ブロックチェーン領域の技術開発を行うUnyteは、East Venturesより資金調達を実施したと発表した。調達金額などは開示していない。今後は現在クローズドな形式で提供しているβ版サービスによるDAO(自律分散型組織)およびコミュニティとの実証を拡大し、コミュニティへの貢献による分散型エコシステムの拡大に取り組む。
■DAOとは
DAO(Decentralized Autonomous Organization:自律分散型組織)とは、ブロックチェーン上に組織運営についてのルールを記録し、組織を維持するための努力に対してトークンと呼ばれる通貨をシステムから支払う組織形態。
DAOではさまざまなタイプのトークンを利用し、参加者のインセンティブを調整することができる。コミュニティに貢献した分メンバー自身が報われる仕組みを実現できるため、に代わる新しいエコシステムとして急速に成長している。地理的・人種的な制約なしに、さまざまな人や組織がそれぞれの立場から自由に貢献できるフラットな構造になっていることも特徴。
会社で働くという従来の構図から、DAO(≒コミュニティ)に「貢献する」というパラダイムシフトをもたらすことで人々のモチベーションを覆し、誰もが好きな仕事に集中できる世界を実現することが私たちの目標。
この世界の実現のため、DAOメンバーの貢献度を可視化するツール「Unyte」を発表し、2022年12月よりクローズドβバージョンの提供を開始した。
■DAO支援ツール「Unyte」の特徴
DAOには、マーケティング・コミュニティ運営・新機能の開発・トレジャリー付与など様々な役割があり、これらを参加者が分担することで成立している。一方普及に向けた課題として、メンバーの貢献を把握する術がなく活動がブラックボックス化してしまう点や、報酬の分配制度が未整備でメンバーの活動が持続しづらいといった点が挙げられる。
「Unyte(ユナイト)」は、これらの課題を解決するためにDAOメンバーの活動を可視化するプロダクト。
Unyteでは、コミュニティへの貢献を(1)チームへの提案(2)タスクへのアウトプット(3)メンバー間のお礼メッセージの3点に分けて記録しておくことができる。DAOにおいて一般的に用いられているコミュニケーションツールであるDiscordへ同社のBotを導入することで、コマンドを使い簡単に活動内容を入力できる。また、それぞれのメンバーの貢献に応じて、トークンやNFTなどの報酬を送付することもできる。
■今後の展開
Unyteは現在、日本で最も勢いのあるNFTコミュニティであるVeryLongAnimalsや、医療×Web3領域での事業展開を行うMedicalDAO・PharmacistDAOといったDAOにβ版プロダクトを提供しながら、得られたフィードバックを元に改善を進めている。
また、DAO支援から得られた知見を活用し、DAOにおける報酬ルールの設計やスマートコントラクトでの実装、および企業の社内コミュニティのDAO化支援など、コミュニティの分散化支援事業も行っている。
今後はUnyteのオープンβバージョンの開発を行いながら、持続可能な報酬制度およびガバナンスの仕組みを備えたDAOをワンストップで実現できるツールとしての改善を続ける予定。
