韓国KRAFTON、第3四半期決算は「PUBG」IPが成長し売上高60%増の792億円、営業利益71%増の357億円と過去最高を更新

韓国KRAFTONは、11月7日、2024年第3四半期の業績を発表した。KRAFTONは韓国採択国際会計基準(K-IFRS)を適用した連結財務諸表に基づき、2024年第3四半期の売上高は前年同期比59.7%増の7193億ウォン(792億円)、営業利益は同71.4%増の3244億ウォン(357億円)を計上したことを発表した。過去最高の四半期売上高となった。また、2024年第3四半期迄の累計売上高は2兆922億ウォン(2306億円)とKRAFTON創業以降初めて2兆ウォンを超え、累計営業利益も9670億ウォン(1065億円)と過去最高を更新した。

KRAFTONは、“PUBG: BATTLEGROUNDS IP"をベースとした様々なサービスが、売上やトラフィック等あらゆる部門で顕著な成長を続けているという。また、地道な投資と研究を通じて開発したAI技術が実装段階に入り、『inZOI』等の様々なサービスを通じて本格的に導入する準備ができたとのこと。

 

■2024年第3四半期の主な成果

強力なライブサービスとアップデートを基に“PUBG: BATTLEGROUNDS IP"の成長を加速し、世界中のプレイヤーに常に新しい体験を提供している。第3四半期にもマップのアップデートや新規モードの導入、様々なコラボレーションによりグローバルトラフィックと収益性がさらに向上した。

『PUBG: BATTLEGROUNDS』PC/コンソール版は、7月に実施したランボルギーニコラボが単一商品としての売上最高額を記録し、9月には「TAEGO」(テイゴ)マップのアップデートと新モード「残された生存者たち」の追加により同時接続者数は89万人に達し、タイトルリリース以来最高のトラフィックを更新した。モバイル版では、新規テーマモードと効率的なビジネスモデル運営を通じて、売上成果を継続的に改善している。

 

■主な新作ラインナップと投資、インド事業

KRAFTONは、「Scale-up the Creative」戦略を通じてプラットフォームとジャンルに拘らず創造的なゲームIPを積極的に発掘し、グローバル市場での地位を強化している。この戦略の基、『inZOI』、『ダークアンドダーカーモバイル』、『SUBNAUTICA 2』、『Project ARC』(プロジェクトアーク)、『Dinkum Together』(ディンカム トゥギャザー)等の新作を準備している。

『inZOI』と『ダークアンドダーカーモバイル』は8月ドイツで開催したゲームイベント「Gamescom2024」に、『ダークアンドダーカーモバイル』は9月に開催した「東京ゲームショウ2024」での出展を通じて高い関心や熱い反応を確認することができた。『SUBNAUTICA 2』はマルチプレイ協力モードを追加して新たなゲーム性を提供する。『Project ARC』と『Dinkum Together』の両新作は、今月韓国で開催されるゲームイベント「G-STAR2024」で初公開する。

また、新たなIP発掘のため、第3四半期には開発会社持分投資、セカンドパーティーパブリッシング(Second Party Publishing、2PP)確保、ライセンス契約等合計5件の投資を実施した。具体的には、2024年のリリース以降、世界的な人気を集めた“Palworld IP"のモバイルライセンスを確保し、PUBG STUDIOSでこれを基盤とした「Palworld Mobile」を開発中。

また、「マリオ+ラビッド」(Mario Puls Rabbids)シリーズ等様々なゲーム制作の経験を持つ開発者集団の「Day 4 Night」(デイフォナイト)と共同で新たなプロジェクトも進行中。

インド市場では、『BATTLEGROUNDS MOBILE INDIA』(『BGMI』)のユーザー拡大の成功とローカライズしたコンテンツにより、トラフィックが継続的に増加し続けている。『BGMI』は、ヒンディー語のほか、追加言語の拡張と大規模なeスポーツ大会の開催を通じてインドユーザーのアクセシビリティ向上を高め、現地のトラフィックを拡大し続けている。

また、KRAFTONは現地パブリッシング事業を通じてインドでの事業ポートフォリオを強化しており、DevSisters社との協業により、年内にインドで「クッキーラン」(Cookie Run)のローカライズ版を開始する予定。

 

■AIを活用した新事業

KRAFTONは、AIの可能性を早くから認識し、幅広いプロジェクトで研究を続けてきた。2022年にはディープラーニング本部を設立し、自然言語処理(NLP)、視覚・アニメーション、音声認識(STT/TTS)、強化学習(RL)等の様々なAIコア技術を確保し、その結果、NeurIPS、ACL、COLT等世界トップクラスのAIカンファレンスで多数の論文を受賞した。

そして今年は、これまで積み重ねてきたAI技術を実際のゲームに応用することに注力している。特に『inZOI』ではゲーム業界初の3Dプリンター機能を導入し、世界中のユーザーから好評を得ている。また、小型言語モデル(SLM)ベースのチャットボット機能とモーション生成技術を通じて、新たなゲーム体験の提供を予定している。

長期的には、ユーザーと対話できる「コプレイアブルキャラクター(CPC)」を開発し、ゲーム体験の革新を追求したいと考えている。CPCは既存のNPCとは異なり、ユーザーと会話や協力をしてゲームを楽しむことができるキャラクターで、人のように状況を理解し、柔軟に対応できる特徴がある。KRAFTONは、このCPC技術を“PUBG"や『inZOI』等の様々ゲームに適用していく予定。

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