マーベラス、25年3月期決算は営業利益24%減の18億1700万円…AM筐体の入替費用やアニメコンテンツの償却、IP育成投資で

マーベラス<7844>は、5月9日、2025年3月期の連結決算を発表し、売上高279億6300万円(前の期比5.2%減)、営業利益18億1700万円(同24.7%減)、経常利益18億円(同40.1%減)、最終利益8億1800万円(前の期は5億1700万円の損失計上)と減収・営業減益となった。最終利益については黒字に転じた。

・売上高:279億6300万円(同5.2%減)
・営業利益:18億1700万円(同24.7%減)
・経常利益:18億円(同40.1%減)
・最終利益:8億1800万円(同5億1700万円の損失計上)

同社では、コンシューマ基幹タイトルの発売が前期と比べて少なかったことや、舞台映像関連収入の減少等により、売上高は前期を下回った、としている。利益面では、減収に加え、アミューズメント筐体の新旧入れ替え費用を計上したことや音楽映像事業における一部アニメのコンテンツ資産の一括償却、IP育成にかかる投資損失がかさんだことが響き、営業減益となった。

なお、最終利益においては、一部不振の海外アミューズメント筐体資産(※)を減損損失として特別損失に計上したものの、前期の会計上の見積りの変更に伴う特別損失の解消により、黒字回復したという。

中国で展開していたNARUTOと見られる[関連記事]。当初は順調に拡大しているとコメントしたが、当初想定していた収益の進捗に大きな後れが生じており、計画値の達成は困難であると判断したことから、今後収益が見込めないと認められた資産について減損損失を計上したという。

 

 

■デジタルコンテンツ事業

売上高は128億9800万円(同16.4%減)、セグメント利益は9億3700万円(同97.6%増)となった。

新作オリジナルタイトルとして2024年11月1日に『FARMAGIA(ファーマギア)』を発売したが、当初販売計画を大きく下回る結果となり、また、基幹タイトルの発売が本作のみであったことから、売上は昨年比で大幅に減少した。一方、前期末に実施した会計上の見積りの変更により研究開発費が増加したが、売上原価が大きく減少したことで、利益は大幅に改善した。

オンライン部門においては、2024年4月19日に配信を開始した新作スマートフォン向けゲームアプリ『ビックリマン・ワンダーコレクション』が順調に立ち上がり、収益寄与した。また、既存タイトルにおいては、経年により売上が減少したものの、コラボイベント等の各タイトルの施策が堅調に推移し、計画を上回る推移となり、業績貢献した。

 

 

■アミューズメント事業

売上高は104億4600万円(同15.8%増)、セグメント利益は26億8500万円(同13.6%減)となった。

ポケモンキッズアミューズメントマシンの最新作『ポケモンフレンダ』を2024年7月11日より稼動開始し、同年9月、11月、2025年2月に新弾となる「2~4弾」をそれぞれ展開した。歴代ポケモンキッズアミューズメントマシン最速となる約1ヶ月で「フレンダピック」(配出物)の配出枚数が1000万枚を突破するなど、順調な立ち上がりとなった。海外『ポケモンガオーレ』についても好調に推移し、筐体入れ替え前の稼動最終年ながら、前期を上回る業績となった。また、新コンセプトのクレーンゲーム機『TRY CATCH(トライキャッチ)』を、2024年11月より全国のアミューズメント施設で順次稼動を開始した。

海外売上の拡大や『TRY CATCH』の発売により増収となったものの、国内キッズアミューズメントマシンの新機種入れ替えに伴う費用先行や海外新規ビジネスの一部不振等により減益となった。

 

 

■音楽映像事業

売上高は46億1800万円(同8.3%減)、セグメント損失は4900万円(前の期はセグメント利益5億3100万円)となった。

TVアニメ『刀剣乱舞 廻 -虚伝 燃ゆる本能寺-』を2024年4月から、TVアニメ『女神のカフェテラス』の第2期を同年7月から、プリキュアシリーズのオリジナルTVアニメ『魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~』、TVアニメ『悪役令嬢転生おじさん』及びTVアニメ『FARMAGIA(ファーマギア)』を2025年1月から放送したほか、TVアニメ『わびたふるぷりきゅあ!』をはじめとした「プリキュア」シリーズ関連タイトルや、TVアニメ『望まぬ不死の冒険者』等のパッケージ商品化を行った。

また、劇場版プリキュアの最新作『わびたふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!』が2024年9月13日に公開となり、好調な成績を収めた。

また、「ミュージカル『テニスの王子様』」や「舞台『刀剣乱舞』」、『ワールドトリガー the Stage』、「『Dancing☆Starプリキュア』The Stage」等のシリーズ作品の新作公演や、「舞台『弱虫ペダル』」の最終公演、「ミュージカル『憂国のモリアーティ』」のコンサート公演等を実施し好評を博したほか、今期の新規作品として『演劇【推しの子】2.5次元舞台編』「舞台『魔道祖師』」等の公演を実施した。

ただ、事業全体としては、舞台公演関連のパッケージ販売売上や配信収入が大きく減少し、また、一部アニメ作品の映像コンテンツ資産について将来の回収可能性を厳しく評価した結果、一括償却を行い評価損として原価計上した。さらに、新規IPの育成にかかる投資損失がかさんだことにより、セグメント損失を計上した。

 

 

■2026年3月期の見通し

2026年3月期の業績は、売上高350億円(前期比25.2%増)、営業利益20億円(同10.0%増)、経常利益20億円(同11.1%増)、最終利益14億円(同71.0%増)、EPS23.11円を見込む。株価収益率は20.5倍となる。

・売上高:350億円(同25.2%増)
・営業利益:20億円(同10.0%増)
・経常利益:20億円(同11.1%増)
・最終利益:14億円(同71.0%増)
・EPS:23.11円

 

株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 照井 慎一
決算期
3月
直近業績
売上高279億6300万円、営業利益18億1700万円、経常利益18億円、最終利益8億1800万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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