【連載】中山淳雄の「推しもオタクもグローバル」第46回 声優の未来:AIボイスが生まれるこの世界で声のデータベース化を試みるスタートアップVoiStock
声でのビジネスといえば、アニメと声優である。声優は収録スタジオで指定されたアニメキャラにあわせて状況・キャラの感情にあわせてボイスを収録し、半日拘束で3~5万円といった取りおろしで収益を得る。ユーザーはアニメ・キャラの裏側で演じる声優の声を味わうため、そこに「著作権」は発生せず(ときにキャラそのものともいえる著作性を帯びる声優、それを凌駕してキャラを人気にしてしまう声優もいるが)、声優ビジネスはむしろ本人が露出するイベント出演、グッズや個人の音楽CDなどが収益源になることのほうが多い。だが近年「声優の過去のボイスを集め、限りなく本人に近いAIボイス」が野良のサービスとして立ち上がった。MoeGoeである。今回はそうした「キャラクターボイスビジネス」を5年間、ほぼNPOのように運営してきたVoiStockというシンガポールの会社に話をきいた。今後、「声ビジネス」はどうなっていくのか?
■「声のYouTube」を作ろうという試み、5年間収益ナシのプラットフォームから偶然生まれた声優のAIプラットフォーム
――:今回Voistockを立ち上げられたお三方の自己紹介からお願いいたします。
福井:福井陽孝(ひろたか)旧姓を後藤 と申します。1996年に学生起業でWeb制作のコムを作り、レッグス(現株式会社CLホールディングス)・TYOの資本傘下になりつつ、位置取りゲームのマピオンケータイ国盗りなどWebとモバイル企画・制作をやってきましたが、それを2010年に売却し、シンガポールにきました。そこからレッグス・シンガポールで魔法少女まどか☆マギカfoneなどAndroidビジネスや家業の武蔵塗料の仕事を経て、2016年にVoiStock事業を始めました。
サンチル:Sanchir Enkhzol(エンフゾル サンチル)です。モンゴル出身で小・中学を日本、高校をアメリカ、大学をシンガポールで過ごし、その時に福井さんと知り合った縁でVoiStockを2人で創業し、CTOとして開発を担当しています。カードゲーム、アニメ、ゲームは昔から大ファンです。
加藤:加藤順彦(よりひこ)ポールです。僕も福井さんと同じく 学生起業で、関西学院大学時代にリョーマ、ダイヤル・キュー・ネットワークの設立に参画、1992~08年まで創業した日広(現:GMO NIKKO)を経営していましたが08年からシンガポールに移住して投資家をしております。VoiStockはアイデアベースのところから福井さんサンチルさんと一緒にやってきて、現在もDirectorをしております。
※加藤氏は関西学院大学で教鞭に立ち、著書『若者よ、アジアのウミガメとなれ』でも有名
▲左から福井陽孝氏、サンチル氏、加藤順彦氏
――:3人が中心メンバーとしてもう6年目になります。このVoiStockというのはどういうサービスなのでしょうか?
福井:世界中の「声」を集めてデータベース化するプラットフォームです。現在は主にアニメなどからボイスを集めて(例:「海賊王に俺はなるっ!!!! 」は『作品名:ONEPIECE』『キャラクター名:モンキー・D・ルフィ』『声優名:田中真弓』『言語:日本語』などでタグ付けされた状態で検索可能)、音声の検索がいつでも可能になるものです。そのボイスをスタンプにして会話のなかで使ったり、クイズゲームにしたり、誰の声に自分が似ているかの周波分析したり、といった遊び方を提供しています。
――:たしかに「海賊王に俺はなるっ!」のボイスを聞きたいとしたら、実は結構ぴったりとしたサービスってないんですよね。
サンチル:意外にその手段ってないんですよ。だいたいYouTubeや配信サイトで動画のなかからそのシーンを探すしかなく、背景の別の音とも交じってしまっています。何回もその声だけをリピートすることもできない。VoiStockは無料登録で自分の好きな声優・キャラの声をあとで何度も聞いたり、DLしてmp3で保存したり、同じ声優で別キャラの声をストックしたり、SNSでシェアしたり、「声で遊べる」ようにしています。Google検索もYouTubeも「動画」「画像」って探せるんですが、「声」を探すサービスは実はVoiStock以外に世界で存在しないんです。
▲VoiStockページ、同一キャラ、関連コンテンツ、同一声優の別ボイスなどにも飛べる
――:なるほど。映像は使っていないですが、声優とキャラにボイス自体は著作が紐づくわけですよね。この分量だとまさか各版元に確認してUPしている、わけじゃないですよね・・・?著作権はどのようにクリアされてるのでしょうか?
福井:これが本サービスの出発点ですが「15秒以内の『声』であれば著作権は発生しない」というところに目をつけて、ひとまずこの制限内で2017年にプロト版のアプリとWebサイトをリリースしました。アニメなどから音声部分だけ切り出してUPして、作品・声優・種類ごとで振り分けますが、我々プラットフォーム側がUPしているものだけでなく、ユーザー自身もここで好きに切り出してボイスを置いています。
――:なるほど。そこはちょっと残念な判例でもありますが、「映像」「音楽」と違って「声」自体は著作権が発生しないんですね。KPIとしてはどんな感じなのでしょうか?
福井:ボイスとしては12.5万種類をあげていて、2割程度はユーザーが自分たちであげたボイスですね。MAUで1.7万、DAUで800人程度です。宣伝費をかけず、許容サーバー代も少しずつ開放していったので、一応これでも順調にのばしてきた結果で、ちょっとずつ枠を広げてきたんです。
――:え、宣伝費いれてないんですね?スタートアップとしては、そんなにスピードやスケールでの派手な動きはされてないんですね。マネタイズポイントとか、ビジネスモデルはどうなっているのでしょうか?
加藤:実は・・・まだお金にはなってないんです。僕自身が何十社も出資してきた投資家でもありますが、このVoiStockだけは本当に特別で、ずっとエンジェル投資のお金を集めながら、このデータベースが何かになるに違いないと思って5年間やってきました。
――:ええ!?売上たててないんですか?ラウンドも4回は経験されてましたよね?逆に投資家を集める難易度が大変・・・
加藤:そうなんです。資金集めのところは割とちゃんとしていますが、どちらかというと福井・サンチル・僕という経営チームを信頼してもらい、これが何かになるのではというコンセプトの面白さだけに投資していただいており、過去は一度もダウンラウンドにならず(資金調達の度に算定される想定企業価値が下がって、以前の出資元に損をさせること)、なんとか運営の人件費・サーバー代をまかなってきました。
――:競合はどういった会社になるんですか?
加藤:実は・・・競合がいないんですよ。5年間同じようなサービスは一度も見ていないです。
――:え、えええ!?それってよっぽどですね。ホントに深海のように酸素もないところで生き残ってきたベンチャーって感じですよ。競合が全くいないって、ホント見たことないですよ実際。
加藤:はい、だからコスト管理がすごく大事で。
――:なるほど、5年間コストを究極落とした「データベース事業」でいまだマネタイズは見えていないけれど・・・。Wikipedia的というか、まるで「声の国会図書館」のようですね。それが今回大きな騒動としてMoeGoeという中国のAIサービスにつながりました。
福井:そうなんです。5年間本当に音声のニーズが高まるのを感じながら 自分たちでちょこちょこ実験的事業のようにやってきたんですが、我々としても「いつかは発明したいと考えていたUtilityが早くも実現されたのか!? 」という感じでした。
――:具体的に何が起こったのか、説明していただいてよろしいでしょうか?
福井:中国でVoiStockの12.5万種類の声のデータベースをAIに読み込ませて、「有名声優2,891人の音声モデルを公開して、自分の好きなボイスを喋ってもらう」というシステムMoeGoeをくみ上げたんです。2022年11月5日のことです。あくまで合成音声なのですが、「声優の仕事が奪われる?」とTwitterで大騒ぎになりました。
――:これは半年前に自動画像生成のMimic、NovelAIやMidjourneyでも話題になった「AIの新しい使い方」です。こちらはVoiStockとしては何か協力関係などあるのでしょうか?
福井:いえ、彼らの告知で弊社のサービスが使われていたことを後から知ったのです。おそらく何十万というボイスを集めるのはYouTubeで動画をたどって地道にリッピングしていけば可能ですが、弊社のようなきれいにデータベース化してあるサービスは唯一無二なので、、、ビジネスの是非としては確かに議論の余地はありますが、個人的にはこういう使い方もあるだろうと想定して いたところで「くるべき事態が来た」という感じでした。
――:以前AIボイスでは孫正義財団の早川さんが作ったCoeFontも取材しました。あちらは本人の同意のもとに声を吹き込んでもらい、そこで生成された人ごとのAIボイスを有料(ポイント)で使うため、声の著作権として本人にも還元される形でのサービスでした。
福井:はい、弊社の場合は「その『人』のボイス」というよりは「その『キャラ』のボイス」という特性も強く、データベースはあくまで過去のアニメ・キャラにも紐づいています。まだマネタイズしていないので著作権還元の仕組みは入れておりませんが、これまでも版元・テレビ局・アニメ会社・声優事務所と話し合いながら、新しいビジネスモデルを探っているところです 。
――:そうですね、VoiStockも既存の販売後の映像からリッピングしてとっていて版元としては余計な工数が出ているわけではない。ただ過去の自分たちの資産めいたものを何かビジネスにつなげられないか・・・というわけですよね。今回は中国企業に「使われた」立場のVoiStockとしては、提訴したりとか何かアクションはあるのでしょうか?
福井:いえ、僕らの15秒以内のボイス切り出し自体も適法ですし、彼らもそれをVoiStockの適正な使い方のなかで「読み込ませたAIでボイスを作った」だけなので、ここに違法性はないんです。ただそのAIでどういう儲け方・ビジネスをするかで今後どんどんグレー・ブラックにはなりますが、、、むしろ彼らの作り方が凄かったんです。MoeGoeって企業じゃないんですよ。500人くらいの有志のボランティアエンジニアが2部屋くらいのオンラインスペースで自分たちが好きでつくって、いわゆる「中国の大好きな声優ボイスをききたいAIエンジニア1000人くらいが勝手に作った」ものなんです。いまだそれでビジネスしているわけではないので、ここにどう違法性をついていくか、皆が処し方を静観・検討している段階といえます。ただし、動かずに静観し過ぎていると後手に回ってしまうので、事業の先頭を走りながら法的な変化を静観するのが今の時代には正しいと考えています。
――:なんと・・・技術と熱意が法律の想定する使い方を凌駕した事例なのですね。「推し」の力の半端なさを感じます。まだファンサブのように、株式会社でもNPOでもないもの、いわばDAOがつくったサービスという感じですね。
加藤:そう、まさにDAOなんですよ。DAOが勝手に作って商売にもなっていないサービスが、将来的には過去の著作性・商業性あるものを損ないかねない。そこをどう線引きするかが今問われている状況です。
――:非常に難しい問題ですね・・・ぜひこの問題はのちほど議論させてください。
■ホリエモン・サイバー藤田と同期のWeb1.0起業家、レッグス・TYO資本下からの塗料会社への婿入り
――:いったんVoiStockのなりたちまで、福井さんのご経験をお聞きしてもよいですか?
福井: 大変、長くなりますが、それでもいいですかね?笑。1996年に大学院時代(東京理科大)に起業しています。まだ「IT」や「Web」という言葉もなかった時代なので、専攻こそ機械工学科でしたが米国の論文をみたりMosaic(1993年からの初期ブラウザ)など使ってWebビジネスを始めたんです。ちょうど慶應大学でもSFC入学の創設期(1990年~)で、ホリエモンとかCyberAgentの藤田晋くんとかが、同世代でネットビジネスをはじめていました。
――:Web1.0時代ですね!以前まぐまぐの深水さんも取材しました。規模はどのくらいだったのですか?
福井:会社は20名規模でしたが、当時だとそれでもWeb制作会社として「かなりの規模」という感じです。様々な広告代理店からランディングページをつくってほしい、会社のHPをつくってほしいといった依頼に対応してきました。うまくいっていたのもあり、大学院は中退しています。
――:いまだとHPやブランドページって100~200万円といった単位で作ってますが、当時だといくらくらいだったんですか?
福井:ほぼ人件費原価で20万円くらいだったんですが、大手広告代理店を経由すると最終明細でそれこそ200万円とかでした笑。価格のつけ方も難しい時代だったので「Web・IT」といった未知のジャンルで、業界価格が出来て企業が育ったのは案外電博のお陰というところはあるかもしれませんね。皆、2、3年もすると 代理店を抜いて「直で150万!」とかで制作請負するようになっていましたが。
2001年にセールスプロモーションでイベントやグッズの制作受託をしていたレッグスが上場するのですが、これからはITの時代だということで彼らの出資第一号案件として内川淳一郎社長から 話を頂き、上場直前の2000年に出資頂く 形でコムがグループ入りしました。
――:ああー、それで1998年プロパー入社の谷さんとのつながるわけですね。レッグスさんのJVとして以前テーマカフェ事業で取材させていただきました 。それでシナジーはあるものなんですか?
福井:内川社長に企業単体で独立採算を採れる経営者として育てていただいたのでそこまで連携する形ではありませんでしたね笑。とても仲良く やらせていただいていました。その後、「CMの続きはWebで」という時代がきて、その展開を熱心にやっていたTYOが2006年にレッグスから株式譲渡を受けてコムのマジョリティ株主となります。
――:レッグスもそうでしたが、TYOもテック系のイメージ実はあまりないんですが・・・。
福井:当時TYOってLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン )みたいな会社を目指してと記憶してます 。優秀なクリエイター社長を集めて、全部51%資本はとるけど49%は全部本人たちにも株式もたせて、クリエイターをリスクから守りつつ大きなチャレンジさせて広告クリエイティブ業界をひっくり返すぞ、と。電博がやれていないところをどんどん広げていくような、勢いがあるグループ でした。
――:ええ、そんな会社だったんですね!?たしかに1963年設立のAOI Proに対して、1982年設立のTYOのほうが、新興でどんどん攻めてた印象です。映画出資したり、「ユニクロック」なども確かに作ったものは斬新だったのは覚えてます。
福井:けっこう凄かったんですよ。吉田博昭社長が引っ張って、『TYOの勢いはなぜ止まらないのか?』 って本まで書かれていたくらいです。CMやWeb制作会社だけではなく、ゲーム会社からアニメ会社まで40社くらい関連会社があったなかで、かなり買収もスムーズにいって、利益を上げて社内留保を貯めていたのはオタクだらけだったコムと数社くらいで、どちらかという野放図な企業風土が業界で求められて強みになっていたと思います 。当時は“六本木族"とかテレビや広告マンが夜な夜な六本木・赤坂で乱痴気さわぎしていましたが、そういう派手な営業 をする社員も結構いました。それがリーマンショック後の景気低迷で方針転換を余儀なくされ、全部TYOに吸収されることになるんです。
――:レッグスからTYOなどいろんな資本変遷ありますけど、創業者・最大個人株主でもあった後藤さんがその後武蔵塗料に入られて「福井さん」となりました。ここが???なんですが。
福井:当時のTYOの早川副社長の奥様からの紹介で、武蔵塗料(1958年創業、年商200億円超のプラスチック用塗料)の3代目の福井裕美子と結婚したんです。これも結構長い話になりますが、続けちゃって大丈夫なんですかね?笑
――:ぜひぜひ!Voistockがどこから生まれたのかという原点の話ですから!
福井:裕美子が30代前半 くらいのころで、創業家2代目で父の福井修平社長ががんになっていたこともあって、お見合いしまくってたんですよ。裕美子本人から聞いた話ではおよそ150回くらい笑。初めて会った時には、 裕美子自身は学生時代にマガジンハウスでバイトしていたり、新卒でサイバーエージェント、そのあとライブドア・マーケティングで、その後に家業の関係で 2年間中国にも赴任していたくらいなのでバリッバリのOLの感じでした。こっちは起業家とはいえ、エンジニア出身でオタクで、まあこんな感じですからね笑
――:タイプが結構違かったということですね。裕美子さんの第一印象、どうだったんですかね?
福井:後年分かったんですが、僕と初めて会った ときに、裕美子が義妹にメール送ってるんですよ。「豆もやしがきた。今日は消化試合。」って笑
――:(一同爆笑)。全然タイプじゃなかったんですね笑。
福井:なにせ「豆もやし」ですからね笑。もう全く眼中にない感じだった。そのとき結婚条件が3つあったんですよ。「運動神経が良く、格闘技など素手で生きる力がある 」「日本語以外に堪能な言語がある 」「触られてもキモくない」。前2つはクリアしていたんで、最後の条件でちょっと手をあわせてみたら、「キモくはないね」ということで、いったんまた会える状況となりました。
――:え、えええ?それって武蔵塗料の後継者選びでもあるわけですよね!?そんな安易でいいんですか?
福井:裕美子のほうは単なる結婚相手探しで、そういう点では見ていなかった気がします。2009年2月7日にお見合いして、2月14日の翌週に福井修平さんに挨拶にいったら、そこでは、なんかちゃんと見られてました。事前に「3年分のPL/BSもってこい」って言われてて、目の前で眺めながら、「なんで広告代理店からの仕事しながらこれだけの利益率出せてるんだ?」とかなり細かい数字や原価率、接待交際費などもかなり詳しく聞かれました。実は福井修平さんは元々電通のクリエイティブ出身で、制作会社の利益率とか接待交際費の緩さをかなりご存じだったようで、そのおかげでコムの利益率や案件単価の高さに驚いてくださって、経営者として合格した様子でした。
――:いや、いやいやいや。展開早くないですか?1週間で結婚決めて、父親挨拶。しかもPL/BSもってこいって笑
福井:裕美子は家業に関してほとんど話さなかったので塗料メーカーということも正直知らず、ペンキ屋さんくらいと 高をくくって福井修平さんに会いに伺ったのが真実です。何も知らなかったので臆せずに話ができたのは、今考えるとかなり運が良かったですね。で、結婚式が近づく中で調べたら武蔵塗料って業界シェアも半端ないし、携帯における部品塗料でかなり収益出してたんです。義父も海外展開を推進していた2代目社長だしで、こりゃすごい経営者だ!と。幸い、あちらでもコムの内情も見たうえで、結婚OKとなりました。だから裕美子と出会って、実質2週間くらいで(僕は)結婚決めてるんですよ。
――:あとその2010年3月にもレッグスでも監査役になってますよね。
福井:婿入りすることになったら、「家業って結構大変だよ。しかも数百億円の規模の会社をみるんなら、君も創業した会社だけではなく、一回上場会社の経営をみておいたほうがいい」とレッグスの内川社長が誘ってくれて、その好意に甘えてレッグスの監査役になりました。こちらも大変勉強になりました。いまの経営者としての基礎はこの監査役と、あとはレッグス時代から学ばせていただいている 盛和塾のお陰ですね。稲盛式アメーバ経営をずっと実践してきました。
■レッグスシンガポールのモバイル事業で気づいたボイスの可能性
――:でもTYOからは吸収統合のお話でしたよね?2009-10年と連続赤字となり、2010年10月にPEファンドインテグラルが入って再生支援を進めてきました。資産家の家業に入ったなら、コムを武蔵塗料で買い取って独立、という線もあったんじゃないですか?
福井:いや、まさに。義父は買い取ってウチでそのままやるか?という話もあったんですが、僕がそういう迷惑かけたくないというのもあったので、TYOに僕の株式の一部を売却し、社長から退任する代わりに吸収せずに子会社として独立した形で残してもらうことを選びました。その後コムはTYO Digital WorksとしてTYOのIT事業の中心となり、2020年10月まで子会社として10年存続させていただけました。
――:グループは変われど1996年創業から15年間ずっと黒字で経営してきた中で、それは残念でしたね。。。それでシンガポールに渡られるんですね。
福井:はい、2009年8月に結婚、2010年10月にはコムの代表辞任、その後11月にはシンガポールに来ています。最初は裕美子も一緒にという話だったのに忙しくていけないとかいうので、結局そのあと3年くらいは単身赴任に。
コムを手放したときに競合避止があって、日本国内では3年間類似事業をやれなかったんですよ。それで何のゆかりもないシンガポールに渡り、コム的な海外のWeb事業をやろうか、とか武蔵塗料としても海外展開できないかと設立したのがcomusashi(コムサシ)です(武蔵塗料自体も2000年代に中国・韓国・香港・タイ・ベトナム・マレーシアと積極展開している最中だった)。
――:冗談のような会社名ですね笑。コムの海外版とも言えるし、武蔵塗料の子会社ともいえる。でもシンガポール自体はどちらにせよゼロベースなわけですよね。
福井:1人の知人もいなかったので何も知らずにいきなり3か月ホテルを借りちゃったので、実は最初に泊まっていたのはゲイランなんです(歌舞伎町のような有名な夜の風俗街)。1泊60ドルのHotel81に3カ月間住所を置いていたんですが、これはいまだにシンガポール人の友人や同僚たちからもスゴイと伝説になってますね。
――:それはスゴイです・・・あんな環境、とてもゆっくりできないですよ。
福井:実はちょうどマリーナベイサンズ(MBS)ができたばかりで(2010年7月開業)。当時は宿泊時のキーを見せる形で入館確認をしていたので、キーを提示することでプールやジムに入ることができました。
――:え、そうなんですか??
福井:そう、だから毎月初めにMBSに泊まり、あとの29日はプール・ジム、仕事をMBSでやってから、寝るときだけゲイランに帰るという毎日を過ごしてました。
――:MBSハックですね。なるほど、。カジノもじゃんじゃん出来た時ですよね。
福井:当時はシンガポールも黎明期でしたからね・・・ 実はカジノでもそんな感じのことがあって。カジノのスロットって1回転12ドルの一番高いレートやつは還元率高くて98%なんです。そしてMBSのメンバー獲得のキャンペーンで、カジノで使った費用の4%をポイント還元をしていたんですよ。え、これ掛け合わせたら必ず102%になるじゃん!?と思って、、、この「カジノで絶対負けない理論値」をもとに、実際に●●円儲けて、MBSのステータスもダイヤモンドになりました。
――:え、ええええ!!(一同衝撃)ハックしまくってますね。いやーだんだん福井さんの性格つかめてきましたよ。リーガルに仕組みの穴を見極める力がスゴイですね。
福井:あの、一応真っ当にビジネスもやってましたよ笑。ComusashiでWeb制作やアプリ事業などの相談も日系大手の会社から受けたり、竹を組み合わせた足場で塗装してるアジアの現実を解決しようと、ドローンを使ってビルの外装塗装をトライしたり、と色々ビジネスをR&Dしていたところで、加藤さんともお会いしてます。加藤さんがシンガポールで運営しているコワーキングスペース「CROSSCOOP SINGAPORE」(2011年4月設立、日系コワーキングスペースとしてはシンガポール初)に入居していたんです。そして2013年からレッグス・シンガポールのモバイル事業を推進しました。
――:監査役もやっていらっしゃったところから、海外担当の執行役員だった谷さんと一緒にやるわけですね。
福井:そうそう、そうなんです。当時foneclayという技術があって、アンドロイド携帯を好きなように作り変えられたんですよね。そこでアニプレックスさんと版権交渉をして、電話したりメールしたり「携帯での活動」ごとにポイントをためるゲーミフィケーションを導入してanifoneという事業を立ち上げました。第一弾「魔法少女まどか☆マギカfone」として、そのボイスやキャラごとの着せ替えアプリを販売するんです。1キャラ1200円とかで。まどマギっぽく夜になると夜の魔女となって獲得ポイントが変わったり、結構その作品ならではの仕様がウケて、何十万ダウンロードとされました。
――:このあたりから「ボイス」の事業に近づいてきますね。これは海外での展開なんですか?
福井:いや、作ったのはシンガポールですが、売り先は日本ですね。次の「ソードアート・オンラインfone」も無料とはいえ、その何倍もダウンロードされて 、かなり浸透しました。このあと僕は離れてしまったのですが20作品くらい別のIPで作っていきました。
このビジネスで声優さんの「とりおろしボイス」の価値に気づいたんです。壁紙とかアンロックとか、ちょっとしたものだと大して飛びつかれないのに、「声優の限定ボイス」になった瞬間、すごい数字が跳ねるんです。そこで「ボイスって何かすごいビジネスになるんじゃないか」という現在の事業につながっています(anifone 事業に関してはその後Androidのバージョンアップ速度についていけず、うまく作動しないなどの問題があり撤退することになる)
――:これは今AnycolorさんがにじさんじEnglishで大成功させている事例ですよね。あっというまに時価総額が1千億円から3千億円に跳ね上がったのはデジタルボイスの商品化売上が海外で爆発している数字からです。
福井:10年近く前の事例ですが、このanifone事業でもほぼ同じ感覚を持ちました。ただそうこうしているうちに、2013年から取締役として武蔵塗料にも参画していたのですが、2014年に武蔵塗料で裕美子が代表になり多くの改革をする決意を固めたので僕も日本で一緒に改革をすると決め、僕は一旦レッグスの事業を手放し、谷さんや新規で採用した松本有理さんに託すんですよ。
――:なるほどーーそこで有理さん(DeNA時代の中山の同僚)がシンガポール採用になったんですね。なんて夢のあるジョブなんだと当時は仲間同士で興奮してました。
福井:裕美子に呼び出されて2日でシンガポールから日本に戻ります。14年7月でした。
――:結婚も2週間でしたけど、3年間でねづいていたシンガポールの事業を手放して日本に戻るのも2日。ここらへんのスケジュール感は完全に福井さんは常人じゃないですよね。
福井:決めると早いんですよね笑。それで2014~15年と2年間色々夫婦で格闘した結果として、問題がクリアになって裕美子が独り立ちで社長をすることになった。それで子供も一緒に、今回は家族で2016年にシンガポールに移住してきました。ただ武蔵塗料が裕美子体制で盤石になったので夫もいると混乱するし、ということで僕は武蔵塗料を辞めて、シンガポールで主夫業(子育ては出張の多い裕美子夫人よりも福井氏+メイドの分担が大きめ)しながら、もう一度起業をやりなおそうとなりました。ここでサンチルと出会い事業の形を作る中で加藤さんとも再会して、アイデアブレストを始めたんです。
――:ここで線がつながるわけですね。いろんな道のりをしながら、ようやくVoiStockのところに近づいてきました。
加藤:いろんなのが出てきましたね笑。コスプレーヤーがヘッドセットつけて、まどマギの〇〇の声だすの面白くない?とか言われて、「う~~ん、、、面白い、か?」と唸ったのを覚えてます。それこそ時代が早かったですが、AI使ったボイスも検討してて、フィギュアがしゃべる技術とかも特許でとったりしてました。
福井:ちょうど2016~17年って「声優残酷物語」みたいなニュースもよく流れてたんですよね。あんなに儲からなかったYouTubeからも10年して仕事としてのYouTuberが生まれてきたし、プレミアム課金や投げ銭など色んな仕組みを入れれば声優にとってのYouTube事業のようにできるんじゃないかというアイデアがVoiStockにつながります。声を自由に使うことにこだわったり、IoTの流行もあって、声をどのように使わすかというところを主体に考えてしまってましたが、それ以前に声のデータが世の中に全く無いことが常に課題になるのでそれを創り、存在させる意義にサンチルと気づき始めました。
加藤:世界中でアニメは「オリジナルボイス」で聞かれてるんですよね。日本語の意味もわからないユーザーでも声優の生のボイスで聞いています。2人のいろんな声の使い方のアイデアに「全然いけてないと思う」と言いまくってたんですが、出してきたのがこの「オリジナルボイスのデータベース」を創るというアイデアでした。まあ、これなら可能性はあるかもしれないな、と。
――:サンチルさんもこのあたりで入ってくるんですね。
福井:サンチルはNTUの学生だったときに知り合っているんですが、DMM秋葉原で心筋梗塞を自動で検知してアラームが流れるようなウェラブル心電計のプロトタイプを作ってたり、結構いろんな発明してたのと、彼が半端ないアニメ・ゲームオタクだったのでそこで意気投合して、じゃあ一緒にやろう!となったんです。声のデータベースの事業の形がはっきり見えたので、Comusashiを社名変更してVoiStockにしました。
加藤:2人はすごいフィットしてたよね。「かわってんな~こいつら」と思ってました。
■モンゴル人起業家、医療一族から生まれた不出生のオタク
――:サンチルさんのストーリーもちょっと興味あるんですよ。
サンチル:モンゴル出身の母親が医学系大学院の奨学金で日本の群馬大学に所属となったおかげで(博士課程、その後のポスドクまで含めて)7歳から前橋市 に住みます。なので僕 は日本の奨学金で育てられた子供ですね笑
――:モンゴルというのも変わってますよね。そのあとアメリカに行かれてますよね。
サンチル:ちょうど高校にあがるときに母親が日本の大学よりも条件のよかった米国NIH(首都Washingtonの隣町Baltimoreに位置するNational Institutes of Health)から引き抜かれて、突然赴任したのが米国ボルチモア。当時は米国一高い犯罪率で、年300人が銃殺されているようなデンジャラスな土地で、ビクビク渡米したのを覚えています。英語はゼロでした。
――:中学生ですよね?それは苦労しましたねー。日本語も必死で覚えたけど、高校では今度英語を必死で覚えるわけですね。
サンチル:それでようやく高校も卒業だとなったときに、母親が突然「飽きたからモンゴルに帰る」と。僕はどうするんだという話になるんですが、あんたももう大人なんだから自分でなんとかしなさいと言われました。
――:なんかうすうす感じてましたけど、かなりアヴァンギャルドなお母さまですよね? モンゴル⇒日本⇒米国⇒モンゴルということですね。
サンチル:それで米国で大学進学しようとしたけれどVISA変更手続きを却下されて 取得できなかったんです。一旦モンゴル帰るけど、もはや7 歳までしかいなかったので、モンゴル語は しゃべれるけど読み書きは苦手 。もうモンゴルでも生きていけないし、米国はVISA取得却下 でもう入国できない。いよいよヤバい、となってとにかく英語が話せて安く入れる大学、として世界大学 ランキング上位から手当たり次第に申請しまくりました。
そこでひっかかったのがカナダのトロント大学、香港科学技術大学、シンガポールのNUS(シンガポール国立大学)・NTU(南洋理工大学)の選択肢でした。それで一番安く通えたNTUに進学するんです。
――:NTU(Nanyang Technological University)は中山もMBAで教えてました!いいところですけど学費、あそこも300万円くらいしますけど、それでも通えたんですか?
サンチル:6割減の学費免除で年120万円くらいでいけました。4年間で500万。それでNTU学生でいったのが2013年で、その在学中に共通の知り合い のホームパーティで出会ったのが福井さんでした。
――:初期(以前ブシロード・インターナショナル社長時代に中山自身も投資のプレゼンを受けている)はモンゴルでの開発というアイデアでしたよね。月給15~40万クラスのシンガポールよりも、15~30万クラスの日本より、モンゴルなら4 ~12万で1/3で開発がまかなえるというアイデアでした。
サンチル:あ、いまもモンゴル人材を使った開発はしてますよ!現在で我々含めて7 人くらいでしょうか。開発項目や資金繰りのなかでうまく増減させながら、正直5年間かけてこれだけコスト抑えて開発・運営できてきたのは、誰も目をつけていないモンゴルという場所を中心に開発をしていることが大きいですね。
――:これはサンチルさんがJoinしたメリットですよね。ベトナムやフィリピンといったところまでは聞きますけど「モンゴルで開発」ってのは正直VoiStock以外で聞いたことありません。
サンチル:日系企業で近いものだと電通さんくらいですかね。資源の国なのでアウトソーシング拠点として活用している大企業はほとんどないと思います。
■時代はどうなっていくのか
――:では改めてVoiStockですが、これは日本でも作りえたサービスなんでしょうか?
福井:きわめて実験的なビジネスでしたし、正直シンガポールだからできたサービスだと思ってます。我々3人がたまたまここにいて、ボイス事業に過去かかわったことがあり、多言語国であったなどが重なった偶然の産物としてできた会社だと思いますね。
――:出資者もエンジェル系ということで、どこかアニメ版権・声優所属など固まった組織が入っているわけではないですもんね。
加藤:だから出資もいわゆる「版元系」はお声をかけていないんですよ。どこかの色がつくと他の会社の作品は扱いづらいですし、何よりまだお金にできるかどうか、原作と一緒にやることで本当にビジネスになるのかすら見えてない。
――:でも「実験的」という名前の通り、まさにこういう「遊び」からYouTubeも生まれてきた気がします。
福井:そうなんです。YouTubeも儲けるところから出発してなくて、「こういうのあったら面白いよね」からスタートしてます。それを買収して実際にマネタイズにもっていったのはGoogleですし、収益が出始めたのは買収して結構経ってからですよね?我々の「声のYouTube」も、その意味ではまだまだ育成段階とはいえるんです。
AIボイスに関してはまだ合成音声の感触が強いです。やはり音と音の間がぶつ切りで、自然音声における呼吸音や音同士のつなぎという意味では作りは甘いです。ただ、だからといって安住は決してできないというか・・・
――:不可逆ですよね、こういった変化は基本的に。雇用がなくなったらどうするんだと騒がれますけど、では自動糸操り機が生まれた時に手繰りの職人たちは抵抗できなかったし、長距離通信ができたときも切り替えの電話交換手の仕事は結局消えましたし、タイプライターができたときも速記者はいなくなりましたし。
福井:はい、AI描画ができたときに、じゃあ絵描きがいなくなるかというと、むしろエディットする方向にいきますよね。
――:最近も翻訳者の仕事は、8割DeepLで自動翻訳して2割のEditionのみになってきています。AI声優ができてしまうと、ある意味「撮りおろし」は一点ものの映画・アニメではもちろん残りますが、品質にこだわらずにユーザーはAIにしゃべらせてしまう。ただ個人的にはこれで失業するとは思えないんです。前述のCoeFontが「ひろゆきメーカー」を開発して100万人がひろゆき声でしゃべらせている現状でも、あくまで「ひろゆきIP」という元の面白さを援用してるだけで、じゃあパーソナリティや頭の良さも含めたひろゆき自体をテレビで出さずにAIで代用するわけじゃないですから。
福井:むしろ「ひろゆき」のブランドはひろゆきメーカーであがりましたもんね。だとするとMoeGoeなどAIサービスでどんどん聞かれる声優がブランドをあげて(Streaming音楽でもそうなってますよね)、聞かれづらい声優はどんどんマイナーになって、と二極化するような事態もありえますよね。
――:AI化されやすさ・されにくさで、むしろ「されやすさ」を特徴づける声優がどんどん出現したり、声そのものはAIで流通量を担保しつつキャラやビジュアルでそれをステップとして使う声優も出てきそうです。いずれにせよ、「流通量が増える、より聞かれるようになる」ということが間違いない中で、今までは存在しなかった戦略が切り込めるチャンスではありますね。
加藤:そうですね。逆に悪用も出てくる可能性もありますけどね。フェイクポルノといって、人気タレントの顔を自然に当てはめたAVなども出てきました。
――:ありましたね。結局その人格・著作性を侵害するものは徹底的にBanしていく必要がありますよね。VoiStockとしてはそのあたりNFT化なども検討されてるのでしょうか?
福井:VoiStock自身が認証機関になることもできます。ブロックチェーン技術を使って公式マークをつけ、転用された場合までトラッキングすることもできます。NFTボイスにしてしまえば、その収益を声優に還元していくことも可能です。現状はComposability(うまくパーツにわけられていて他サービスに転用できる)が評価されて、MoeGoeにも援用されていますが、他にもこのデータベースをもとにサービスが広がっていくのではないかと考えています。
――:現状は12万超えの声を展開してますが、基本的にそちらを増やしていく構想でしょうか?
福井:実は日本語だから広がりが弱いところもあるので英語音声での切り取りも始めてます。
サンチル:日本だとニーズが弱いんですが、実は英語だとQuote(名言)へのリスペクトが強く、よく援用されるんです。「人間がゴミのようだ」とか。名言をもじって使ったりする使用用途は英語が中心になってくるともっと広がってくると思います。
――: 今後AI音声がどうなっていくか、VoiStockはそこでどんな役割を果たしていくと思われますか?
サンチル: AI音声というか、合成音声のニーズは昔から高いと思っています。ついこの間話題になった「ゆっくり実況」も合成音声ですし、最近はより自然に聞こえる「ずんだもん」などの合成音声を使ったYouTube動画も増えています。特に日本とかは自分の個人情報をなるべく出さないでネットを使いたいというニーズが高いため、より高性能なAI音声の利用は増えていくと思います。好きな外観はCGで作成して、好きな声をAI音声で作成するVTuberなども出てくるのではないでしょうか。
その中でのVoiStockの価値というのは、やはり人間が発した感情の入った「声」をストックしているということになるかと思います。声優さんのアニメでの声を使った演技、スポーツ選手のインタビューや政治家の演説など、人の心を掴むために発せられた声というのはもう一度聞くことで、それを初めて聞いた時の感動を思い出せます。その声が本物ということをブロックチェーン技術などで証明すると共に、声主さんへの価値の還元をしていくことで、VoiStockの価値はさらに高くなっていくと思います。
福井: YouTubeの実況でもAI音声は確実に増えていっていますし、携帯電話と無線イヤホンの普及で耳に届けるコンテンツは急激に需要が高まるのでさらにAI音声のニーズは高まっていくと思います。ですが、映像やテキスト、写真データと同じようにどれだけ多くのものがAIで作られたり、データ数が増加したとしても人々が探して聴きたいと考えるオリジナルの人の想いと身体を通じて作られた「声」のニーズがより高まっていきますので、僕たちはその「声」を価値のあるものとし、価値を受け取るべき人と繋ぎます。
今の時代に合った著作物としての価値創造を声優業界だけではなく多くのクリエイター、個人に届けることが使命だと考えています。Web3やDAOなど多くのインターネットの進化で10年前には想像しても創れなかったビジネスを実現することがVoiStockの次のステージであり、そこに向かって今走っている最中ですので今後も楽しみにしていてください。
会社情報
- 会社名
- Re entertainment
- 設立
- 2021年7月
- 代表者
- 中山淳雄
- 直近業績
- エンタメ社会学者の中山淳雄氏が海外&事業家&研究者として追求してきた経験をもとに“エンターテイメントの再現性追求”を支援するコンサルティング事業を展開している。
- 上場区分
- 未上場