【TGS2024】ドリコム、ピクセルアートADV『Tokyo Stories』を出展…開発陣に訊いたグラフィックへのこだわり

インディーゲームコーナーに『Tokyo Stories』ブースが登場

2024年9月26日~29日の期間、幕張メッセにて東京ゲームショウ2024が開催中(28~29日は一般公開日)。

そのTGS2024にドリコム<3793>が開発中のゲームタイトル『Tokyo Stories』のブース出展をインディーゲームコーナーにて行っている。

ブースでは『Tokyo Stories』の新たなプレイアブルデモの試遊やオリジナルノベルティの配布を実施する。本稿では、ビジネスデイ2日目の『Tokyo Stories』のブースの模様をお届けする。

『Tokyo Stories』とは?

『Tokyo Stories』は、ドリコムがPC家庭用ゲーム機向けに企画/開発を手掛ける作品。

「ピクセルアートと3Dを融合させたビジュアル表現」をコンセプトとした3Dピクセルアートアドベンチャーゲームで、主人公は消えゆく東京を舞台に、いつの間にか消えてしまった親友をさがすために彷徨うことになる。

~物語~

「誰もいなくなった東京」を舞台に重なるいくつもの物語

親友はなぜ主人公の前から消えてしまったのか、この都市は何を伝えようとしているのか、多くの断片が集まり徐々に核心へと迫っていく。

突然消えてしまった友人を連れ帰るために、この町へやってきた主人公

誰にも言えない秘密を隠しに、この町へやってきた青年

目的は誰にも伝えず、この町に消えていった少女

彼らが紡ぎあげる物語は、徐々に牙を向き始め

やがて、全てが思わぬ方向へ堕ちていく…

ドリコム『Tokyo Stories』ブース(インディーゲームコーナー Hall9-C25)

こちらはビジネスデイ2日目朝のドリコム『Tokyo Stories』ブースの模様。

ブースでは『Tokyo Stories』の新たなプレイアブルデモの試遊が楽しめるほか、最新のビジュアルを使用した特別な装飾を展開し、ブース全体で『Tokyo Stories』の世界を表現。アクリルジオラマやビジュアルボード等、様々なアイテムを展示したフォトスポットも用意されている。

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『Tokyo Stories』の独特な世界観に僅かなプレイ時間で魅了された

せっかくブースを訪れたので、『Tokyo Stories』を試遊させていただくことにした。

TGS2024では『Tokyo Stories』の最新バージョンとなるプレイアブルデモを試遊可能で、物語冒頭部分から本作の特徴的な場面を体験することができた。

地下鉄から地上へ出たスズという少女が、いなくなった親友に誘われるかのように渋谷の街を歩く、というのが冒頭のシーン。

キャラクターは左スティックで移動させる事ができる。夜の街を探索するのは散歩しているような気分で楽しい反面、周囲には誰もいないので迷子になったかのような不安な気持ちにさせてくれる。また、終始流れているBGMもどことなく寂しげな雰囲気で、「これからどんな物語が展開されるのだろう」と思った。


▲写真には写っていないが、ネックスピーカーを装着してプレイすることができた。優しくもあり悲しげなBGMが首元から聴覚に伝わってゾクゾクしたものだ。

要所要所では選択肢が出てきたり、謎解き要素があったりと、アドベンチャーゲーム然とした要素もしっかりと取り入れられていた。

また、「ピクセルアートと3Dを融合させたビジュアル表現」という本作の一つのウリであるグラフィック面もいい味を出している。

スズ、ユノというキャラクターの表現はもちろんのこと、渋谷の街並みの表現もひと昔前の風景っぽくて個人的にグッとくるものがあった。

今回プレイできた時間はほんの少しだったが、それでも『Tokyo Stories』が醸し出す独特な世界観にすっかり魅了されてしまったし、続きが気になって仕方がないと感じた。

開発陣に訊いた『Tokyo Stories』へのこだわり

試遊を終えて辺りを見渡すと、ブース内に『Tokyo Stories』のプロデューサー/ディレクターの池田佑基氏と、アートディレクターの寺島誠一氏の姿を発見。

そこでお二人に『Tokyo Stories』についてアレコレ伺った。

【プロデューサー/ディレクター】
池田佑基氏(写真右)
~代表作~
「rain/ディレクター (PS3 / Sony Interactive Entertainment)」
「100 万トンのバラバラ/ディレクター (PSP / Sony Interactive Entertainment)」

【アートディレクター】
寺島誠一氏(左)
~代表作~
「rain/アートディレクター (PS3 / Sony Interactive Entertainment)」
「100万トンのバラバラ/アートディレクター (PSP / Sony Interactive Entertainment)」

――:『Tokyo Stories』をTGS2024に出展することについての率直なお気持ちを聞かせてください。

池田 これまで関西方面でビットサミットに2回出展させていただきましたが、東京でもやりたいと思っていたタイミングでTGS2024が開催されるということで参加することにしました。

――:『Tokyo Stories』を開発することになった経緯は?

池田 ドリコムは今までアプリ開発がメインでしたが、新しいIPを生み出すという全社の大きな方針の中でsteamや家庭用ゲームだったり、コミックスなど色々なパターンのIP展開を考えていったときにPCや家庭用で売り切りのタイトルで挑戦したいなと思いました。今は面白いゲームがたくさんあるので、どういう作品だったら目を引くかという所でピクセルアート風のグラフィックで何か作ってみたかった。ただ、トップビュー、サイドビューのゲームはたくさんあるので、そうではないもう少しダイナミックなピクセルアート作品を作れないかなと考え、3Dとピクセルアートを融合させたスタイルにしました。

――:主人公のスズはどのような設定から生まれたキャラなのでしょうか?

寺島 私は普段はあまりキャラクターデザインはしないので、チームメンバーみんなで作りました。若手の意見なども色々取り入れて、特に女性メンバーの意見が結構反映されたキャラクターになっています。先にスズができていて、もう一人のユノに関してはその対比関係でキャラクター設定を決めたので割と作りやすかったです。スズがクールな感じで色使いも青がメインなので、ユノは性格も明るくカラフルな色合いにしました。スズのほうが先に出来たキャラクターだったので、何度も微調整を重ねて作った分大変でした。

――:今回の試遊では渋谷の街を歩くことができたのですが、どことなくひと昔前の街並みという印象を受けたのですが。

池田 そうですね。自分たちも40代になって渋谷に遊びに行っていたのは昔だよね、という所でそういう雰囲気の街並みになったのではないかという気がします。

寺島 例えば銀座だったり秋葉原だったりにしても、その街を“らしく”表現しようとするとひと昔前になるんじゃないかなと思うんです。

池田 いまの秋葉原は果たして秋葉原なのかと感じる方もいると思うので。ですから『Tokyo Stories』に出てくる街の風景は少し誇張しているかもしれません。

寺島 渋谷に関しても、ひと昔前の落書きだらけみたいな風景が渋谷っぽい要素なんじゃないかと思っています。

池田 渋谷の表通り、スクランブル交差点や109を作るという事はやらずに、裏路地でちょっと猥雑だったりという所を逆に作り込んでいます。

――:システム面について、アドベンチャーゲームということで物語を進めると色々な謎解き要素も出てくるんですか?

池田 そうですね。ただ下手なゲームにはしたくないと思っていて、場面場面で緩急を付けつつ、「ここはこう遊んでみよう」「こう変えてみよう」とか色々試したいなと思っています。

――:ゲーム内キャラクターは基本的にはボイスなどはなく、BGMだけが流れるという仕様になるのでしょうか?

池田 そこは今悩んでいる所です。ボイスが欲しいという意見もありますし、我々も声を付けたら可愛いのかなと思いますが、音楽だけで勝負するのもカッコいいのかなとも思います。今はほとんど効果音も入っていませんし、場面に合わせて音楽を変えることもあまりしていないんですが、逆にそれがハマるというか『Tokyo Stories』の世界観に合っているのかなと思いながら、試行錯誤しているところです。

――:最後に『Tokyo Stories』を楽しみにしているゲームファンに向けてメッセージをお願いします。

池田 『Tokyo Stories』が初めてTGSに出展しています。初めて触る方、Xでは見たけどどういうゲームかわからない方も多いと思いますが、ぜひ実際にプレイして雰囲気を味わっていただけたらと思います。

寺島 一目見てどんなゲームかわかるタイプの作品ではないと思います。本当に触ってみて、こういうゲームもあるだなという作品になっていると思うので、ブースに遊びに来ていただいて皆がそれぞれの感想を持ってもらえたらうれしいです。

――:ありがとうございました。

最後に『Tokyo Stories』プレイアブルデモのスクショ集をお届け!

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株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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