東京通信、22年12月期決算は売上高7%増、5400万円の営業赤字を計上 電話占い「カリス」の好調で増収確保 外部IPタイトルやP2E領域の展開も

  • 東京通信<7359>は、2月13日、2022年12月期の連結決算を発表、インターネットメディア事業で外部IPを活用した取り組みや家庭用ゲーム機などのマルチプラットフォーム展開を実施したことに加え、プラットフォーム事業において電話占い「カリス」が好調に推移したことで、売上高と営業損益、経常損益は、昨年12月発表の修正予想をやや上回っての着地となった。

    なお、最終赤字が膨らんでいるのは、今後推進する子会社のオフィス拠点の統合の過程で生じる可能性がある将来の損失に備えて、偶発損失引当金繰入額を計上したことも影響している

    売上高50億7100万円(前々期比7.2%増)
    営業損益5400万円の赤字(同4億6500万円の黒字)
    経常損益4500万円の赤字(同4億2400万円の黒字)
    最終損益2億6500万円の赤字(同2億200万円の黒字)

    主なセグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①インターネットメディア事業 売上高30億1100万円(前々期比8.2%減)、セグメント利益は3億3400万円(同50.7%減)
    、昨年度において世界的なヒットを記録したハイパーカジュアルゲームアプリ『Save them all』に並ぶヒット作を創出できていないこともあり、売上高が減少した。また、海外領域の拡大として東アジアへのアプリ提供、Play to Earn(P2E)領域のインセンティブゲーム、自社コンテンツのマルチプラットフォーム展開、外部IPを活用したゲームの開発により費用が増加した。

    ハイパーカジュアルゲームアプリにおいては、10月より本格運用を開始した「draw flights」がApp Store(国内・無料ゲーム)にて第1位を獲得した。新たな取り組みでは、外部IPを活用したゲームコンテンツを2タイトルリリースしたほか、P2E領域では、インセンティブゲーム「ポイ活ソリティア」が既存ユーザーの継続と新規ユーザーの拡大により、順調に収益を伸ばした。また、自社コンテンツのマルチプラットフォーム展開戦略として、家庭用ゲーム機向けにダウンロードコンテンツの提供を開始し、販売が好調に推移している。

    さらに、ネクスグループ<6634>とアライアンス契約を締結し、「ネクスコイン」を基軸通貨とするブロックチェーンゲームに特化したゲーム配信プラットフォームである「NCXC CameFiプラットフォーム」へ、同社がブロックチェーンゲームの供給を行う予定だ。

    ②プラットフォーム事業 売上高17億7800万円(同38.9%増)、セグメント利益1億5600万円(前期比16.9%増)
    主力事業である電話占い「カリス」が引き続き堅調に推移した。新規会員獲得のためのCPA(顧客獲得単価)の改善と、SEO対策による自然流入会員の獲得を行うことで収益性の向上に繋げている。また、鑑定師の雑誌企画やTVへの積極的な出演、新たな広告媒体への広告出稿など、「カリス」の認知度向上のためのプロモーションに取り組んでいる。

    4月にサービスを開始したヘルステックアプリ「OWN.App」は、既存ユーザーの高い継続率と新規ユーザーの流入により、順調にアクティブユーザーが増加した。11月にはヘルスケア領域における包括的なサービス提供に向け、ECサイト「OWN.Shop」を開設しており、「OWN.App」の課金ユーザーを中心に自社開発のプロテインやマルチビタミンサプリの販売が好調に推移している。

    11月には、Fortniteを活用したメタバース×ゲーム上でのメタバース広告を活用した「OWN.」ブランドのプロモーションを行い、今後も継続的なプロモーションによるユーザーの拡大を図る方針だ。

    また、8月に公表した推し活×メッセージアプリ「B4ND」はアーティストなどの参画に向け、芸能プロダクションへの営業活動とそれによるニーズのヒアリングに伴い、アプリケーションの追加開発を行い、リリース時期を再調整した。

    ③インターネット広告事業 売上高2億6300万円(同63.5%増)、セグメント損益1400万円の赤字(前々期5100万円の黒字)
    新規広告商品開発の取り組みとして進めていたSEOメディアによる売上高が増加したものの、開発費やメディアの広告費の増加、またVODサービスへの広告運用において、主要クライアントからの受注状況の変動の影響もあり、営業利益は減少した。

    ■2023年12月期は営業黒字転換を見込む
    なお、2023年12月期通期の連結業績予想については、以下のとおりで増収、営業利益と経常利益の黒字転換を見込んでいる。

    売上高60億円(前期比18.3%増)
    営業利益3000万円(前期5400万円の赤字)
    経常利益1000万円(同4500万円の赤字)
    最終損益1億1000万円の赤字(同2億6500万円の赤字)

株式会社東京通信グループ
https://tokyo-tsushin.com/

会社情報

会社名
株式会社東京通信グループ
設立
2015年5月
代表者
代表取締役社長CEO 古屋 佑樹
決算期
12月
直近業績
売上高62億1900万円、営業損益1億3300万円の赤字、経常利益3億5700万円、最終損益2億400万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
7359
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