メディアドゥ、23年2月期の営業益を20億円→22億円に増額 「LINEマンガ」移管の影響は緩やか nagisaと「GREET」終了で減損 第3四半期決算も発表
メディアドゥ<3678>は、本日(1月16日)、2023年2月期の連結業績予想の上方修正を行うとともに、第3四半期の業績を発表した。第3四半期は減収減益だったものの、通期予想は当初想定を上回る着地となりそうだ。
■2023年2月期の連結業績予想を増額
■「LINEマンガ」バックエンド業務の移管の影響は想定よりも緩やか
■Nagisaの減損損失計上と株式譲渡
■「GREET」のサービス終了と「FanTop」への経営資源集中
■第3四半期決算は2ケタ減益
■2023年2月期の連結業績予想を増額
同社は、2023年2月期の連結業績予想について、売上高1010億円(前回予想1000億円)、営業利益22億5000万円(同20億円)、経常利益21億円(同18億7000万円)、最終利益9億円(同8億5000万円)、EPS58.19円(同53.56円)とし、それぞれ引き上げた。
・売上高:1010億円(前回予想1000億円)
・営業利益:22億5000万円(同20億円)
・経常利益:21億円(同18億7000万円)
・最終利益:9億円(同8億5000万円)
・EPS:58.19円(同53.56円)
従来予想からの修正率は、売上高1.0%増、営業利益12.5%増、経常利益12.2%増、最終利益5.8%増となっている。
・売上高:1.0%増
・営業利益:12.5%増
・経常利益:12.2%増
・最終利益:5.8%増
■「LINEマンガ」バックエンド業務の移管の影響は想定よりも緩やか
同社では、電子書籍市場の拡大基調に加えて、主要取引先の商流変更の遅延に伴い売上の減少が当初見込みよりも緩やかになったことなどから、売上高・営業利益とも堅調に推移しており、売上・利益ともに予想を上回る見通し。
主要取引先のひとつである「LINEマンガ」を運営するLINE Digital Frontierが電子書籍の取次を含むバックエンド業務の一部を子会社イーブックイニシアティブに委託するとのアナウンスを行っており、メディアドゥの関連売上が23年2月期で50％、24年2月期で90％減少すると想定していた。
一方で、戦略投資事業における「GREET」のサービス終了に伴うソフトウエアの減損処理に加えて、同社の連結子会社である Nagisaに関するのれんの減損処理に伴う特別損失を第3四半期累計において計上するとのこと。
■Nagisaの減損損失計上と株式譲渡
Nagisa に対する貸付金の債権放棄に伴い、2023年2月期の個別財務諸表において関係会社株式売却損8800万円、関係会社債権放棄損4億2000万円を特別損失として単独決算に計上する見込みだが、連結では相殺される。
ただ、Nagisaとの関係は解消するわけではないそうだ。Nagisaは、マンガアプリ事業を継続する一方、ノーコードでファンクラブやサブスクリプションサービスを作ることができる「FAM」を新たな事業として立ち上げ。メディアドゥは「FAM」支援の観点から新株予約権を引き受けるという。
■「GREET」のサービス終了と「FanTop」への経営資源集中
また新たなデジタルコンテンツの可能性を模索し、2018年からブロックチェーン技術を活用した新たな事業として、2021年12月にミュージックビデオ、ライブ映像、ショートフィルム、ライフスタイル番組などあらゆるジャンルの公式映像をオンライン上映会で誰とでも一緒に鑑賞できるソーシャル映像視聴アプリ「GREET」をリリースした。
一方で、同社が2022年4月に公表した5カ年の中期経営計画の達成、ならびにデジタルコンテンツアセット(DCA)の実現のためには、同社が開発した NFT マーケットプレイス「FanTop」に経営リソースを集中することが適切であるものと判断し、「GREET」は2022年12月にサービスを終了したという。
■第3四半期決算は2ケタ減益
2023年2月期 第3四半期累計(22年3月～22年11月)の連結決算を発表し、売上高780億4000万円(前年同期比0.9%減)、営業利益18億3500万円(同18.4%減)、経常利益17億6000万円(同21.1%減)、最終利益4億4100万円(同59.7%減)だった。最終利益が大きく減ったが、Nagisaと「GREET」の減損損失を計上したことによる。
・売上高:780億4000万円(同0.9%減)
・営業利益:18億3500万円(同18.4%減)
・経常利益:17億6000万円(同21.1%減)
・最終利益:4億4100万円(同59.7%減)
2023年2月期の業績見通しに対する進捗率は、売上高77.3%、営業利益81.6%、経常利益83.8%、最終利益49.0%となっている。
・売上高:77.3%
・営業利益:81.6%
・経常利益:83.8%
・最終利益:49.0%
