【ゲーム株概況(6/4)】自動車やハイテクなど主力株に手詰まり感 ゲームやアニメ関連は出遅れとして物色 クールジャパン戦略報道が支援材料に

6月4日の東京株式市場は反落。日経平均株価は前日比85円57銭安の3万8837円46銭でこの日の取引を終えた。前日までの上昇の反動もあって利食い売りに押された。ハイテク株が伸び悩んだほか、「型式指定」を巡る認証不正問題を受けて自動車もさえない。

こうしたなか、ゲーム関連株を見ると、幅広い銘柄が物色された。主力株に手詰まり感が出ている中、直近の決算発表でゲーム関連企業が相対的に出遅れ感が出ていた銘柄が多いこともあって物色されやすかったのかもしれない。厳しい業績となる銘柄が目立ったものの、新作の発表が相次いだことも支援材料になったようだ。

任天堂<7974>やソニーグループ<6758>、コナミグループ<9766>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>、カプコン<9697>、セガサミーホールディングス<6460>など大手ゲームが堅調だった。

アニメ関連企業も物色された。この日の朝、政府の「知的財産戦略本部」が新たな「クールジャパン戦略」をまとめ、アニメや和食などの関連産業の成長に向け、2033年までに今の倍を上回る50兆円以上の経済効果を生み出すことを目指し、コンテンツの海外展開やインバウンドの拡大などを図っていく方針とNHKが伝えたことが背景にあるという。

子会社のウィットスタジオがキューダップの株式を取得したことを5月31日に発表したIGポート<3791>が大幅高となったほか、東映アニメ<4816>、東宝<9602>、KADOKAWA<9468>、タカラトミー<7867>、カバー<5253>、ANYCOLOR<5232>、日本テレビHD<9404>、壽屋<7809>、GENDA<9166>などが幅広い銘柄が買われた。

アニメ関連企業は、パッケージソフトの収益に依存する不安定なビジネスを展開してきたが、ここ数年は世界的な動画配信サービスの成長を背景に海外向け配信収入を伸ばし、収益を大きく伸ばしている。それに伴い、世界的なアニメファン人口の拡大、グッズなど関連商材の販売拡大、聖地巡礼などのインバウンドの伸びにつなげている。

政府の政策がこうした流れにどれだけ寄与してくるのか、クールジャパン戦略のこれまでの「実績」を考えると疑問の余地は少なくないが、相場格言「国策に売りなし」ということもあって物色されたようだ。

このほか、インフォコム<4348>が一時ストップ高。米投資会社ブラックストーンによる買収報道を受け、終日売買停止措置となっていたものの、この日は売買停止措置が解除された。買収総額は2600億円とされ、想定されるTOB(株式公開買付)による株価上昇を期待した買いが先行したとのこと。