年12月にオープンする。「Pilates Mirror」は多くの方から好評を得ており、さらにたくさんの方に体感できるよう、今後も店舗数を拡大していく予定。
受託事業では、2022年10月より新たに愛知県豊橋市のスポーツ施設の業務受託運営を開始する。また、学校水泳授業の受託では、学校が抱える様々な課題を解決し、子どもの泳力・体力向上と授業環境を充実させるべく、対象校の拡大を進めていく。
こども向け運動スクール「運動塾」では、スイミングスクールの提供施設を拡大するとともに、新たなデジタルサービス「運動塾デジタルノート」の提供施設を拡大し、子供の新しいチャレンジをサポートする。引き続き、持続可能な社会に対応した商品・サービスの提供を進めていく。
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766