カプコン、第1四半期決算は営業益46%減の128億円と大幅減益 『スト6』発売した前年同期の反動 アミューズメントその他は増収増益

 カプコン<9697>は、7月29日、2025年3月期 第1四半期の連結決算を発表し、売上高295億9700万円(前年同期比32.5%減)、営業利益128億8900万円(同46.4%減)、経常利益134億8700万円(同47.9%減)、最終利益99億7500万円(同45.1%減)だった。

・売上高:295億9700万円(同32.5%減)
・営業利益:128億8900万円(同46.4%減)
・経常利益:134億8700万円(同47.9%減)
・最終利益:99億7500万円(同45.1%減)

 

【7月29日18時追記】
四半期別の業績推移のグラフを追加した。矢印は今回発表の決算と前年同期のものとなる。前年同期の利益が非常に大きいため大幅な減収・減益となったが、他の四半期と比較して決して悪い内容でないようにみえる。

 

中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、新作タイトルの発売時期は下期に重点を置くことから、第1四半期は過去作品の現行機向け移植版の発売のほか、前期発売の大型タイトルを中心としたリピート販売による商戦を展開した。

その結果、販売本数は953万本と『ストリートファイター6』を発売した前年同期の1350万本に比べ減少したものの、デジタル販売施策の推進によりリピートタイトルの販売が着実に進展したことにより、全世界の214ヵ国・地域に240タイトルを販売し、同社コンテンツの価値向上に寄与した。

また、同社グループの主力コンテンツと映像作品やライセンス商品、eスポーツとの連携によるIPの持つブランド力の向上に努めた。加えて、アミューズメント施設事業における効率的な店舗運営や新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業におけるスマートパチスロの継続投入や同社グループの人気IP活用等の施策により、収益の向上を図った。

 

① デジタルコンテンツ事業
売上高は214億1600万円(同43.5%減)、営業利益は128億2100万円(同48.0%減)となった。

6月に過去作品『モンスターハンター ストーリーズ』と『モンスターハンターストーリーズ2~破滅の翼~』を現行機向けに移植して発売し、幅広いユーザー層から好評を博したことにより、『モンスターハンターストーリーズ2~破滅の翼~』は累計200万本を販売した。加えて、リピートタイトル『モンスターハンターワールド:アイスボーン』および『モンスターハンターライズ』も続伸し、「モンスターハンター」シリーズの全世界での累計販売本数が1億本を突破するなど、シリーズタイトルのブランド価値向上に寄与した。

また、リピートタイトルにおいては、前期発売の主力シリーズの大型新作タイトル『ストリートファイター6』について、引き続きeスポーツ展開との連携強化によるブランド認知とユーザー数の拡大を推し進めるとともに、3月発売の『ドラゴンズドグマ2』も計画どおり推移した。そのほか、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図り、『バイオハザード RE:4』などシリーズタイトルを中心に販売した。その結果、リピートタイトルの販売本数は前年同期980万本に比べ926万本となったが、価格施策の要因もあり、堅調な滑り出しとなった。

以上により、第1四半期の販売本数は、『ストリートファイター6』を発売した前年同期と比較し減少したが、年間計画達成に向け、おおむね計画どおりの進捗となった。

モバイルコンテンツにおいては、前期に配信を開始した『モンスターハンターNow』が累計1500万ダウンロードを突破するなど、引き続き多くのユーザーの人気を集めた。また、第1四半期は6月に『モンスターハンターパズル アイルーアイランド』(iOS、Android用)をグローバルで配信開始した。

 

② アミューズメント施設事業
売上高は48億6400万円(同18.1%増)、営業利益は5億1600万円(同37.4%増)となった。

コロナ禍からの観光需要やインバウンドの回復に加え、ユーザーの消費行動に変化が生じつつある状況下、引き続き既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図った。また、リアル店舗におけるイベント実施等による魅力の最大化と他事業とのシナジー効果の創出を推進した。

第1四半期において、4月に「プラサカプコン 小矢部店」(富山県)をオープンしたことに加え、5月には「プラサカプコン 池袋店」に新区画をオープンしたので、施設数は51店舗となっている。

 

③ アミューズメント機器事業
売上高は22億2000万円(同147.2%増)、営業利益は10億8300万円(同59.7%増)となった。

スマートパチスロのけん引によりパチスロ市場は堅調に推移している環境下、6月稼働の新機種『ストリートファイターV 挑戦者の道』を5千台販売し、収益に貢献した。また、3月発売の『ストライク・ザ・ブラッド』も続伸した。

 

④ その他事業
売上高は10億9700万円(同13.3%増)、営業利益は6億6400万円(同34.3%増)となった。

社内組織の統合によりeスポーツとライセンスビジネスの連携を加速し、同社タイトルのブランド価値向上に向け体制強化を図った。

このような体制のもと、eスポーツにおいては、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策に加え、国内における普及にも貢献するため、シーズンは両国国技館での決勝大会開催を決定するなど、各大会のさらなる振興を図った。さらに、優勝賞金を100万ドルとして開催予定の決勝大会「CAPCOM CUP11」への出場権をかけた「CAPCOM Pro Tour2024」を6月から世界各地域で開催するなど、熱戦が繰り広げられた。加えて、サウジアラビアで開催される「Esports World Cup」の競技タイトルに『ストリートファイター6』が採用されるなど、今後のさらなる展開に弾みをつけた。

そのほか、「モンスターハンター」シリーズ20周年にあわせた各種イベントやコラボレーション展開の推進等、主力IPを活用した映像化や人気タイトル等のキャラクターグッズ展開などに注力した。

 

■2025年3月期の業績見通し

2025年3月期の業績は、売上高1650億円(前期比8.3%増)、営業利益640億円(同12.1%増)、経常利益630億円(同6.0%増)、最終利益460億円(同6.1%増)を見込む。

・売上高:1650億円(同8.3%増)
・営業利益:640億円(同12.1%増)
・経常利益:630億円(同6.0%増)
・最終利益:460億円(同6.1%増)

計画に対する進捗率は、売上高17.9%、営業利益20.1%、経常利益21.4%、最終利益21.7%となっている。

・売上高:17.9%
・営業利益:20.1%
・経常利益:21.4%
・最終利益:21.7%

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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