アニメベンチャースタジオのKasagi Labo、プレシリーズAラウンドとして合計1200万米ドル(18億4700万円)の資金調達

アニメベンチャースタジオのKasagi Labo(シンガポール)は、プレシリーズAラウンドとして合計1200万米ドル(18億4700万円)の資金調達を行ったことを明らかにした。今回の出資したのは、デジタルテクノロジーならびにメディア系の企業に対し長期的投資を行うドイツのBurda Principal Investments(Hubert Burda Media傘下)が中心となっているとのこと。

Hubert Burda Mediaはヨーロッパ有数の規模を誇るメディア、テクノロジー系のコングロマリット。デジタル領域に主軸を置く事業に対する投資の実績がある同社からの資金を礎に、同社はデジタルメディア、エンターテインメントのグローバル市場における成長をさらに加速する。

今回の投資にはCMT Digital、SuperScrypt、Hashed、Sfermion、Gold House Foundationなども参画している。同社は今回の増資によってアニメ業界における資金的な影響力を高め、資本金は2000万米ドル(30億7900万円)となる。

同社はアニメに情熱を持つKendrick Wong氏によって設立したアニメに関する事業を幅広く展開するベンチャースタジオ。IPライセンシング、流通、マーチャンダイジングといった多方面の事業を通して日本のアニメを世界中のファンに届けたい、としている。

今回の増資を受け、同社はグローバルなアニメプラットフォームの開発というビジョンを設定した。このプラットフォームはアニメ製作/制作のエコシステム全体を結集する場、つまり版権元からアーティスト、声優なども巻き込み、世界中のアニメファンがグローバルなアニメIPの開発に関わることのできる場になる。

また、今回調達した資金はアニメIPの開発、既存アニメIPとのパートナーシップあるいはライセンス取得を通したアニメ製作にも使用される。VOD サービスの台頭によって海外売上、需要が国内市場のそれを初めて上回り海外市場のポテンシャルが明らかになったが、この資金の用途は当該トレンドにも合致するものだ。

急速な成長をとげる海外アニメ市場において、同社は現状の勢いを生かした事業を展開する。業界レポートによると、同市場の年平均成長率は9.4%、2022年から2032年にかけ市場規模は258億米ドルから627億米ドルに成長すると予測されているという。

▼Kasagi Labo CEO、Kendrick Wong氏コメント
今後の業績に関して希望的であり、自信があります。戦略的パートナー、業界に精通した顧問、経験豊富 なマネージメントチームをお迎えし、イノベーションを起こし世界のアニメ市場の新基準となることがで きる位置にいると考えております。Burda Principal Investments の持つ強固なグローバルネットワーク を触媒とし、新規市場の開拓、弊社のライセンシングパートナーや流通チャンネルの獲得を目指します。

▼Burda Principal Investments Principal、Edwin Mak氏コメント
弊社は業界を再定義するような革新的なベンチャーのサポートにコミットしており、今回のパートナーシップはそれを体現したものです。アニメ業界は急成長を遂げており、変革の気運が高まっています。その 中で Kendrick Wong 率いるチームは業界を変容させ得るビジネスモデルを効果的に実行しています。そん な彼らのプレシリーズ A における資金提供をリードできること、アジアやその他の市場での成長サポート できることを嬉しく思います。