KADOKAWA、第3四半期決算は営業益51.7%増の194億円と大幅増益 『ELDEN RING』大きく貢献 ゲーム事業は営業益2133%増と驚異的な伸び

KADOKAWA<9468>は、本日(2月2日)、2023年3月期 第3四半期累計(22年4月~22年12月)の連結決算を発表し、売上高1897億2700万円(前年同期比20.4%増)、営業利益194億2900万円(同51.7%増)、経常利益215億8800万円(同52.4%増)、最終利益121億5900万円(同27.1%増)と大幅増益を達成した。

 

・売上高:1897億2700万円(同20.4%増)
・営業利益:194億2900万円(同51.7%増)
・経常利益:215億8800万円(同52.4%増)
・最終利益:121億5900万円(同27.1%増)

 

出版や映像、Webサービスなどが減益となったものの、ゲーム事業が引き続き大きく伸び、全体の拡大を牽引した。『ELDEN RING』が貢献し、ゲームセグメントの営業利益は2133%増という驚異的な伸びとなった。

 

[出版事業]

売上高は1035億3400万円(前年同期比6.0%増)、セグメント利益(営業利益)は98億9100万円(同24.7%減)となった。

電子書籍・電子雑誌は、市場全体の成長が継続していることに加え、同社が得意とする異世界ジャンルのコミックやメディアミックス作品等を中心に他社ストア向け販売・自社ストア売上が好調に推移し、増収となった。

書籍・雑誌では、北米の戦略子会社であるYEN PRESS, LLCを中心とした海外事業における高成長が継続した。国内では、新刊点数の増加や継続的な返品率改善を実現したものの、市場全体の縮小影響が大きく、減収となった。新刊では、『陰の実力者になりたくて!(8)』、『ダンジョン飯(12)』(コミック)、『パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち』(児童書)等の販売が好調に推移した。権利許諾収入は増収となった。

費用面では、中長期的な成長を見据えた人材やコンテンツへの投資、インフレによる紙書籍の資材費や物流費等が増加した。

なお、さらなる返品削減、製造コスト削減、利益率の向上に向け、埼玉県所沢市において4月より書籍製造ラインの稼働を開始し、文庫やライトノベル、新書、コミックス等のデジタル印刷による小ロット・適時製造を行っている。現在、製造ライン拡張を推進していることに加え、物流設備についても将来の稼働に向け、準備を進めている。

 

[映像事業]

売上高は310億9200万円(同25.7%増)、セグメント利益(営業利益)は11億1100万円(同20.5%減)となった。

アニメでは新作本数の増加に加え、メディアミックス作品である『オーバーロードIV』や『陰の実力者になりたくて!』等の国内向け配信売上や海外向け売上が伸長し、引き続き力強く成長した。実写映像ではスタジオ事業における前期からの反動減の中、劇場新作の貢献により増収となったが、第2四半期に一部の作品において一過性の評価減が発生した。

 

[ゲーム事業]

売上高は234億1600万円(同206.4%増)、セグメント利益(営業利益)は90億7100万円(同2133.0%増)となった。

記録的大ヒットとなったゲーム作品である『ELDEN RING』が増収増益に大きく貢献した。なお同作は海外ゲームアワード「The Game Awards2022」において「Game of the Year」を受賞した。また、共同・受託開発事業やスパイク・チュンソフトの新作も増収に貢献している。

 

[Webサービス事業]

売上高は173億7500万円(同6.4%増)、セグメント利益(営業利益)は18億2000万円(同9.6%減)となった。

動画コミュニティサービスでは、動画配信サービス「ニコニコ」の月額有料会員(プレミアム会員)が12月末には134万人となり、前年12月末からは減少となったが、動画にアイテムを贈る「ギフト」や広告等の伸長により増収となった。各種イベントの企画・運営では、今後のクリエイター投稿とユーザー視聴のさらなる増加を企図した『ニコニコ超会議2022』をリアル会場でも開催した。コロナ禍ながら9.6万人が来場したことにより、チケット・物販売上が増収に貢献したが、大規模開催のための費用増加により、全体では減益となった。

 

[教育事業]

売上高は92億8200万円(同12.1%増)、セグメント利益(営業利益)は16億7200万円(同25.6%増)となった。

教育事業では、専門学校運営及びオンライン教育のための教育コンテンツ・システム提供等を行っている。クリエイティブ分野の人材育成スクールを運営するバンタンでは、前期の新コース設立及び展開地域拡大や、ゲームクリエイターを多く輩出する「バンタンゲームアカデミー」等の生徒数が引き続き増加したことにより、増収増益に貢献した。

また、インターネットによる通信制高校であるN高等学校・S高等学校でも通学コース向け新キャンパスの開設等により生徒数が順調に増加しており、同校等に教育コンテンツ・システムの提供を行うドワンゴの収益貢献により、引き続き好調に推移した。

[その他事業]

売上高は126億6100万円(同47.6%増)、セグメント損失(営業損失)は27億9500万円(前年同期 営業損失34億2400万円)となった。

IP体験施設の運営では、不安定な事業環境の中、ところざわサクラタウンにおける施設横断的なイベント展開が好評を博したことでレジ通過者数や来場者一人当たりの購買回数が増加し、増収となった。MD事業においても増収となった。

 

■2023年3月期の業績見通し

2023年3月期の業績は、売上高2486億円(前期比12.4%増)、営業利益210億円(同13.4%増)、経常利益220億円(同8.8%増)、最終利益110億円(同21.9%減)、EPS78.81円を見込む。

・売上高:2486億円(同12.4%増)
・営業利益:210億円(同13.4%増)
・経常利益:220億円(同8.8%増)
・最終利益:110億円(同21.9%減)
・EPS:78.81円

計画に対する進捗率は、売上高76.3%、営業利益92.5%、経常利益98.1%、最終利益110.5%となっている。

・売上高:76.3%
・営業利益:92.5%
・経常利益:98.1%
・最終利益:110.5%

※詳細は後ほど報じる。

株式会社KADOKAWA
http://www.kadokawa.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社KADOKAWA
設立
1954年4月
代表者
代表執行役社長CEO 夏野 剛/代表執行役CHRO兼CLMO 山下 直久
決算期
3月
直近業績
売上高2581億900万円、営業利益184億5400万円、経常利益202億3600万円、最終利益113億8400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9468
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