KLab、第3四半期決算は『キャプ翼』『ブレソル』好調で営業赤字縮小、単月黒字も 『EA SPORTS FC TACTICAL』は12月にアップデート(書き起こし)

KLab<3656>は、11月12日、2024年12月期 第3四半期(24年7~9月)の決算説明会を開催し、専務取締役 CFO 高田 和幸が業績の概要を説明した。売上高は24億2800万円で、前四半期比18%増加した。営業利益は8800万円の赤字だったが、赤字幅は縮小傾向にあると本業の改善を強調した。『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~(キャプテン翼)』と『BLEACH Brave Souls(ブレソル)』だったという。

続いて代表取締役社長 CEO 森田 英克氏がこの四半期のトピックスを紹介した。『EA SPORTS FC TACTICAL』を一部地域でローンチし、12月に大型アップデートを行う予定。またNetEaseと提携し「AirLab」の日本国内向け販売を開始したことや、 『BLEACH Soul Puzzle(ブリパズ)』『ハイキュー!!FLY HIGH』の簡体字中国語版の配信を開始したこともあげた。

 

【主な内容】
2024年12月期 第3四半期業績
トピックス
質疑応答

 

■2024年12月期 第3四半期業績

本日はお忙しい中、弊社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。最初に私、高田より2024年度第3四半期の業績について説明いたします。まず、第3四半期の業績サマリーです。 

売上高は24億2800万円となりました。『キャプテン翼』と『ブレソル』がともに好調であったことから、前四半期比で18%の増収となっております。営業利益は8800万円の赤字でした。赤字ではございますが、期中に単月黒字の月もあり、大型タイトルのリリースがされていない状況で、黒字化に近いところまで赤字幅を圧縮することができました。一方で、円高の影響で為替差損を計上したことにより、経常利益と親会社株主に帰属する四半期純利益は、赤字幅が拡大しております。

 

続いて、タイトル別の売上高の前四半期との比較分析についてです。『ブレソル』は、周年キャンペーンに加え、テレビアニメに合わせたキャンペーン展開も寄与し、日本語版、海外版ともに、前四半期比で大幅に増加しております。『キャプテン翼』は周年キャンペーン後の反動減が小さく、堅調に推移しております。また、ゲームバランス等の改善により、年間の累計売上高は前年同期を上回っております。

 

海外売上高の推移です。前四半期比では増加し、海外売上比率も50%を維持しております。

 

費用の概要についてです。売上原価については、売上高の増加に伴い売上連動費用である使用料および支払手数料が増加したことによって、売上原価も増加しております。一方で、引き続き採用の抑制や開発体制の見直しを行うことで、労務費と外注費、業務委託費等は減少しております。販管費も増加となっております。これは『ブレソル』の周年および『ブリパズ』のリリースプロモーションにより、広告宣伝費が増加したことによるものです。

 

続いて主な固定費の四半期推移です。採用の抑制や運営タイトルの整理、効率化、オフィスの見直し等により、過去最少規模まで固定費を抑制しております。今後についても継続して費用を圧縮していく予定でございます。

 

続いて業績の四半期推移です。不採算タイトルの撤退などにより、売上高は減衰トレンドとなっておりますが、直近の四半期だけ見ますと復調してきております。

 

続いて連結貸借対照表の前四半期末との比較になります。借入金の返済および社債の償還等により現預金が減少しております。

 

続いて、『EA SPORTS FC TACTICAL』の会計処理についてです。こちらは以前にも説明しておりますが、再度ご説明いたします。こちらは5月に一部地域限定でローンチしました『EA SPORTS FC TACTICAL』ですが、ワールドワイドローンチまでの期間においては、EA社から支払われるレベニューシェアは収益としては認識せず、相当額をソフトウェア仮勘定から控除する処理を行っております。また、今回第3四半期の決算からその処理を行っておりますが、EA社との手続きの関係上、期ズレでの処理となっております。

 

続いて、ファイナンスの進捗状況、新株予約権の行使状況になります現在、70.8%まで行使が進んでおります(編集注、11月12日時点)。業績については以上となります。

  

■トピックス

森田でございます。私からトピックスについてお話いたします。『EA SPORTS FC TACTICAL』についてですが、テスト的に一部地域でローンチを行いまして、ゲームバランスのチューニング機能のブラッシュアップ、新規開発等を継続して実施しております。12月には大型アップデートをローンチ予定でございます。

 

NetEaseと提携し、「AirLab」の日本国内向け販売を開始いたします。「AirLab」は、ネット椅子が開発した端末の集中管理と、アプリの自動テストが行えるプライベートデバイスファームです。当社では、日本で初めてラボを導入し、大量端末での自動テストを実施した結果、低コストでの品質改善を実施することができました。アプリ開発において、特に利用メリットが大きいものの、ノウハウやローカライズ面においてハードルが高いことから、国内に向けては、当社が販促および導入サポートを行っていきます。

 

『BLEACH Brave Souls』が全世界で9500万ダウンロードを突破いたしました。

 

パズルゲーム『BLEACH Soul Puzzle(ブリパズ)』を配信開始いたしました。BLEACHの初のパズルゲームとして9月24日に全世界で配信開始しております。課金と広告を収入源とするハイブリッドカジュアルゲームです。

 

『ハイキュー!!FLY HIGH』の簡体字中国語版を配信開始いたしました。北京のパブリッシャーを通じて10月25日より配信開始しております。現在、日本、韓国、繁体字圏、簡体字圏において配信しております。

 

次に、パイプラインについてご説明いたします。まず大型タイトルのパイプラインです。大型タイトルの新規開発については増減がございません。『EA SPORTS FC TACTICAL』は、先ほどお伝えしました通り、12月に大型アップデートをローンチ予定でございます。

 

次に、ハイブリッドカジュアルゲームのパイプラインについてですが、『BLEACH Soul Puzzle(ブリパズ)』がリリースされましたので、進行中から1件減少して3タイトルとなっております。オリジナルタイトル①としているものが、2025年の1クォーターにソフトローンチする予定でございます。

 

次に、海外向けゲーム開発支援モデルですが、こちらはパイプライン本数の変動はございません。

 

私からは以上です。

 

■質疑応答

Q:『EA SPORTS FC™ TACTICAL』の12月のアップデートはどのような内容か?また、アップデート後のワールドワイドローンチまでのタイムラインのイメージについても教えてほしい。

A:『EA SPORTS FC™ TACTICAL』は、5月に一部地域でテストローンチいたしました。立ち上がりは良かったものの、時間の経過とともにKPIが低下してきている状況となっております。現在は、テスト運営を通じて継続率や課金率などの主要KPIを確認してゲームバランスや機能の改善点を洗い出し、改めてロードマップを引いて開発を行っております。

なお、12月のアップデートでは、継続率及び課金KPIを改善し、ゲームサイクルを刷新するための対応を行う予定でおり、育成システムの改修、シングルコンテンツの改修、サイクルと報酬設計の見直しなどを含んでおります。

今回の大型アップデートを含め、ワールドワイドローンチに向けたステップを確実に進めておりますが、時期などについては現時点で当社からお伝えすることは出来ないため、EA社からのアナウンスをお待ちください。

KLab株式会社
http://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
決算期
12月
直近業績
売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
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