バンダイナムコ研究所は、本日(6月23日)、画像・映像認識AIアルゴリズムの力でリアル産業のDXを目指す東大松尾研発のAIスタートアップであるACESとAI技術(機械学習と深層ニューラルネットワーク分類技術など)の研究開発に使用可能な3Dモーションデータセットを制作したことを発表した
同セットは、6月21日よりACESのWEBサイトにて販売している。
■モーションデータセットの概要
モーションデータセットは、ダンスの動作を表す6種類のコンテンツと、「かわいい」「荒々しい」などのキャラクター性を反映した7種類のスタイルを組み合わせた計42種類のモーションから構成される。キャラクターにジェスチャーやダンスなどをさせて、挨拶や感情表現を表す機能であるエモートに利用することが可能で、総計147万5826フレームのデータが含まれている。
なお、主要なモーションデータセットと比べ以下の特徴を備えている。
・モーションごとの収録データ量が大きく、モーションAIの学習に適している
・ダンスモーションとキャラクターの特長を反映したスタイルを収録しており、より実用的で希少性が高い
・整備された収録環境で、プロのアクターの動きを収録して、モーション専門の技術者が処理した高品質なデータ
両社は、2022年1月にAIを用いたキャラクターのモーション生成に関する研究開発を目的にプロジェクトを発足している。AI生成には複数のモーションパターンが必要なため、バンダイナムコグループのゲームや映像制作で使用しているモーションキャプチャのノウハウを活用し、キャラクター性や感情表現などさまざまな演技を加えたモーションスタイルを収録している。
バンダイナムコ研究所では、このデータを元にエンターテインメントでの活用を研究する一方、AI研究の発展と推進を目的に、2022年4月にこのデータの一部を無料で公開した。
今回は、研究のためにより高品質のデータを求める声や商業利用についての問い合わせが多く、その要望に応えるため、特にエンターテインメント分野において実用的で希少性の高いモーションを中心に、データセットを制作した。
■バンダイナムコ研究所とACESの研究開発プロジェクト
昨今のバーチャルキャラクター市場の拡大に伴い、キャラクターの属性や場面に応じた自然で多様なキャラクターモーションの作成需要が高まっている。また、バーチャル世界で「なりたい自分」を実現するためにも、演者の属性にとらわれないモーションの作成技術は重要だ。
バンダイナムコ研究所とACESは、メタバース及びxR技術での活用を目指し、AI技術である「モーションスタイル変換」を用いて、より多様なキャラクターモーションの生成を手軽に行うための研究開発を実施している。
▼モーションデータセットの詳細
会社情報
- 会社名
- バンダイナムコ研究所
- 上場区分
- kimura