SensorTower、『2022年世界のモバイルIPゲーム市場インサイト』を公開 高収益IPゲームのほとんどが日本からのライセンス

SensorTowerは、この日(12月14日)、『2022年世界のモバイルIPゲーム市場インサイト』を公開した。レポートでは、モバイルゲーム市場におけるIPゲームの発展状況やトレンドの紹介、分析を行っている。


モバイルIPゲームの収益は年々増加
モバイルIPゲームは2018年から収益の上昇が続いている。2020年の収益増加が最も目覚ましく、世界全体の成長率は24.5%にものぼった。同年の収益成長率では、ヨーロッパが31.1%、中国本土が32.9%と最も大きくなっている。アメリカ、日本、韓国、東南アジアはいずれも20%を超える収益成長率を記録している。2021年は世界のIPゲーム総収益の伸びは鈍化したものの、依然として2020年を上回り、203億ドルに達した。

2022年1月~9月の期間、モバイルIPゲームは128億ドルの収益を上げており、Apple市場での収益はその61.7%を占めている。

 

2022年1月~9月の期間、世界のモバイルゲーム収益トップ100に24タイトルのモバイルIPゲームが入り、ユーザーの総消費額は約75億ドル、収益シェアは24.1%に達した。このことから、モバイルIPゲームはモバイルゲーム市場の収益構成において、依然として軽視できない存在であることがわかる。

 

世界のモバイルIPゲーム市場は、2018年から2020年にかけて比較的安定し、年間ダウンロード数は一時30億に迫った。モバイル市場は新型コロナウイルスの流行による成長ボーナスが薄れ、モバイルIPゲーム市場は2021年に初めて大きく落ち込むことになり、最終的なダウンロード数は24億となった。

2022年第1~3四半期における世界のモバイルIPゲームダウンロード数は16億で、iOSが28.3%、Google Playが71.7%を占めた。

 
ダウンロード数ではヨーロッパ、収益では日本がトップ
日本は、膨大な数のローカルゲームやアニメのIPを保有しており、2021年にはモバイルIPゲームの収益が72億ドルと最も高い市場となった。また、アメリカも同様にオリジナルIPのリソースが豊富なため、ユーザーは関連モバイルIPゲームに対して高い消費意欲を持っている。アメリカのゲーム市場は、現地のテレビシリーズやアメコミ、小説などのIPが主流だが、近年は『スーパーマリオ』『ポケットモンスター』『ドラゴンボール』などの日本IPもアメリカへの進出に成功している。

ダウンロード数では、2021年にヨーロッパにおけるモバイルIPゲームの総ダウンロード数が5億を超えた。この地域では、PC/コンソールゲームのIPが最も多く受け入れられている。また、アメリカおよび東南アジアでは、モバイルIPゲームのダウンロード数が3億を突破した。

 
世界の高収益モバイルIPゲームのほとんどが日本からのライセンス
『PUBG MOBILE』と『Pokémon GO』が収益の高いモバイルIPゲームで、長年にわたり世界のモバイルIPゲームの収益ツートップになっている。IPソースの分布では、日本の漫画やゲームIPからライセンスを受けたモバイルゲームが世界のベストセラーの半分以上を占め、大きな影響力を持っている。アメリカのIPゲームはMarvelやスタートレックが中心で、韓国ではリネージュシリーズがランクインしている。

 

PUBGは依然としてダウンロードランキングで上位を占めている。Electronic Artsの『FIFA Soccer』は2022年の第1~第3四半期にかけて盛り返し、ダウンロードランキングで2位を獲得、3位にはMattel163の『UNO!』がランクインした。

PC/コンソールゲームのモバイルゲーム化が顕著になっており、2022年のモバイルIPゲームダウンロード数トップ20には、2020年より2つ多い、14タイトルのPC/コンソールゲームIPがランクインした。『PUBG MOBILE』『Plants vs. Zombies』がその代表例。また、2022年5月にリリースした『Apex Legends Mobile』は、2022年の第1~第3四半期のダウンロード数トップ10入りに成功し、このタイプのIPの強い魅力をさらに裏付けることになった。

 
PC/コンソールゲームのフランチャイズがモバイルIPゲームのトレンドに
モバイルIPゲームのカテゴリ別分布を見ると、ミッドコアゲームが依然として収益貢献度の中心であることがわかる。RPGはミッドコアモバイルIPゲームの中で最も収益力の高いカテゴリで、他のミッドコアゲームカテゴリを合わせたものよりも収益貢献度が高く、39%となっている。カジュアルゲームでは、『Pokémon GO』に代表する位置情報ARゲームの収益実績が最も目を引き、アーケード、パズルカテゴリがそれに続く。スポーツ&レーシングでは、Electronic Arts、NEXON、TakeTwoなどのフランチャイズをベースにしたモバイルゲームが人気を集めた。

ダウンロード数では、カジュアルIPゲームの市場シェアが49%で、ミッドコアゲームのシェア(35%)を若干上回った。セガの『ソニック』関連パルクールゲームのおかげで、アーケードカテゴリのダウンロード数が最多となった。シミュレーションカテゴリでは、『Minecraft』と『ザ・シムズ』が最も人気を集めた。ミッドコアモバイルIPゲームのユーザー分布は比較的均一だが、ストラテジーおよびシューティングカテゴリにやや集中している。

 

PC/コンソールゲームのフランチャイズがモバイルIPゲームの最も主要なIPソースであり、世界のモバイルIPゲームのダウンロード数トップ100のうち33%がこのジャンルに含まれる。PCからモバイルに移植した人気シューティングゲーム『PUBG MOBILE』は、長きにわたりダウンロードランキングで首位を維持している。第2位はアニメシリーズ/映画で21%を占めている。

アメリカ市場では、PC/コンソールゲーム、アニメに加え、『UNO』や『モノポリー』など、ボードゲームIPが10%を占め、第3位にランクインしている。

日本市場はアメリカ市場とは大きく異なる。ローカルの漫画作品とPC/コンソールゲームが主なIPジャンルとなっており、この2つで72%を占めている。これは、日本の成熟した漫画・ゲーム産業と密接な関わりがある。

一方、韓国市場は、アメリカと日本の影響を共に受けており、PC/コンソールゲームや漫画、スポーツが主なIPソースとなっている。ローカルIPとしては、主にNEXONとKakaoのPCゲームIPから成っている。

 


詳細情報は同社ウェブサイトに記載している:
https://sensortower.com/ja/blog/state-of-ip-games-2022-report-JP

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