セガサミーHD、25年3月期決算は「スマスロ北斗の拳」ヒットの反動減で売上高8%減、営業益16%減に 遊技機事業回復で今期は増収・営業増益見込む

  • セガサミーホールディングス<6460>は、5月12日、2025年3月期の連結決算を発表、遊技機事業において前年度にヒットした「スマスロ北斗の拳」の反動減の影響が大きく、前年同期比で減収、営業・経常減益となった。

    なお、最終利益が増益となっているのは、フェニックスリゾート株式の譲渡により特別利益を計上したほか、前期計上した欧州拠点の事業再編損の反動によるものとなる。

    売上高4289億4800万円(前年同期比8.5%減)
    営業利益481億2400万円(同16.8%減)
    経常利益531億1400万円(同11.1%減)
    最終利益450億5100万円(同36.3%増)

    各セグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①エンタテインメントコンテンツ事業 売上高3221億4500万円(前々期比0.5%増)、経常利益418億8600万円(同35.9%増)
    コンシューマ分野は、フルゲームのリピートタイトルや、欧州スタジオが手掛けるタイトルの追加ダウンロードコンテンツの販売が好調に推移した。また、主力IPタイトルである『ソニック ×シャドウ ジェネレーションズ』『メタファー:リファンタジオ』『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』はいずれも順調な販売となった。また、ソニックのキャラクターライセンス収入も、ゲーム、映像作品のヒット等を背景として、順調に成長した。

    なお、『Football Manager 25』の開発中止に伴う損失計上があったものの、コンシューマ分野全体では上記の利益率の高いリピート販売、ダウンロードコンテンツ販売、ライセンス収入などの好調を通じて、損失を補うことができた。

    映像分野は、「ソニック」シリーズの映像作品、劇場版「名探偵コナン」のヒットなどが貢献した。「ソニック × シャドウ TOKYO MISSION」の全世界興行収入は4.9億ドル、劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」は、国内興行収入が158億円を突破し、いずれもシリーズの過去最高となった。

    AM&TOY分野は、プライズカテゴリーを中心に原材料価格の高騰の影響を受けながらも、増収増益となった。

    ②遊技機事業 売上高972億2600万円(同27.1%減)、経常利益209億7700万円(同50.0%減)
    前年度に販売好調だった『スマスロ北斗の拳』の反動減が響いた。また、足元のユーザー嗜好の変化などに対応することで製品力向上を図るため、予定していた主力タイトルなどの投入時期を来期以降に延期した。一方で、グループ初のスマートパチンコとなる「e北斗の拳10」は販売台数3.5万台を超えるなど、複数タイトルの販売が想定を上回ったことなどから、経常利益200億円超を確保した。

    ③ゲーミング事業 売上高54億7100万円(同172.6%増)、経常利益21億8600万円(前々期4億2100万円の赤字)
    ゲーミング機器販売は、米国向けに2024年1月より導入を開始したビデオスロットマシンの新筐体「Genesis Atmos」対応の「Railroad Riches」が高稼働を記録し、市場からの高い評価を得て販売が好調に推移した。韓国の「パラダイスシティ」においては、カジノにおいて引き続き日本人VIP客のドロップ額(チップ購入額)が高い水準を維持したことや、ホテルにおいても韓国国内での需要増加傾向が継続し、高い稼働率・宿泊単価を維持し好調に推移したことから、2024年1月~12月の売上高及び営業利益が開業以来最高を記録したことに加えて、繰延税金資産の計上まどもあり、持分法取込額は想定を上回る利益貢献となった。
    ※PARADISE SEGASAMMYは12月決算のため3ヵ月遅れで計上

  • ■2ケタ超の増収・営業増益を見込む

  • 2026年3月期通期の連結業績予想については、以下のとおりで2ケタ超の増収・営業増益を見込んでいる。

    遊技機事業がけん引し、前期比で増収増益となる見込み。エンタテインメントコンテンツ事業は、引き続き新作タイトルの投入を進めるほか、トランスメディア展開を通じて、「ソニック」などの主要IPの成長に努めていく。遊技機事業においては、パチスロにおいて複数の主力タイトル投入を予定している。

    売上高4750億円(前期比10.7%増)
    営業利益530億円(同10.1%増)
    経常利益560億円(同5.4%増)
    最終利益375億円(同16.8%減)

※過去12四半期分の四半期業績推移のグラフを追加しました。

セガサミーホールディングス株式会社
http://www.segasammy.co.jp

会社情報

会社名
セガサミーホールディングス株式会社
設立
2004年10月
代表者
代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
決算期
3月
直近業績
売上高4289億4800万円、営業利益481億2400万円、経常利益531億1400万円、最終利益450億5100万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6460
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