【サービス終了、その瞬間】スクエニ『ドラゴンクエスト チャンピオンズ』…終了間際に出会ったギルドマスターと交わす最初で最後の言葉

スマートフォンアプリ市場は、日々新しいゲームがリリースされている。その一方で、様々な事情により惜しまれつつサービスが終了してしまうゲームも少なくはない。

gamebizでもサービス終了に関する記事(関連情報)を取り上げている。

それら記事を読み、「あと数ヵ月後に終わるのか…」と思うが、サービス終了発表~サービス終了当日までの期間、そのゲームについて追ってはいなかった。

そこでgamebizでは、それらゲームのサービスが終了するその瞬間に立ち会って、ゲーム内でどのような事が起こったのかを伝える「サービス終了、その瞬間」を展開している。

今回は、2024年7月30日15時をもってサービスが終了となった、スクウェア・エニックスの『ドラゴンクエスト チャンピオンズ』(以下、DQチャンプ)をピックアップする。

スクエニ『DQチャンプ』(Since 2023 to 2024)

まずは『DQチャンプ』の概要について。

本作は、大勢の冒険者とモンスターが入り乱れる「勇者武闘大会」を制し、真の勇者を目指す「乱戦コマンドバトル RPG」。開発はコーエーテクモゲームスが担当した。

2023年6月13日よりサービスを開始しており、サービス開始から約1年1ヵ月でのサービス終了となった。

タイトル発表からサービス終了までの歴史を振り返る

続いて、『DQチャンプ』発表からの歴史を振り返っていこう。

本作は2023年1月18日に実施された、『ドラゴンクエスト』シリーズ新作スマートフォンタイトル発表会の公式生放送にて発表された。

開発はコーエーテクモゲームス、ジャンルは乱戦コマンドバトルRPG、『ドラゴンクエストX オフライン』プロデューサー等を務める白石琢磨氏がプロデューサーを担当することが明かされた。生放送では、コーエーテクモゲームスのチーフディレクターで『真・三國無双』シリーズなども担当した庄知彦氏と、NMB48の元メンバーの石塚朱莉さんも登場し、開発中の画面を公開したほか、登場キャラクターの紹介、実機プレイなどを実施。

また、同年2月6日~2月13日にかけて開催するβテスト体験会の募集も開始した。(関連記事1)(関連記事2

2023年4月27日には『DQチャンプ』βテスト体験会レポート番組を実施。番組終了後から公式サイトではβテスト体験会のアンケート結果と改善点をまとめたレポートを公開した。

それから1ヵ月後の2023年5月27日より、App StoreとGoogle Playで事前登録の受付を開始。さらに、スクウェア・エニックス公式 YouTube チャンネルで「【事前登録受付中!】『ドラゴンクエスト チャンピオンズ』プロモーション映像」を公開した。(関連記事

その後、2023年6月9日に『DQチャンプ』のサービス開始日が6月13日であることが発表。しかし、サービス開始当日、同社はメンテナンスを解除したこと発表したがアクセスしづらい状況を確認し、本現象について最優先で調査を行っているとアナウンスを出した。(関連記事

アクセスしづらい状況はあったものの、何とかリリースにこぎ着けた『DQチャンプ』は、6月14日のApp Storeランキングで17位、翌15日には2位にランクイン。(関連記事) Google Playでは、6月14日に無料ランキングで首位に立ち、6月19日のセールスランキングでは24位にランクインした。(関連記事

2023年6月19日から『ドラゴンクエスト XI 過ぎ去りし時を求めて(ドラゴンクエスト XI)』コラボを前、中、後編にわけて開催。

1ヵ月後の2023年7月18日からはストーリーに新しく第6章を追加するとともに、ひっさつ「アックスドライバー」が使用可能になる「ギガントアックス」などの鉄壁の騎神装備がピックアップされる「鉄壁の騎神装備ふくびき」を開催し、同年7月19日のApp Storeセールスランキング(ゲームカテゴリー)で、『DQチャンプ』は前日52位から11位まで順位を上げた。

ちなみに2023年7月24日に、Sensor Tower(センサータワー)が『DQチャンプ』について、リリース2週間で国内収益1000万ドル(14億1500万円)を突破したとする調査レポートを公開。(関連記事) リリースから約1ヵ月半で『DQウォーク』に次ぐ柱として早くも存在感を示す格好となった。

その後もゲーム内でストーリー新章の追加、サイドストーリーイベントや新ふくびきの開催、『DQ』シリーズとのコラボ実施など、定期的な施策を投下し、2023年8月22日に累計300万ダウンロード突破が発表された。

2023年後半、そして2024年になってからも引き続き様々な施策でプレイヤーを楽しませてきた『DQチャンプ』だったが、2024年5月23日、『DQチャンプ』のサービスが2024年7月30日15時をもって終了することが発表。『DQチャンプ』プロデューサーの白石氏からプレイヤーへのメッセージがゲーム内のお知らせにて公開された。

1週間前からプレイ…有終の美(サ終)を見届ける

『DQチャンプ』の発表からサービス終了決定までの流れをお届けしたところで、ここからはサービス終了1週間前の2024年7月24日からログインしたプレイ記録をダイジェストでお届けしよう。

まずは、いつものようにアプリをインストール、からのゲームデータをダウンロードしながらチュートリアルをこなしていく。

最初に筆者自身の分身となるプレイヤーキャラの名前と容姿を決められたのだが…何だろう。子どもの頃や若い頃なら、キャラメイクにはかなりの時間を費やし、こだわって決めていたのだが、この夏の酷暑で身も心もバテているのか、それとも老いからくる冒険心の劣化なのか、「おまかせで決めてもらおう」と思ってしまい。

このようなキャラクターが爆誕しましたよ。筆者の偏見を含めた超個人的な感想としては、主人公っぽいオーラはあまりなく、どちらかと言うと主人公と出会った頃は嫌な奴だったけど冒険を続ける内に良い仲間になる感じの雰囲気、だなと。

まぁホミットが褒めてくれたから、このキャラでチャンプを目指すことにする。


▲『DQ』シリーズで最初にバトルのイロハを教えてくれるのは、いつだってこのスライム先生だ。

『DQチャンプ』は3人1チームでバトルに臨むようだが、いまの所カメロン、すなわち筆者しかいない。ストーリーを進めてしばらく孤高のバトルを繰り返していると。

あっという間に僧侶のムーマ、魔法使いのグリムトンが仲間になってくれたよ。筆者の職業が戦士だから、パーティーのバランスはバッチリと言えよう。よろしくおまえたち。

ムーマ、グリムトンを仲間にし、ストーリーを進めていくと大会に出場できるようになったので、早速エントリー。最後の一組になるまで戦い抜くバトルロイヤル的なルールで、一定時間が経つとフィールドの行動範囲が狭まっていくという、何とも言えない緊張感がたまらない。


▲初めてのチャンピオン!やったぜ!!

ストーリーモードの大会で何度かチャンピオンになり、チクチクとゲームを進めていくと今度は他のプレイヤーさん達とのバトルが楽しめる大会モードが解放されたので、今度はそちらに挑戦。

とは言え、筆者はゲームを始めて数日しか経っていない初心者ゆえ、いきなり大会モードに挑戦しても返り討ちは必至。そこで『ドラゴンクエスト』シリーズの経験値稼ぎでお馴染みのメタル系モンスターと戦えるモードで修行することに。

こうしてレベルを上げたり、ふくびきで装備を整えたりして、いざ大会モード。最初は他のプレイヤーさんが参加していないブロンズリーグで大会ポイントをためていき、その後無事に他のプレイヤーさんとの対戦が可能になった。

そんなこんなで、サービス終了当日を迎えた。筆者は終了時刻30分前の14時30分頃に最終ログインした。

しばらくゲーム内でカメロン(筆者)率いるパーティーのステータスや装備などを眺めたのち、最後にどのくらいのプレイヤーさんが参加しているのか確認すべく大会モードをプレイしようと思ったのだが…。

出発可能時刻を過ぎたため挑戦不可とのこと。困った、実に困った。これでは最終日の他のプレイヤーさんの動きがわからない。

どうしたものかと思い、これまで触っていなかった酒場モードを覗いてみる。どこかのギルドに入れば他のプレイヤーさんの様子がわかるかもしれないが、終了間際に入れるのだろうか?

とは言え、このままでは取れ高がないのでダメもとで、加入方式が自動承認のとあるギルドのドアをノックしてみた。

とりあえず加入できたので、挨拶のスタンプを送ってみた。ただ、こちらのギルドのメンバーがいまこの瞬間ログインしていなければこのまま時は過ぎていくだけだ。すると…

ギルドマスターのプレイヤーさんから反応が! しかもいきなりサブギルドマスターに任命してくれた!!

結局、このギルドはギルドマスターさんだけがログインしていたようだが、最後の最後に筆者と絡んでくれてうれしかった。ありがとう、ギルドマスター!!!

と、終了ギリギリまでギルドマスターさんとのやりとりをしていたが、時計の針は15時を回り、下の画面が表示された。

こうして、『DQチャンプ』は約1年1ヵ月の歴史に幕を下ろしたのだった。

▲サービス終了後の公式X(Twitter)

『DQチャンプ』のゲームはサービス終了となったが、サービス終了後、プレイヤー情報など一部データをウェブサイトで閲覧できる「冒険の記録」の公開を予定しているという。詳細については、ゲーム内および公式サイトにてアナウンスされるとのこと。


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【サービス終了、その瞬間】バックナンバー

前回の記事 ⇒ バンダイナムコENT『ミニ四駆 超速GP』…”小さなレーサー“だった全ての大人たちがチェッカーフラッグを受けた

23年11月~24年3月掲載記事まとめ ⇒ 『GGGGG』『エラゲ』『シノアリス』『ONEPIECE サウスト』『消滅都市』『DFF オペラオムニア』

番外編もチェック ⇒ 番外編「after that サービス終了」(2023年)…『ハニプレ』『ダイの大冒険 魂の絆』『ロックマンXDiVE』等のその後をリサーチ

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株式会社スクウェア・エニックス
https://www.jp.square-enix.com/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス
設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
企業データを見る
株式会社コーエーテクモゲームス
https://www.gamecity.ne.jp/

会社情報

会社名
株式会社コーエーテクモゲームス
設立
1978年7月
代表者
代表取締役会長(CEO) 襟川 陽一/代表取締役社長(COO) 鯉沼 久史
決算期
3月
直近業績
売上高681億700万円、経常利益341億6600万円、最終利益268億5200万円(2023年3月期)
上場区分
非上場
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