円谷プロ、9月中間決算で事業収入が67%増の36億円 「ウルトラマン」トレーディングカードが中国で急拡大 国内は『シン・ウルトラマン』で幅広いファン層を獲得
円谷フィールズホールディングス<2767>は、この日(11月8日)発表した9月中間(22年4~9月)決算において、中核子会社である円谷プロダクションの事業収入が前年同期比で66.8%増の36億0300万円だったことを明らかにした。
伸びをけん引したのは、中国向けのMDライセンス収入で、同129.5%増の10億2600万円と大きな伸びをみせた。海外MD全体の売上12億9400万円の8割を占める状況となっている。同社によると、中国をはじめアジア地域におけるトレーディングカードなどの伸長が著しいとのこと。
国内MDライセンス収入が同36.8%増の10億0900万円だった。大ヒット映画『シン・ウルトラマン』公開で幅広い層のファン獲得が可能になり、グッズなどへの波及効果が出たもよう。
また映像事業収入も同72.8%増の12億9900万円と大きく伸びた。
同社では、2019年からトレーディングカードを主力とする低価格帯商品をキラーコンテンツとして現地流通網の構築に着手し、都市部の有名店舗のほか、雑貨店、玩具店、文具店など中国全土に70万店に及ぶ流通拠点を築いた。
また、上海においては年間来場者数500万人以上を誇るオーシャンパーク内に常設のウルトラマンエリアが2022年7月にオープンし予想を超える反響を得ているそうだ。
こうした事業展開が可能になったのは、2018年の米国におけるウルトラマン権利訴訟の勝訴を受けそれまでの海外展開に対する厳しい制約とリスクが取り除かれたことが背景にある。
同社によると、もともと中国でウルトラマンは絶大な人気を誇っていたそうだが、そしてここ数年の地道な「種まき」が実を結びつつあるようだ。環境が整ったことで本格的な拡大はこれから始まる。
会社情報
- 会社名
- 円谷フィールズホールディングス株式会社
- 設立
- 1988年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 グループ最高経営責任者 山本 英俊
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1419億2300万円、営業利益118億2700万円、経常利益129億4700万円、最終利益115億5100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2767
会社情報
- 会社名
- 円谷プロダクション