英国のSports Interactiveによって開発された『Football Manager(フットボールマネージャー)』は、地元のセミプロチームから世界有数の名門クラブまで、好きなクラブの監督となったプレイヤーがチームをさらなる高みに押し上げていくことを目標とした、“比類なきリアルサッカーのシミュレーションゲーム”として人気を博するタイトルである。
その『Football Manager』シリーズの最新作となる『Football Manager 25(フットボールマネージャー 25)』(以下、『FM25』)が、2025年3月にPlayStation5 / Xbox Series X|S / PC(Steam/Epic Games Store/Windows)/ Mac / Netflix向けに、セガから発売予定だ。
『FM25』から開発エンジンをUnityに移行したことにより、UIの刷新やグラフィックの強化などが行われている。また、女子サッカーやプレミアリーグのライセンスが追加され、ゲームの世界観がますますの広がりを見せている。
そして12月8日、明治安田J1リーグ最終節となる第38節、横浜F・マリノス vs 名古屋グランパスの会場となった日産スタジアム(東ゲート入口付近)にて、セガが『FM25』特設ブースを展開した。
本稿では、『FM25』特設ブースの模様をレポートするとともに、横浜F・マリノスOBである中澤佑二氏へのインタビューをお届けする。
中澤佑二氏を一目見ようと多くのサポーターがブースに駆け付けた
特設ブースでは、ホームチームである横浜F・マリノスの選手写真をデザインしたフォトスポットが設置されたほか、『FM25』のオリジナルステッカーが配られた。
また、横浜F・マリノスOBである中澤佑二氏との撮影会も実施。事前抽選で当選した参加者と中澤氏による写真撮影が行われた。
▲フォトスポットに立つ中澤氏。
▲当選者が持参したユニフォームや応援グッズに中澤氏がサインをした後、撮影タイム。
撮影会後半は中澤氏のフリータイムとなり、当選者以外とも交流をはかったり、周囲のサポーターからの「佑二!」「ボンバー!」という声援にも気さくに答えていた。
▲ラクロスのコーチを務める中澤氏。教え子を呼び込んで一緒に記念撮影。
中澤氏インタビュー「今いる選手でどういうサッカーをするか考える監督に」
イベント終了後、メディア向けに行われた中澤佑二氏へのインタビューをお届けする。
――:『FM25』ブースでファンの皆さんと交流した感想は?
中澤佑二氏(以下、中澤) 引退してから6年振りくらいにファンの方々と触れ合うことができて楽しかったです。そもそも僕は現役時代あまりファンサービスしていなかったと思うので、今日はプロ生活20年分のファンサービスをさせていただきました。
――:中澤さんのファン層は幅広いですね。
中澤 だいたいいつも見たことのある方が集まってくれていますね(笑) 本当に僕のことが好きなコアなファンに来ていただいて、しかも僕が引退してからも変わらず横浜F・マリノスを応援し続けてくれているので嬉しかったですね。
――:『FM』は全権監督となってクラブを導いていくゲームですが、もし監督になるとしたらどんなクラブにしたいですか?
中澤 色々な監督がいて色々な考え方がありますが、僕だったら今いる人材でクラブを作ります。理想に選手を当てはめるというより、今ある素材でどういうサッカーをしようかなと考える監督になると思います。もちろん理想もあるとは思いますが、現状自分たちの戦力でどういう戦い方をするのが選手にとって良いのか。その選手たちをチームに集めた時に1+1が2、3になるのか考えていくと思いますね。
――:J1リーグも最終節ですが、この時期の試合では監督は選手にどういう声をかけるものでしょうか?
中澤 怪我をしたくない、オフはどこに行こうかなど考える選手もいるでしょうが、まずは目の前のこの1試合に勝ちたいというモチベーションのある選手、それは普段の練習からだとは思いますが、そういう選手を監督なら使いたい。あとはチームとして、プロとしてやらなければいけない事をちゃんとできる、言わなくてもできる選手を使うので、何か声をかけるというよりも普段から自分の話の筋としてそういう風にもっていくかなと。
だから最終節に改めて何か言う事はないですが、ファンの方がたくさん観に来てくれる中ホームで最終節を迎えられる喜びを感じながら、ファンの方に笑顔で帰ってもらう為にやるべきことはひとつ、勝つことだよねという話はすると思う。だから今日の事を考えて、勝ちたいと思っているメンバーを選びます。オフの事を考えている選手は選びませんよ(笑)
――:サッカーを始めらてから引退するまでに様々な監督と出会ったと思いますが、印象に残っている監督は誰ですか?
中澤 出会った監督は全員それぞれ個性があって印象的なんですが、まぁ、トルシエは間違いなくインパクトはすごかったですね。あそこまで露骨にメディアに対してアピールできる監督は日本にはいなかった。選手にもメディアにもアピールする監督は初めてだったし、おもしろかったですね。当時は僕も若かったのでムカついていましたけど(笑)、いま思うとあれはあれでありだなと。おもしろいもっていきかただったなと思いますね。
――:サッカーゲームは色々な種類がありますが、サッカー選手から見てサッカーゲームはどういう印象がありますか?
中澤 おそらく(中村)俊輔みたいにサッカー好きな選手は、試合の事を考えてゲームをやるでしょうね。
対戦相手のフォーメーションや自分たちのシステムをゲームに落とし込んでみて、試合してみてどういうミスマッチ、ギャップが生まれるか試す選手もいれば、純粋にサッカーが楽しくて遊んでいる選手や、DFだからゲームではFWでバンバン点を取ってストレスを発散している選手、あとは好きな選手を使いたい、自分の理想のチームを作りたいという選手もいると思います。
僕自身はCBだったので、自分のポジションをFWに変更して遊んでいました。ただ足は遅いしドリブルもできない、ヘディングだけだったからとにかくクロスを上げて点を取るという遊び方をしていました(笑)
――:ゲームで遊ぶ時は自身の経験を生かしてプレイするんですか? それともやれなかった事をやる?
中澤 11人vs11人で遊べるようなサッカーゲームだと自分の経験、サッカー観をいかしたプレイになりますが、そうじゃないゲームだったら楽しくなっちゃうのでバンバン点を取りにいきたくなりますね。あと、今は両ウイングいるシステムだけど、昔のオーソドックスな4-4-2はどうかなとか、昔のシステムをゲームで試してみたいですね。
――:過去に『FM』シリーズで遊んだことはありますか?
中澤 以前、(栗原)勇蔵と遊んだ事がありますが難しいですよね。今までのゲームと違って、プレイヤーが見なければいけないポイントがたくさんあって、本当に監督目線でチームマネージメントをやらないといけない。試合を始めるまですごく時間がかかりますよね。リアルなサッカーチームを率いるのと同じくらいリアリティがあるので、やったらやったですごくのめり込むし面白いです。シーズンを通して色々な事も起きるし、非常に奥が深くて、やればやるほど色々な事に気づくと思います。
例えばJリーグを目指すクラブはたくさんあって、これから社会人クラブを起ち上げたいと思っている方は『FM』をプレイしたほうがいい。色々な事が『FM』で想定できるので、参考になると思いますよ。選手もプレイする事で監督や上の立場の事が理解できると思うし、選手目線でも勉強になると思います。
――:実際ヨーロッパの選手やスカウトは次のシーズンどうするか『FM』を参考にしているそうです。
中澤 リアルなクラブ経営と一緒でスカウトひとつとってもどの国に強いとかあると思うので、ゲームだけどひとつのコンテンツとしてサッカーの勉強をしたい人にはおススメです。学校の授業でもやればいいと思いますね。定期的にみんなでデータをもちよって発表したりして。そうすればサッカー熱も上がるだろうし、サッカーがわからない子もあの手この手を考えたり、子ども同士でゲームについてディスカッションできる。授業に出る子も増えると思うからやったほうがいいですよ
――:『FM』は選手の能力値、性格も色々設定されていますが、印象に残っている外国籍選手は?
中澤 助っ人外国籍選手はあくまで助っ人なんです。遊んでいようが何しようが結果を残せばまず文句は言われません。ただ、今のJリーグは、それだけではダメ。点をとるだけじゃなく、ハードワーク、献身性が求められるので、おそらくメンタル的な部分、性格的な部分も考えないといけない。能力が高くてメンタルも兼ね備えていないと、今のJリーグではサブにまわります。0-0で迎えている中でひとりがさぼると破綻するのが今のJリーグなので。
そういう意味では、ドゥトラはすごく真面目な選手でしたね。彼は40歳までやっていましたが、昔はマックばかり食べていました。だけどそれをやめて、しっかりとした食事に変えたらパフォーマンスが伸びて、食生活の重要性もわかったので、横浜F・マリノスにとってドゥトラの存在は大きかったです。(中村)俊輔も長く現役を続けられたのはドゥトラの存在が大きかったと話していたし、僕にとっても彼の存在は大きかったし参考にしていました。
――:今シーズン、マリノスは優勝争いには絡めず、ヴェルディはJ1昇格から躍進していますが、両クラブをどうみていますか?
中澤 ヴェルディは僕がいた頃とは違うチームになっていますね。練習環境も僕の時とは違うし、やっているサッカーもみんな上手いけど、城福さんがいることによってハードワークできないといけない。圧倒的な個の能力でやっていた当時とは変わっていますね。Jリーグ自体もハードワークできないとダメというのが特徴になっている中で、城福さんは引き分けが続いたり失点が多かったらシステムを少し変えたりして、うまくマネージメントしていると印象です。
マリノスに関しては外国籍選手が多いから、マネージメントする上では大変だと思います。ハードワークをやれといってもやらない選手、点を取りたいという選手もいるわけです。ただチームとして守らないといけない時にマリノスはどうしてもリスクのあるサッカーをやっている。全員が攻撃に絡むサッカーは全員が守備もしないとどこかに穴が生まれます。その穴を埋めるために日本人だけでやるのか? 外国籍選手を特別扱いするのか? そういう中でチームをうまく回していかなければいけないけど、監督も変わったりして難しい状況の中でがんばっていると思います。本来なら監督自身もキャンプからできていればという考えはあると思います。そういう意味で大変なシーズンだったのかなと。
――:中澤さんは今後サッカー界で指導者になりたいとか発展させたいとか野望はあるんですか?
中澤 僕は今、ラクロスに携わっているので、あのアマチュア感をなんとかしたいなと思っています。ラクロスって大学の決勝とか日本一を決める大会でもお客さんが入らない。選手たちも自費で代表活動をしているので、そこも何とかしたいなという野望はありますね。
サッカーが嫌いという事ではないですが、サッカーに関しては放っておいても考えてくれる人がたくさんいて発展していくと思う。けど、ラクロスは考える人が少ない。誰かがやらないと競技人口がどんどん減ってしまう。ラクロスに対して何かできないかなと思い、いまは自分が培ってきた経験をラクロス界に伝えていければと考えています。
過去アマチュアでもがんばってプロ化している競技もあるので、ラクロスもまずはクラブを企業チームにしたいですね。セガさんや日産とか(笑)、企業さんがラクロス部を持ってくれるようになる所までいければいいですね。もし企業さんが興味をもっていただけたら、僕はいくらでも走り回りますのでよろしくお願いします。
【中澤佑二 プロフィール】
恵まれた体格と勝負強さを持ち味とし、日本代表でも長年中心選手として活躍。出場数は、110試合を記録している。2010 FIFAワールドカップの開幕前までキャプテンを務めていた。
Jリーグでは、2012年9月29日の大宮戦から、フィールドプレーヤーとしてはトップの199試合に連続出場。さらに2013年7月6日の大分戦から2018年8月15日の名古屋戦まで178試合連続フル出場という記録を持つ。
2018シーズンをもって現役を引退し、現在はサッカー解説を中心に幅広く活動している。
公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCAs_CEaNwB2fvZbTqeQtPgg
公式Instagram:https://www.instagram.com/bomber22_official/
◆『Football Manager 25(フットボールマネージャー 25)』
商品名:Football Manager 25(フットボールマネージャー 25)
対応機種:PC(Steam / Epic Games Store / Windows) / Mac
発売日:2025年3月 配信予定
希望小売価格:7,264円(税込7,990円)
商品名:Football Manager 25 Console(フットボールマネージャー 25 コンソール)
対応機種:PlayStation5 / Xbox Series X|S
発売日:2025年3月 配信予定
希望小売価格:7,264円(税込7,990円)
商品名:Football Manager 25 Touch(フットボールマネージャー 25 タッチ)
対応機種:Nintendo Switch
発売日:2025年3月 配信予定
希望小売価格:4,536円(税込4,990円)
商品名:Football Manager 25 Mobile(フットボールマネージャー 25 モバイル)
対応機種:Netflix(※サブスクリプションサービスへの加入が必要)
発売日:2025年3月 配信予定
ジャンル:サッカークラブ経営シミュレーション
プレイ人数:1人
発売・販売:株式会社セガ
CERO表記:審査予定
著作権表記:
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会社情報
- 会社名
- 株式会社セガ
- 設立
- 1960年6月
- 代表者
- 代表取締役会長CEO 里見 治紀/代表取締役社長執行役員COO 内海 州史/代表取締役副社長執行役員Co-COO 杉野 行雄
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1916億7800万円、営業利益175億3900万円、経常利益171億9000万円、最終利益114億8800万円(2023年3月期)