独立系調査機関のティー・アイ・ダヴリュ(TIW)は、2月7日付けのレポートで、グリー<3632>のレーティングについて、「2+(Neutral Plus)」の継続とした。
会社側の発表した10-12月期の業績し、売上高143億円(前四半期比15.2%増)、営業利益69億円(同11.3%増)だった。ARPUの伸びが前四半期比15円増と持ち直し、有料課金収入が伸びたことが主な要因。売上高に比べて営業利益の伸びが落ちるのは、サーバー投資などを前倒しで行ったためで、特にネガティブな要素ではないとのこと。
海外事業に関しては、Tencentとの業務提携の収益貢献などに関する具体的な話はなかったようだ。Tencentと業務提携をする一方、「GREE」の海外展開も視野に入れている(=Tencentと競合する可能性もある)との発言があるなど、方針に明確性を欠く印象を受けたとコメントしている。
以上から、TIWでは、ARPUの持ち直しや会社計画の上限に沿った進捗で、計画未達懸念が薄らいだことから、株価の上昇が見込めると指摘。ただ、海外戦略について説明が不十分と見られることから、力強さに欠けると予想している。
なお、ARPUの増加については、TIWでは、前四半期比で増加した15円のうち、コナミ「ドラゴンコレクション」などのオープンゲームの寄与が6-7円程度あると計算している。オープンゲームの収益が上がったという点は他社の参入を促すという点でポジティブな要素だが、内製ゲームのARPUの伸びとしては前年同期比程度と大きく伸びたわけではないという。とはいえ、伸び悩んだARPUが持ち直した点は安心材料で、ネガティブ視されるものではない、としている。
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632