GENDA<9166>は、この日(4月9日)、連結子会社である Kiddletonが、アミューズメント施設の運営等を行う Player One Amusement Groupをグループ企業に持つ Pixel Intermediate Holding Corporationの株式の100%を取得し、連結子会社すると発表した。アドバイザリー費用などを含めて260億1600万円で7月1日に取得するとのこと。株式取得にあたって手元資金と借入金で充当する予定。
Kiddleton は、従来は米国の市場に存在しなかった日本式の小型プライズゲーム機と、日本風の「Kawaii」デザインのプライズ(景品)を取り扱っている。Kiddletonは 2024 年 11 月に National Entertainment Networkを傘下に有する Claw Holdingsの持分の100%を取得した。NEN は全米をカバーする約1万箇所のミニロケ拠点網を有し、Kiddleton による持分取得後は、従来米国において手に入りづらかった日本のプライズを全米に届ける巨大プラットフォームとなっている。
同社グループは、NEN のグループイン直後から既存のプライズゲーム機から Kiddleton 式のプライズゲーム機への入替等の施策を推進している。その結果、入替を実施したミニロケの売上高は、入替前と比較し大きく伸長し、PMI を実施した店舗の平均売上高は約3倍となっているという。
PLAYER ONE は1975年に創業し、北米地域においてアミューズメント施設の運営等を手掛けてきた。2012年よりカナダで映画館の運営などを手掛けるエンターテイメント企業である Cineplex Inc.の傘下にあったところ、2024年2月にプライベートエクイティファンドである Open Gate Capital 社により M&Aされた。
PLAYER ONE は、Route Operations 事業と Sales & Distribution 事業を手掛けている。Route Operations 事業ではゲームセンター104店舗、ミニロケ約2,000箇所を運営し、中でも映画館やFEC(Family Entertainment Center)等の大型エンターテイメント施設への出店に強みを有している。Sales & Distribution 事業では、ゲーム機等の販売及び卸売を手掛けている。
これまで Kiddleton や NEN が手掛けてきた食品スーパーやモールの空きスペースに設置するミニロケは省スペースでも開店が可能で、小規模ゆえ投資金額も限定的であるため投資回収期間が早いビジネスモデルだったが、PLAYER ONE は1拠点当たりのゲーム機の設置台数が多く、長期的な契約が見込める拠点の展開に強みを有しているため、安定的に一定規模のキャッシュフローを創出することができる。この M&A により、2027年1月期の北米における同社グループの売上高は、単純合算による試算値ベースで、合計約3億米ドル(約440億円)となり、北米比率は約25%を占めるものと試算されるという。
同社グループが PLAYER ONE を取得した後は、NEN に対する PMI 施策と同様、PLAYER ONE が持つ巨大なネットワークにミニクレーンの設置や「Kawaii」景品の他、今後予定されている日本アニメ IP も含めた同社グループならではの景品を導入し、更なる売上の増加を見込んでいる。
さらに Kiddleton が有するノウハウの共有、メンテナンスネットワークの統合、現金回収やプライズ補充などのオペレーションの統合、及びゲーム機器調達機能の活用等、経営の効率化も進めていく。これらの施策を実行することにより、直近決算期である2024年12月期実績で800万米ドル(約26億円)であった調整後 連結償却前営業利益は、中長期的には3500万米ドル(約52億円)まで向上することを期待しているという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社GENDA
- 設立
- 2018年5月
- 代表者
- 代表取締役会長 片岡 尚/代表取締役社長 申 真衣
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高1117億8600万円、営業利益79億6500万円、経常利益73億0500万円、最終利益33億0400万円(2025年1月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 9166