ドリコム、9月中間決算は営業損失3億1500万円と赤字転落 新作ゲーム不発、既存ゲームも前年下回る 新タイトルの減損で最終赤字10億円に【追記】

ドリコム<3793>は、10月29日、2025年3月期 第2四半期累計の連結決算を発表し、売上高40億1800万円(前年同期比21.1%減)、営業損失3億1500万円(前年同期は4億7200万円の利益計上)、経常損失3億5400万円(同4億5300万円の利益計上)、最終損失10億2200万円(同1億6900万円の損失計上)だった。

・売上高:40億1800万円(同21.1%減)
・営業損失:3億1500万円(同4億7200万円の利益計上)
・経常損失:3億5400万円(同4億5300万円の利益計上)
・最終損失:10億2200万円(同1億6900万円の損失計上)

 

同社では、主力のゲーム事業で第1四半期にリリースした新作タイトルが想定を下回るなど業績寄与が限定的だったことに加え、一部の運用タイトルの売上も前年を下回った、としている。この新作については将来収益の再評価を行い減損処理を行ったことで最終赤字が拡大した。

 

【グラフを追加した】

  

■ゲーム事業

セグメント売上高は37億9600万円(前年同期比23.6%減)、セグメント利益は2億5600万円(同74.0%減)となった。

第1四半期に新規タイトル『悪魔王子と操り人形(あくあや)』をリリースしたが、売上が想定を下回る推移となったことから、将来収益の再評価を行い関連する資産を減損処理することとした。現在の運用中モバイルゲームタイトル本数は10タイトルとなっており、複数の長期運用タイトルから収益を獲得している。

売上高については、受託開発案件の終了や前期にクローズしたタイトルの影響に加え、一部の運用タイトルが前年を下回る推移となったこと等により、前年同期比で減少した。

利益については、前期に不採算であったタイトル2本をクローズしたことによる効果はあったが、減収に加えて、第1四半期に新規自社配信タイトル1本をリリースしたことに伴う費用の増加等により、前年同期比で減少した。

主力事業である当セグメントにおいては、引き続き運用中タイトルの安定的な収益の維持に努める他、今後リリースする新規タイトルの貢献による売上、利益の増大を目指していく。

 

■コンテンツ事業

セグメント売上高は2億2400万円(前年同期比87.7%増)、セグメント損失は5億7200万円(前年同期はセグメント損失5億1600万円)となった。中期的に目指す姿の実現に向け今後も投資を実施していく。

売上高については、「DREノベルス」に加え、昨年秋から「DREコミックス」の刊行を開始しており、シリーズ累計10万部を超える人気作品を複数輩出できていることから、前年同期比で増加した。

利益については、出版・映像やWeb3などの新規事業領域への投資を行っており費用先行が継続しているため、損失額が前年同期比で増加した。

今後については、ゲーム事業において、より強固な事業基盤を作るため、運用タイトルへの追加投資や体制強化等を通じて長期安定的な収益の確保に努めるほか、新規タイトルのリリースによる売上成長、収益源の多様化・積層化を目指していく。また、ゲーム事業においてもIPを保有し育成することを目的として、PC・コンソール向けのオリジナルタイトルの開発を実施していく。

コンテンツ事業においては、IPを保有し育成・収益化することを目的として開始した事業を一定規模に成長させることを目指している。また、新たな体験・市場を生み出す先進的なテクノロジーの活用を積極的に進めていく。

 

■2025年3月通期

2025年3月通期の業績見通しは未定。第1四半期にリリースした新規タイトルと既存運用タイトルの状況から大きく赤字となっている。一方、2024年10月15日にリリースした新規ゲームタイトルが想定以上の推移となっており、これらを踏まえた今後の業績見通しを適正かつ合理的に算出することが困難であると判断したため、としている。

株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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