
カヤック<3904>は、この日(9月11日)、グローバルで急成長を遂げるゲーム内音声広告プラットフォームを開発・提供するSonic Odeeo Ltd.に対し、2025年9月4日付で米ドル100万ドル(約1億5000万円)の出資を実施したことを明らかにした。この出資は、日本企業として初めてOdeecoへの参画であり、カヤックの推進するコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)活動の一環となる。
今回の出資により、Odeeoはグローバル市場での事業拡大および音声広告プラットフォームのさらなる開発を加速させるとともに、日本市場への本格導入も視野に入れている。カヤックは、自社のハイパーカジュアルゲーム事業においてOdeeoの技術を活用し、プレイヤーの体験を損なわない新たな収益モデルの構築と、国内外における広告収益拡大を目指す。
■Odeooについて
Odeeoは、モバイルゲームに特化した音声広告技術を開発・提供し、従来のフルスクリーン広告に代わる「ゲーム体験を妨げない広告フォーマット」として世界的に注目を集めている。すでに欧米や中東を中心に1500タイトル以上のモバイルゲーム及び主要モバイルゲーム会社に導入され、急速にプレゼンスを拡大している。
また、ゲーム分野のトップVCである Play Venturesや韓国最大級のアーリーステージ投資ファンドのひとつである Atinum Investmentなども出資しており、これまでの総調達額は1500万ドル(約22億円)に達しているという。
■出資の背景と狙い
モバイルゲームにおける音声広告は、BGMのように自然に再生できるため、従来のコンテンツ遮断型広告に比べてプレイヤーの体験を損なわずに広告効果を発揮できる新たな広告手法として注目を集めている。
2029年のゲーム内広告市場は約24兆円規模に達すると見込まれており、そのうちOdeeoは音声ベースの非侵入型広告市場を約1200億円規模と想定しているという。
カヤックでも、2025年に自社のハイパーカジュアルゲーム『Eating Simulator』で、Odeeoの広告フォーマットを試験導入した結果、広告収益が約4%増加する結果が確認した。ゲーム進行を止めずに収益化を図れる設計は、継続率への影響を最小限に抑えつつ収益向上を実現できる点で有効であると考えている。
■今後の展望
今回の出資を通じ、カヤックは以下の取り組みを推進していく。
・Odeeoと連携し、日本市場におけるゲーム内音声広告の普及を加速
・自社タイトルへのさらなる導入・収益モデル拡大
・国内外のパートナー企業との協業強化による成長戦略の実現
会社情報
- 会社名
- 株式会社カヤック
- 設立
- 2005年1月
- 代表者
- 代表取締役CEO 柳澤 大輔/代表取締役CTO 貝畑 政徳/代表取締役CBO 久場 智喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高167億2700万円、営業利益3億5800万円、経常利益3億8800万円、最終利益1億4900万円(2024年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3904