CRI・ミドルウェア、24年9月期の研究開発費は15.7%減の1億5900万円…「CRI ADX」「CRI Clovis」「CRI SOLIDAS」など
CRI・ミドルウェア<3698>の2024年9月期の研究開発費は、前の期比15.7%減の1億5900万円だった。内訳は、ゲーム事業が1億2600万円、エンタープライズ事業が3200万円だった。
主な研究成果として、ゲーム事業では、音声技術として「CRI ADX」の立体音響機能を強化し、ヘッドフォン向けに高品位な音像定位と音空間をデザインできる機能を搭載した。これによりゲームや通話アプリにおいて耳元で声が聞こえたり、音の位置を認識して話者を特定したりできる機能を簡単に組み込むことができる。
映像技術としてネットワーク動画再生機能を新製品「CRI Clovis」に組み込んだ。従来はさまざまなプラットフォームごとにネットワーク通信機能・暗号化機能・動画再生機能を開発する必要があった。「CRI Clovis」ではこれらの機能を同社の持つ抽象化技術により隠蔽し、顧客は本来実現したかったことに注力することができる。
また、エンタープライズ事業では、音声技術として、昨年発表した「CRI SOLIDAS」の量産製品への組み込みをあげた。「CRI SOLIDAS」は組込み分野の音響機器向けの製品。従来必要であった多くの専用ICを少ない汎用部品に置き換え、製品の省スペース化・省電力化に貢献する。さらにフルデジタル化による低ノイズ・高音質など品質向上にも寄与するという。
(1)研究開発方針について
音声・映像・画像分野の最新技術動向や各業界が抱える課題を把握しつつ、製品化を見据えた研究開発を行っている。また、顧客や見込み顧客と接する中で、必要とされる技術、必要とされそうな技術テーマについても取り組んでいる。
(2)研究開発分野について
音声・映像・画像にかかわる技術を核として、ゲーム向けや、ネットワーク通信関連の研究開発を進めている。既に提供中のツール・ミドルウェアについても、新規プラットフォームの対応や、機種固有機能の活用などの研究開発を行っている。また「SDV(Software Defined Vehicle)」などに代表される従来とは異なるモノづくりを、同社が持つソフトウェア技術とハードウェア技術で支えられるように研究開発を進めていく。
(3)研究開発体制について
各開発チームが担当する顧客分野において、必要とされる技術を中心に開発本部長が方針を決定し、研究開発を進めている。開発チーム間での情報共有を行い、研究成果は他分野への活用も模索する。製品化の目途が立った段階で、経営判断を行い製品開発にシフトする。また、研究開発の後に顧客との受託契約を締結し、受託開発に移行する場合もある。
会社情報
- 会社名
- 株式会社CRI・ミドルウェア
- 設立
- 2001年8月
- 代表者
- 代表取締役会長 鈴木 正彦/代表取締役社長 押見 正雄
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高31億6700万円、営業利益3億6800万円、経常利益3億8300万円、最終利益3億400万円(2024年9月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3698