オーバーラップHD、成長可能性に関する資料を公開…IP創出とメディアミックス展開の強化、海外収益拡大で高成長を狙う

オーバーラップホールディングス<414A>は、本日(10月3日)、「事業計画及び成長可能性に関する事項」を公開した。同社は、2022年5月に設立され、マンガ、ライトノベル、アニメを中心にIPビジネスを展開する企業。2011年セチルつのオーバーラップを主要な事業子会社とし、電子マンガ配信事業を行うオーバーラップ・プラスをグループ会社に持つ。

■主な事業内容とビジネスモデル
同社は、マンガ、ライトノベル、アニメを中心に事業展開するIPパブリッシャーであり、自社IPと他社IPの両方を取り扱っている。

「小説投稿サイト」や「SNS」などのUGC(ユーザー生成コンテンツ)から有望なアマチュア作品を編集者が見極め、磨き上げることでIPをソーシングする。

ソーシングしたIPは、ライトノベル化、マンガ化、アニメ化といったメディアミックス戦略を通じてIP価値の最大化を図っている。アニメ化は原作の人気を大幅に拡大させ、IP当たりの売上高を増加させるブースト効果を生み出すことができる。

継続的なIPの創出と過去創出IPの積み上がりにより、少数のIPに依存しない継続的な成長を実現している点も特徴だ。新刊が出版されると既存刊も売れ続ける相乗効果がある。

編集者の早期戦力化を可能とする独自の編集プロセスを持ち、チーム単位での編集体制と既存のストーリーをベースにマンガ化する手法により、未経験者でも高い再現性で早期に戦力化できる。
■成長戦略
成長戦略として、IP創出力の強化をあげた。 編集者の積極的な採用と育成、創出IPジャンルの拡大(既存ジャンルの強化と新規ジャンル拡大)、IP創出の多様化(ライトノベルを経由しないマンガ発IPの創出増加など)により、総IP数の極大化を目指す。


メディアミックスの強化もIPの価値向上につながるという。アニメ化タイトル数の増加、アニメ化IPのシリーズ化(2期以降の放送)、ゲーム化などの他メディア展開により、主力IPの売上拡大と収益サイクルの長寿化を実現する。

海外収益の拡大も狙う。海外ライセンスアウトの拡大に注力し、国・地域ごとにパートナー企業(現地出版社)を拡大する。将来的には海外へのダイレクトパブリッシングの可能性も模索している。

このほか、アニメ事業の拡大、M&Aを通じた非連続な成長、ゲーム発IPなどIP創出の多様化も中長期的なビジョンとして掲げている。
■業績ハイライト
売上収益は順調に成長しており、特に電子マンガの売上は国内電子マンガ市場を上回るCAGR48.4%(2019年8月期~2024年8月期)で推移している。

2024年8月期の売上収益は84億円、調整後EBITDAは36億円、ROEは29.7%、電子売上比率は73.6%だった。

主力IP(年間売上億2500万円超の自社IP)数は着実に増加し、主力IP売上もCAGR13.5%(2021年8月期~2024年8月期)で拡大している。
■上場の目的
新規上場の目的として、社会的信用・知名度の向上による事業パートナーの開拓や案件機会の創出のほか、優秀な人材(特に編集者)の確保および従業員の士気向上を通じた経営体制の強化、将来的な資金調達手段の多様化(M&Aや作品投資に必要な資金調達)及び既存株主の売却機会の提供をあげた。

会社情報
- 会社名
- 株式会社オーバーラップ
- 設立
- 2012年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 永田 勝治/代表取締役副社長 原田 直樹
会社情報
- 会社名
- オーバーラップホールディングス