オルトプラス<3672>は、この日(1月4日)、台湾のXPEC Entertainmentと同社の前董事長である許金龍氏に対する損害賠償請求訴訟について、台北地方法院より原告の請求を棄却する旨の第一審の判決を言い渡されたことを明らかにした。訴訟費用は、原告の負担となる。今後の対応については、判決内容を十分に精査して決定するとのこと。
オルトプラスは、同社の資本業務提携先であった 2016年4月、XPECと資本業務提携を開始すると共に、Eminent Globalが保有するXPEC株式の取得、及びXPECに対する第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の割当てを行った。
両社は、資本業務提携に関する具体的な協議を進めたが、2016年9月、百尺竿頭數位娛樂によるXPEC株式の公開買付が中止となって以降、XPEC株式の下落が続くとともに、2016年11月17日にXPEC株式の台湾グレタイ証券市場での取引が停止され、2017年10月19日付でXPEC株式は上場廃止となった。
これに伴い、オルトプラスは、XPEC株式に関する投資有価証券評価損として、2016年9月期に4億5000万円、2017年9月期に9000万円を計上した。
また、2016年9月に XPEC 社の当時の董事長である許氏が台湾検察当局に逮捕・勾留され、2017年2月に台湾の証券取引法違反等の疑いで許氏を含む関係者が起訴され、XPEC 社経営陣の辞任や交代が相次いだ。
そのような状況下、オルトプラスは、XPECとの協議を継続しつつ、台湾と日本の法律専門家と本件に関する対応方針と被った損失を回復させるための法的手段について検討を重ねていたという。そして2018年2月2日に、許氏を含む関係者が有罪判決を受けたことを踏まえて、今回の損害賠償請求を行うことが相当であると判断した。
XPECは、オルトプラスの新株予約権付社債の全てを株式へ転換するとともに、転換により取得した同社株式の一部について売却を行った結果、51万0698株(2023年9月30日現在の発行済株式総数の2.6%)を保有している。
そこで、本訴訟の提起に先立ち、同社の請求債権を保全するため、2018年6月26日付で、XPEC 社が保有する、同社株式を含む振替社債等について、仮差押命令の申立てを東京地方裁判所に対して行い、同月29日付で仮差押決定がなされていた。
会社情報
- 会社名
- 株式会社オルトプラス
- 設立
- 2010年5月
- 代表者
- 代表取締役CEO 石井 武
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高43億8700万円、営業損益5億5600万円の赤字、経常損益5億2200万円の赤字、最終損益4億2000万円の赤字(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3672