ブシロード、第1四半期決算は増収も為替差損で経常損失に 新作TCGやコンソールゲーム、「Ave Mujica」など25年以降の成長をけん引する仕込みも続々(書き起こし)
ブシロード<7803>は、2025年6月期第1四半期決算動画を公開した。木谷高明社長が決算概要と今後の取り組みを説明した。第1四半期としては全体的に堅調で増収を達成したものの、為替相場の変動による為替差損6億5500万円が発生したことで、経常損失を計上したと説明した。
主力のTCG(トレーディングカードゲーム)は、「hololive OFFICIAL CARD GAME」が順調に立ち上がりを見せ、「五等分の花嫁 カードゲーム 」や「ラブライブ!シリーズ オフィシャルカードゲーム 」「ゴジラ カードゲーム 」と仕込み中の新規TCG群に期待を寄せた。
また、「バンドリ!プロジェクト」は、「MyGO!!!!!」(マイゴ)の国内外での人気拡大を紹介しつつ、「Ave Mujica」(アヴェムジカ)についても2025年1月からのテレビアニメ放送と大規模ライブを展開するなど注力していく考えを示した。
ブシロードクリエイティブの展開するMDユニットは、缶バッジやアクリル商品、カプセルトイが好調で、四半期で過去最高売上を達成したという。「PalVerse」も国内とアジアで収益貢献を始めているという。
※文字起こしは読みやすくするため、言い回しなど一部加筆・修正・変更しております。
【主な内容】
■決算概要
■エンターテイメント事業
■スポーツ事業
■Q&A
■決算概要
ブシロードの木谷です。2025年6月期第1四半期の決算説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず、損益計算書はこちらの通りです。
・売上高122億7300万円(+6億8900万円)
・営業利益5億1000万円(▲1億1000万円)
・経常利益▲600万円(▲7億7700万円)
・親会社株主に帰属する四半期純利益5900万円(▲2億4000万円)
※前年同期との比較
となりました。
MDユニットが四半期最高売上を記録するなど、全体として堅調に推移いたしましたが、為替相場の変動による為替差損6億5500万円を計上することとなりました。
販売管理費の推移です。広告宣伝費と販売促進費を新規TCGの宣伝活動や「Bushiroad EXPO 2024」をはじめとする海外イベントに注力いたしました。
今後の見通しとしましては、広告宣伝費と販売促進費は、新規TCGやテレビアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」の展開に合わせて、下期に増加する見込みでございます。
■エンターテイメント事業
続いて、事業ごとの推移をお話します。まず、エンターテイメント事業です。TCGユニットライブ、エンタメユニットが順調であることに加え、MDユニットが好調に推移し、前年同期比で売上、利益ともに増加しました。
続いて、エンターテイメント事業の各ユニットについてお話いたします。TCGユニットは、ブランドごとに上げ下げはあるものの、全体として計画比で順調に推移いたしました。
特に「カードファイト!! ヴァンガード」では、前期より順調な傾向が続く結果となりました。各弾の出荷数も順調に少しずつ増えていっております。また、イベント等での来客数も順調に増加しております。2024年9月に展開を開始した「hololive OFFICIAL CARD GAME」も順調です。こちらはカバー株式会社が企画と開発をされ、当社が販売・運営協力をしている商品です。
第2四半期の展開としては、「ヴァイスシュヴァルツ」にて「トライアルデッキ&ブースターパック 勝利の女神:NIKKE」について、ヴァイスシュヴァルツ史上初の日本語版、韓国語版の同時発売をいたします。
また、2024年10月に新規TCGとして、「五等分の花嫁 カードゲーム」を発売いたしました。こちらもスタートデッキ5種類を発売させていただきまして、コミックサイズにスタートデッキのサイズを合わせたりして、作品ファンの人に楽しんで買っていただいております。
第3四半期以降も新作TCGを複数発売いたします。2025年2月には、ラブライブ!シリーズ オフィシャルカードゲーム を発売いたします。また、先日11月3日の「ゴジラの日」に発表させていただきましたが、2025年に「ゴジラ カードゲーム」を販売いたします。2025年1月13日開催の「ブシロード新春大発表会 2025」にて詳細を発表しますので、これらのタイトルにもぜひご注目してください。
コンテンツユニットは、モバイルゲーム1タイトルのサービスを終了し、コンソールゲームでは新規2タイトルと既存タイトルのパッケージ版を発売するなどし、堅調に推移いたしました。特にご覧のコンソールゲームタイトル「少女☆歌劇 レヴュースタァライト 舞台奏像劇 遙かなるエルドラド」は、Steamのユーザーレビューで「圧倒的に好評」を獲得することができました。
デジタルゲームの今後の展開をご説明いたします。第2四半期はコンソールゲームの発売予定タイトルがなく、開発費が先行となる見込みです。また、大型タイトル「HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT」の発売時期を2024年内から2025年内へ変更いたしました。 第3四半期には「カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ2」を始め、複数のコンソールゲームを発売いたします。
ここまでデジタルゲームのお話をしてまいりましたが、コンテンツユニットは2025年6月期よりデジタルコンテンツユニットからコンテンツユニットへ名称変更し、デジタルゲームにとらわれないIP創出・展開を目指すことにいたしました。
続いて、ライブエンタメユニットでは、バンドリ!プロジェクトのイベントが順調に推移いたしました。レコード事業は前期末の事業移管の影響で商品売り上げが減少したものの、ライブエンタメユニット全体では順調です。
続いて、第1四半期のトピックスをご紹介いたします。「Roselia」と「MyGO!!!!!」が上海にてライブイベントを開催し、多くの現地のお客様にお越しいただきました。また、武蔵野の森総合スポーツプラザで開催した「MyGO!!!!! 6th LIVE」でも、国内外からご来場いただき、バンドリ!プロジェクト全体や「MyGO!!!!!」の海外への広がりを実感いたしました。
第2四半期でも、武蔵野の森総合スポーツプラザにてライブイベントを開催いたします。こちらは「Ave Mujica」にとっては過去最大規模のナンバリングライブとなります。
「Ave Mujica」は1月からテレビアニメの放送を予定しており、放送前から放送後まで国内外で盛り上げてまいります。第4四半期には「MyGO!!!!!」と「Ave Mujica」の合同ライブイベントも開催いたしますので、ぜひご期待ください。TVアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」」、本当に面白い内容になっております。私も何周も見ております。ぜひ皆さんもご覧になってください。よろしくお願いいたします。
MDユニットは缶バッジ、アクリル製のMD商品、カプセルトイが好調となり、四半期過去最高売上を達成いたしました。
ご覧の通り、国内や中国などの海外で物販催事を実施し、MD商品の売り上げを伸ばしました。また、デフォルメフィギュアブランド「PalVerse」では、自社IP初の商品「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」を発売し、国内卸はもちろんのこと、中国や韓国を中心としたアジアで好調となり、再販が決定いたしました。
第2四半期以降の展開といたしましては、引き続き海外展開を推進していく予定です。先ほどご説明したようなアジアでの様々な催事に加えて、北米のマスマーケットを対象としたフィギュアやカプセルトイの販売等も開始しております。
アドユニットでは、映画『劇場版すとぷり はじまりの物語~Strawberry School Festival!!!~』の配給をブシロードムーブが担当し、ADユニットとして、過去最高売上を達成することができました。
■スポーツ事業
最後に、スポーツ事業のスポーツユニットです。スポーツ事業では、観客動員数が軟調に推移したため、前年同期比では、売上高、営業利益ともに減少いたしました。
第1四半期は新日本プロレスが「G1 CLIMAX 34」、スターダムが「5★STAR GP 2024」を開催し、全国を巡業いたしました。今後の展開といたしましては、前回の決算発表でもお話しいたしましたが、来たる2024年の年末から2025年の年始にかけて「WRESTLE KINGDOM WEEK」を開催いたします。来年は東京ドームの興行を2日間開催いたしますので、ぜひご期待ください。
それでは、連結業績予想の進捗についてご説明いたします。2025年6月期の連結業績予想について、売上高、営業利益は約25%の進捗率となりましたが、為替相場の変動による為替差損が影響し、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益では、ビハインドする結果となりました。
今期は総じて前期と同様に、下期偏重となる進捗を計画しておりますので、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。以上が、株式会社ブシロードの2025年6月期第1四半期の決算説明となります。
■Q&A
ここからは資料はございませんが、Q&A形式でご説明いたします。
Q:今後のTCG戦略について教えてください。
はい。TCGのマーケットがここ数年急拡大しております。その拡大したマーケットに対して、色々な需要が生まれてるかなと思ってます。当社は新規のTCGを複数出すことによって、お客様のいろんなニーズに応えられるよう現在対応しているつもりです。
ただ既存のTCGも伸ばせるものは伸ばしていくと、既存のTCGのお客様をさらに増やすということを同時並行でやっていく所存ですので、グループ全体としてのTCGの売り上げは今後とも順調に伸びていくと考えております。
Q:デジタルゲームの今後の展望について教えてください。
デジタルゲームに関しましては、いろんなことを試しており、今はメリハリのついた展開、選択と集中を行っている最中でございます。第3四半期以降は、これらの成果が徐々に出てくると考えておりますので、注目していただきたいと考えております。
Q:海外展開施策の効果を教えてください。
海外展開に関しましては、「Bushiroad EXPO 2024」がまだ3つ残っております。今年開催した「Bushiroad EXPO 2024」の結果をもとにして、第2四半期の決算発表で海外展開に関して詳しくご説明させていただきたいと考えております。
今回の決算発表は、ご期待に沿えない部分もあるとは思いますが、当社はいろんな各部門が上り調子の兆候が出ております。引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。ご視聴ありがとうございました。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803