スクエニHD、第1四半期決算は営業益79%減の30億円と大幅減益 『FF XVI』貢献も開発費の償却負担が先行発生 AM事業とライツ好調【追記】

スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>は、8月4日、2024年3月期 第1四半期(23年4月~23年6月)の連結決算を発表し、売上高866億6900万円(前年同期比14.4%増)、営業利益30億9700万円(同78.5%減)、経常利益91億7800万円(同65.0%減)、最終利益63億円(同65.7%減)だった。

・売上高:866億6900万円(同14.4%増)
・営業利益:30億9700万円(同78.5%減)
・経常利益:91億7800万円(同65.0%減)
・最終利益:63億円(同65.7%減)

主力のゲーム事業で「FINAL FANTASY XVI(FF16)」など新作が貢献したものの、開発費の償却負担が先行したため、減益になった。アミューズメントとライツ関係は好調だったとのこと。また、経常利益と最終利益の減少率が低いが、これは為替相場が前年同期と比べて円安となり為替差益が58億3500万円発生したため。

 

■デジタルエンタテインメント事業
売上高は623億7500万円(同16.4%増)となり、営業利益は27億4500万円(同80.6%減)となった。「FF16」などの貢献で増収となったものの、開発費の償却負担が先行して発生したことが響いて減益になった、としている。

【追記】開発費の償却負担の先行について、同社に取材したところ、ざっくりといえば、6月22日の発売後、売上は9日分のみが計上された一方、資産からの振替処理で開発費を全額費用計上したとのことだった。同社としてルール通りの処理で、特にイレギュラーな処理を行ったわけではないという。

HD(High-Definition)ゲームにおいて、「FINAL FANTASY XVI」、「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」等を発売したことにより、増収となった。

MMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)は、減収となった。

また、スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいては、6月に「ドラゴンクエストチャンピオンズ」のサービスを開始したものの、既存タイトルの弱含み等により、減収となった。

 

■アミューズメント事業
売上高は133億3000万円(同11.3%増)となり、営業利益は14億8100万円(同29.7%増)となった。既存店売上高が前年を上回ったことにより、増収増益となった。

 

■出版事業
売上高は59億6900万円(同4.7%減)となり、営業利益は21億2900万円(同14.8%減)となった。第1四半期累計は、デジタル販売及び紙媒体の販売が前年を下回ったことにより、減収減益となった。

 

■ライツ・プロパティ等事業
売上高は47億4700万円(同28.7%増)となり、営業利益は12億9000万円(同51.9%増)となった。第1四半期累計は、有力IPにかかる新規キャラクターグッズの販売が好調だったこと等によって、増収増益となった。

 

■2024年3月期の業績見通し

2024年3月期の業績は、売上高3600億円(前期比4.9%増)、営業利益550億円(同24.1%増)、経常利益550億円(同0.5%増)、最終利益385億円(同21.9%減)、EPS321.68円を見込む。

・売上高:3600億円(同4.9%増)
・営業利益:550億円(同24.1%増)
・経常利益:550億円(同0.5%増)
・最終利益:385億円(同21.9%減)
・EPS:321.68円

計画に対する進捗率は、売上高24.1%、営業利益5.6%、経常利益16.7%、最終利益16.4%となっている。

・売上高:24.1%
・営業利益:5.6%
・経常利益:16.7%
・最終利益:16.4%

株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高3432億6700万円、営業利益443億3100万円、経常利益547億0900万円、最終利益492億6400万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
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