バンダイナムコHD、25年3月期決算は営業益98%増の1802億円と大幅増益 売上、利益とも過去最高 玩具・ゲーム中心に全事業が増収増益
バンダイナムコホールディングス<7832>は、5月8日、2025年3月期の連結決算を発表し、売上高1兆2415億1300万円(前の期比18.2%増)、営業利益1802億2900万円(同98.7%増)、経常利益1864億7000万円(同79.0%増)、最終利益1293億0100万円(同27.4%増)と売上、利益ともに過去最高となった。
・売上高:1兆2415億1300万円(同18.2%増)
・営業利益:1802億2900万円(同98.7%増)
・経常利益:1864億7000万円(同79.0%増)
・最終利益:1293億0100万円(同27.4%増)
全ての事業が前年同期比で増収増益となった。IP軸戦略を核に各地域や事業を横断・連携しALL BANDAI NAMCOで一体となった取り組みを強化した。事業面では、デジタル事業及びトイホビー事業の業績が利益率の高い商品・サービスのヒット等により大きく伸長したほか、IPプロデュース事業とアミューズメント事業も好調に推移した。
■デジタル事業
売上高は4556億3300万円(同22.3%増)、セグメント利益は685億2700万円(同995.1%増)となった。
ネットワークコンテンツにおいて、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」等の主力アプリタイトルがユーザーに向けた継続的な施策により国内外で引き続き安定的に推移したほか、新作アプリタイトル「学園アイドルマスター」が好調に推移した。
家庭用ゲームにおいては、「ELDEN RING」の大型ダウンロードコンテンツ「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」や新作タイトル「ドラゴンボール Sparking! ZERO」がワールドワイドでヒットしたほか、「ELDEN RING」のリピート販売が好調に推移した。
なお、前の期は、オンラインゲームの評価損、開発中のタイトルの処分損が計上されていたため、その反動もある。
また、2025年4月からの中期計画に向けて、クオリティを重視したファンの期待に応えるタイトル開発を目指し、バランスの取れた最適なタイトルポートフォリオの構築、開発体制の強化に取り組んだ。
■トイホビー事業
売上高は5969億3300万円(同17.1%増)、セグメント利益は1022億0200万円(同29.9%増)となった。
映像配信の普及等によってグローバル市場における日本IPの人気が拡大していることを受け、国内外で展開カテゴリーの拡大、リアルイベントや店舗によるタッチポイントの拡大、生産体制の強化等をはかったことにより、引き続き好調に推移した。
具体的には、ガンプラ(ガンダムシリーズのプラモデル)やコレクターズフィギュア、一番くじ(キャラクターくじ)等のハイターゲット(大人)層向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化により好調に推移した。
また、「ONE PIECE」や「DRAGON BALL」シリーズのトレーディングカードゲーム等のカード商材、ガシャポン(カプセルトイ)、菓子・食品等が商品ラインナップやターゲット層、展開地域の拡大に加え、顧客とのタッチポイントの強化等により業績に貢献した。今後もトイホビー事業においては、引き続きグローバル展開の拡大と、拡大を支える生産体制や販売網等の強化を推進する。
■IPプロデュース事業
売上高は907億3800万円(同10.0%増)、セグメント利益は117億7800万円(同17.2%増)となった。
ガンダムシリーズ劇場公開作品の中で歴代No.1となった「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」や、「ブルーロック」の新作劇場作品の興行収入が業績に貢献した。また、ガンダムシリーズや「ブルーロック」をはじめ、「ラブライブ!」シリーズ、「転生したらスライムだった件」等のグローバル展開や映像配信、ライセンスビジネスが好調に推移した。さらに、リアルなエンターテインメント需要の高まりに伴い、ライブイベントやパッケージの販売等が好調に推移した。IPプロデュース事業では、今後も映像や音楽を通じIP軸戦略の核となる良質なIPの創出を強化する。
■アミューズメント事業
売上高は1414億8500万円(同18.2%増)、セグメント利益は84億3800万円(同23.3%増)となった。
国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同期比で105.3%となった。また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携したバンダイナムコならではの施設やアクティビティ施設が好調に推移した。業務用ゲームにおいては、新製品や定番機器の販売等が安定的に推移した。アミューズメント事業においては、グループの商品・サービスの認知を拡大するためのファンとのタッチポイントの役割をさらに強化するとともに、燃料価格の上昇等の外部環境の変化も踏まえ、引き続き効率化に取り組む。
■その他事業
売上高は362億2400万円(同11.9%増)、セグメント利益は16億7100万円(同69.2%増)となった。
グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。
■2026年3月期の見通し
2026年3月期の業績は、売上高1兆2000億円(同3.3%減)、営業利益1450億円(同19.5%減)、経常利益1490億円(同20.1%減)、最終利益1000億円(同22.7%減)、EPS154.51円を見込む。株価収益率は32.7倍となる。
・売上高:1兆2000億円(同3.3%減)
・営業利益:1450億円(同19.5%減)
・経常利益:1490億円(同20.1%減)
・最終利益:1000億円(同22.7%減)
・EPS:154.51円
セグメント別の想定は以下のとおり。デジタル事業が減収減益を想定しているとのこと。映画音楽も2ケタの減益を見込んでいるという。
【トイホビー】
・売上高:6000億円(同0.5%増)
・セグメント利益:1050億円(同2.7%増)
【デジタル】
・売上高:3900億円(同14.4%減)
・セグメント利益:400億円(同41.6%減)
【映画音楽】
・売上高:900億円(同0.8%減)
・セグメント利益:105億円(同10.2%減)
【アミューズメント】
・売上高:1500億円(同6.1%増)
・セグメント利益:95億円(同13.0%増)
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 浅古 有寿
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832