アプリ調査会社のSensor Tower(センサータワー)は、2023年上半期の日本のモバイルゲームの市場規模について、前年同期比11%減の68億ドル(9396億円)になったとする調査レポートをまとめた。モバイルゲームダウンロード数についても同様に、全体で約3億ダウンロードを記録し、前年同期比6%減にとどまった。
また、売上ランキング上位は、MIXI<2121>『モンスターストライク』がトップとなった。同作は2022年上半期では2位だったが、今期では収益3億5000万ドル(483億円)以上を記録して1位の座を獲得した。
2位は2023年3月に世界累計収益20億ドル(2763億円)を達成した『ウマ娘 プリティーダービー』(サイバーエージェント<4751>子会社のCygames)となった。以下、3位の『Fate/Grand Order』、4位の『プロ野球スピリッツA』(コナミグループ<9766>傘下のコナミデジタルエンタテインメント)、5位は『パズル&ドラゴンズ』(ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>)と続いた。
2023年収益Top10をみると、5年以上運営するタイトルが6つもランクインし、ランキングの固定化も進展したことが伺える。また、収益ランキングTop10のうち、7つのモバイルゲームが日本のパブリッシャーによるものだった。
2023年上半期日本のモバイルゲームダウンロード数では、2022年末にリリースした『ブルーロック Project: World Champion』(Rudel)が1位となった。人気サッカーコミック『ブルーロック』のIPタイトルで、パブリッシャーRudelのモバイルゲーム収益の75%を占めるタイトルに成長した。
5位には、2023年6月13日にリリースしたばかりの『ドラゴンクエスト チャンピオンズ』(スクウェア・エニックス<9684>)がランクインしている。ドラゴンクエストIPの新作モバイルゲームで、集計対象期間が約2週間であることを考えるとその勢いがわかる。
また、2023年上半期日本のモバイルゲームダウンロード数Top10の半分が新規ゲームとなっており、競争の激しさを物語っている。こうした中、侍ジャパンの活躍で盛り上がったWBC効果で、『プロ野球スピリッツA』が11位にランクインしているのも日本市場ならではといえる。
また、収益成長量をみると、上位3つのモバイルゲームのうち、2つが海外パブリッシャーのタイトルとなった。収益・ダウンロード数成長量でトップとなったのは、2023年4月にリリースした『崩壊:スターレイル』(miHoYo)だった。
ゴールデンウィーク前に世界でリリースされるやいなや、日本を始め、中国、アメリカ、韓国などで支持を受け、集計対象期間が2ヵ月余りにもかかわらず1位となった。実際、リリース10日間の世界収益でも原神のリリース10日間を2000万ドル(27億円)を超える勢いだった。
収益成長量2位は『勝利の女神:NIKKE』(Tencent)で、海外パブリッシャーが1位と2位を独占する形になった。同作において日本は収益の60%を占める最大の市場で、2023年5月までに世界収益4億ドルを突破している。
レポートを執筆したHideyuki Tsuji氏は、日本のモバイルゲーム市場で海外パブリッシャーは着実にその存在感を示していると指摘した。日本における2022年上半期と2023年上半期のパブリッシャー別収益を比較してみると、上位に大きな変化は見られないが、miHoYoが9位から7位へ2ランクアップ、8位にYostar、9位にTencentがランクインした。Top10内の日本パブリッシャーと海外パブリッシャーの比率は7:3となった。
詳細は下記レポートを確認してほしい。
2023年上半期日本のモバイルゲーム収益トップはモンスト、成長量では収益・ダウンロード数ともにスターレイルがトップに
https://sensortower.com/ja/blog/2023h1-mobile-games-recap-japan