【決算レポート】シリコンスタジオ、22年11月期はミドルウェア「Enlighten」のモバイルデバイス対応で大型案件が成約 今期予想は「コンサバな数字」(梶谷社長)

柴田正之 編集部記者
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シリコンスタジオ<3907>の2022年11月期の第4四半期(9~11月)の連結決算は、開発推進・支援事業、人材事業ともに昨年10月の上方修正予想を発表時の想定より業績が上ブレした。

ただし、全社費用を前期までの費用を切り詰めた運用から通常モードに戻したことで前年同期比では減益となっている

売上高12億7700万円(前年同期比8.6%増)
営業利益7500万円(同52.5%減)
経常利益6600万円(同58.2%減)
最終利益1億600万円(同39.8%減)

なお、業績を2022年11月期通期で見てみると、昨年夏にミドルウェア「Enlighten」がモバイルデバイスに対応したことで、第3四半期期間(6~8月)に大型契約が成約し、2021年12月期を底に業績が好転する形となっている。

開発推進・支援事業は、リアルタイムCG技術を軸に、高い技術力が求められるコンサルティングからアセット制作までを一貫して手掛けている。受託開発は、エンターテインメント業界向けではゲーム環境構築支援案件などが増加し、産業界向けでは機械学習向け教師画像生成ソリューションや点群データ活用支援なども好調で増収となった。

また、ミドルウェアは前述のとおり、大型契約の売上を一括計上により増収となり、オンラインソリューションもオンラインゲーム向けサーバー開発、運用ともに好調に推移した。

一方、人材事業は、クリエイティブ人材の獲得ニーズは底堅く推移しており、有料職業紹介サービスではミドル・ハイクラス人材向けサービスが順調に立ち上がり成約数増加に貢献した。

また、人材派遣サービスでは、上期は減少トレンドとなっていたが、下期に入り稼働者数が増加に転じるなど好転の兆しを見せた。

なお、2023年11月期通期の連結業績予想については、前期に大型案件成約が寄与したミドルウェア販売の反動減や、それぞれの事業で中長期成長を見据えた投資などを行うため、以下のとおり減収減益の予想となっている。

ただし、同社の梶谷眞一郎社長は、27日に開催したWeb決算説明会において、この予想を「コンサバ(保守的)な数字」と表現していた。無配予想としている配当についても、今期業績予想を上回る数字を上げられるようであれば、事業環境を見きわめた上で復配を検討したいとしている。

売上高44億9400円(前期比0.4%減)
営業利益2億2800万円(同40.3%減)
経常利益2億1400万円(同45.7%減)
最終利益1億4900万円(同41.2%減)

シリコンスタジオ株式会社
http://www.siliconstudio.co.jp

会社情報

会社名
シリコンスタジオ株式会社
設立
2000年1月
代表者
代表取締役社長 梶谷 眞一郎
決算期
11月
直近業績
売上高45億5400万円、営業利益2億3800万円、経常利益2億4600万円、最終利益2億円(2023年11月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3907
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