【決算レポート】トーセ、堅調な家庭⽤ゲームソフトの開発需要を背景に第1四半期は売上高20%増、営業益53%増に 『CCFF7リメイク』の開発も担当

柴田正之 編集部記者
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トーセ<4728>の2023年8月期の第1四半期(9~11月)の連結決算は、家庭⽤ゲームソフトの開発需要が引き続き堅調に推移していることに加え、取引価格の向上や開発業務と管理業務の双⽅で効率化などの利益体質の改善にも努めたことで大幅な増収増益を達成した。

売上高16億5400万円(前年同期比20.7%増)
営業利益1億8400万円(同53.2%増)
経常利益1億8000万円(同38.6%増)
最終利益1億1300万円(同43.8%増)

主力のデジタルエンタテインメント事業は、ゲームソフト関連で家庭⽤ゲーム機向けに複数のソフト開発案件が進⾏した。ハイエンドの開発技術を要する案件や、新規性のある案件を含め、当初計画の⽔準から⼤きな乖離なく進捗している。それにより、ゲームソフト関連の売上⾼は前年同期⽐37.7%増と大きく伸長した。

一方、モバイルコンテンツ関連は、運営業務は堅調に推移したものの、スマートフォンゲーム市場はタイトルの多さから新規ゲームの投⼊が難しい状況が継続しており、新規開発の商談は慎重に進められている状況にある。その結果、モバイルコンテンツ関連の売上⾼は前年同期⽐6.6%減となった。

その他事業については、家庭⽤カラオケ楽曲配信事業のロイヤリティ売上が “家庭でカラオケを楽しむ”ことがコロナ禍以前に⽐べて定着したこともあり、外出制限が解除されて以降も堅調に推移した。

SI事業を取り扱うBTDスタジオは、前期に⾃社の業務システムを構築したノウハウを活かし、取引の拡⼤に注力した。

デジタルエンタテインメント事業の直近の開発実績については、スクウェア・エニックスが昨年12月13日に発売した家庭⽤ゲームソフト『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン』の開発を行った。

また、企画・開発に参画していることが明らかになっていたNintendo Switch用ソフト『ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤』(発売はスクウェア・エニックス)も昨年12⽉9⽇に発売となっている。

2022年8月期通期の業績予想については、従来予想から変更なく、以下のとおり。第1四半期の進捗状況は売上高が26.4%、営業利益は31.8%、経常利益は30.0%、最終利益は32.3%となっており、特に利益面の順調な進捗が目立っている。

売上高62億5600万円(前期比10.5%増)
営業利益5億8000万円(同23.6%増)
経常利益6億円(同018.6%増)
最終利益3億5200万円(同13.6%増)

なお、第1四半期時点での売上⾼進捗状況をセグメント別で見ると、デジタルエンタテインメント事業のゲームソフト関連が26.8%、モバイルコンテンツ関連が26.0%、その他事業が25.1%となっており、各事業ともおおむね計画通りの順調な進捗とみることができそうだ。

株式会社トーセ
http://www.tose.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社トーセ
設立
1979年11月
代表者
代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
決算期
8月
直近業績
売上高46億1500万円、営業損益5億2200万円の赤字、経常損益5億100万円の赤字、最終損益2億6000万円の赤字(2024年8月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4728
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