コーエーテクモHD、25年3月期決算は売上高1％減、営業益12％増　的確な運用で営業外収支は過去最高　「AAAスタジオ」が『ゼルダ無双 封印戦記』を開発中

• コーエーテクモホールディングス<3635>は、4月30日、2025年3月期の連結決算を発表、売上高は前年同期比微減となったものの、自社パブリッシングの新作が増加し、バックカタログなどのダウンロード販売が伸長したことに加え、運営タイトルのコスト削減を進めたことなどで2ケタ超の営業増益を達成した。

  なお、金融市場を注視しながら機動的な運用を行ったことで、営業外収支と経常利益、最終利益は過去最高を更新した。

  売上高831億5000万円（前年同期比1.7％減）
  営業利益321億1900万円（同12.7％増）
  経常利益499億8800万円（同9.3％増）
  最終利益376億2800万円（同11.4％増）

  各セグメントごとの状況は以下のとおり。

  ①エンタテインメント事業　売上高780億7800万円（前々期比1.8％減）、セグメント利益314億7900万円（同11.2％増）
  ・「シブサワ・コウ」ブランド
  10月に『三國志8 REMAKE』、3月に『Winning Post 10 2025』を発売した。スマートフォンタイトルでは、『三國志 覇道』『信長の野望 覇道』が収益に貢献した。

  ・「ω-Force」ブランド
  「真・三國無双」シリーズの最新作『真・三國無双 ORIGINS』とローグライト無双アクション『無双アビス』を発売した。『真・三國無双 ORIGINS』は全世界累計出荷本数が100万本、体験版が200万ダウンロードを突破した。

  ・「Team NINJA」ブランド
  2月に『NINJA GAIDEN 2』のリマスタータイトル『NINJA GAIDEN 2 Black』、3月にイマーシブ恋愛アドベンチャー『Venus Vacation PRISM - DEAD OR ALIVE Xtreme -』の2タイトルを発売した。また、『Rise of the Ronin』のSteam版を3月に配信開始した。

  ・「ガスト」ブランド
  12月に『FAIRY TAIL2』を発売した。3月には「アトリエ」シリーズの新タイトル『ユミアのアトリエ ～追憶の錬金術士と幻創の地～』を発売し、シリーズ最速で世界累計出荷30万本を突破した。

  ・「ルビーパーティー」ブランド
  ネオロマンス30周年を記念したイベント「ネオロマンス 30th Anniversary ～アンジェリーク＆遙かなる時空の中で～」を1月に開催した。

  ・「midas」ブランド
  位置情報ゲーム『信長の野望 出陣』でコラボご当地イベント、ゲーム内キャンペーン、1.5周年を記念した施策などを実施した。

  ・「AAAスタジオ」
  新規タイトル『ゼルダ無双 封印戦記』（Nintendo Switch 2用）の開発に注力した。
  ※ 『ゼルダ無双 封印戦記』の海外における発売元は任天堂<7974>となる。

  ・IP事業
  『三国志・戦略版』（国内では『三國志 真戦』）が引き続き収益に寄与した。

  ②アミューズメント事業　売上高41億5000万円（同5.9％増）、セグメント利益5億円（同25.7％減）
  アミューズメント施設では新店1店舗を出店するとともに、既存店売上高が好調に推移した。スロット・パチンコでは液晶ソフト受託開発に取り組み、開発受託3タイトルが稼働を開始した。

  ③不動産事業　売上高12億3400万円（同2.4％増）、セグメント利益3億400万円（同101.3％増）
  ライブハウス型ホールKT Zepp Yokohamaは高い稼働率となり、本施設の売上高は過去最高となった。

  ④その他事業　売上高3億1800万円（同18.3％減）、セグメント損益1億6400万円の赤字（前々期6億3500万円の赤字）
  ベンチャーキャピタル事業において、ファンドの管理費用が発生した。

• ■今期は2ケタ増収ながら減益の見込み
  

• 2026年3月期通期の連結業績予想については、以下のとおり。

  複数の新作タイトルの発売を予定しているものの、中長期に向けた開発投資が先行することや昨今の金融資本市場の状況を踏まえ、増収減益を見込んでいる。

  売上高920億円（前期比10.6％増）
  営業利益310億円（同3.5％減）
  経常利益370億円（同26.0％減）
  最終利益270億円（同28.2％減）

※過去12四半期分の四半期業績推移のグラフを追加しました。