ドリコム<3793>の内藤裕紀社長は、この日(10月29日)、9月中間期の決算説明会で、『Wizardry Variants Daphne(以下、ウィズダフネ)』について累計課金額が7億円に到達するなど好調な出足になったと明かしつつ、これまで手掛けたモバイルゲームとは異なる売上の立ち方になっていると明かした。1日平均で5000万円ほどの売上が計上される。
これまでのモバイルゲームは、イベント開催やキャラクターの追加にあわせて売上が上下する傾向にあったが、『ウィズダフネ』については一定の売上が計上されるようになっているという。一度だけ実施した新規キャラの追加で大きく伸びたことも確認できたが、それでも上下の幅が小さいという。
内藤社長は、当面は不具合への対応や問い合わせへの返信に注力するとしながら、今後予定されている本格的にプロモーション展開やコンテンツの追加、そしてSteamリリースとあわせて海外展開を本格的に行った時、売上がどこまで伸びるのか、アップサイドが見極めきれていないとも明かした。これが2025年3月通期の業績予想を取り下げた要因のひとつだった。
なお、Steam版については、SNSなどで要望が多いという。時期は発表できないが、開発を進めているとも明かした。海外のマーケットは、「モバイルだけでいい数字が出ているが、海外で本格的にプロモーションを行う場合、Steamもあわせてやったほうが多くの人に届けることができる」という。
また、IP展開に関しては「ウィザードリィ」題材の作品である『ブレイド&バスタード』は、ノベライズとコミカライズがいずれも好調で、アニメ化も決定した。アニメがヒットすれば、コミックやゲームの売上増につながる、コミックを作品を知った人がゲームでも遊び始めるなど、「出口」同士の相乗効果の発揮が期待される。
内藤社長は、IPを活用したマルチメディア展開と相乗効果で「ウィザードリィ」がIPとして再成長し、「ウィザードリィ経済圏」が形成されつつあると述べ、これこそが同社のやりたかったコンテンツビジネスだという。大ヒットしたモデルケースが生まれたことで、今後、出版部門で育成したIPや他社から買い付けたIPにも活用していきたいとのこと。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793