ビーグリー<3981>は、11月14日、2025年12月期の第3四半期累計(1~9月)の連結決算を発表、広告戦略を見直して既存ユーザーの定着・育成に注力したものの、第2四半期までの既存ユーザー向けの広告宣伝費の削減による影響をカバーするには至らず、減収減益となった。
売上高126億8800万円(前年同期比11.0%減)
営業利益10億300万円(同28.9%減)
経常利益9億6800万円(同29.3%減)
最終利益4億8600万円(同32.8%減)
各セグメント別の状況は以下のとおり。
①プラットフォームセグメント 売上高80億6700万円(前年同期比11.8%減)、営業利益2億4300万円(同45.5%減)
主力サービスであるコミック配信サービス「まんが王国」は、ユーザーの訪問・定着・課金の流れを促し、課金者数と顧客単価を上げるべく、「お得感No.1」戦略による課金意欲の高いロイヤルカスタマーへの育成を継続するとともに、「まんが王国」内にて、一定時間経過するごとに1話が無料で読めるサービス「待ちコミ」の提供を開始し、幅広いユーザー層獲得のための販売促進活動を積極的に行った。
一方で、ライトユーザーの獲得・定着を図るため、前期よりライトユーザーを中心とした広告運用を行い、新規ユーザーの獲得が進んだ半面、当初の想定よりヘビーユーザーが減少した結果、「まんが王国」の売上高は前年同期比12.0%減となった。
また、2025年3月には同社オリジナル作品「夜蜘蛛は蜜をすう~結婚詐欺師と堕ちる女~」を原作としたショートドラマが、ショートドラマアプリ「BUMP」にて配信された。このほか、オンライン動画配信サービス「Hulu」を運営するHJホールディングスと提携し、2025年10月より「Hulu」にて電子コミックの提供を開始した。
②コンテンツセグメント 売上高48億3400万円(同7.9%減)、営業利益7億5900万円(同21.2%減)
デジタルコンテンツを中心に、発刊点数の増加、電子書店ごとの特性や読者ニーズに沿った販売促進活動を積極的に行った。また、紙出版においては、紙出版市場の縮小を鑑み、配本部数の管理および価格設定などのコストコントロールを実施した。
デジタル出版においては、読者の嗜好性に合わせたコンテンツの創出とジャンルの拡大を推進した一方で、新刊のヒットによる売上の押し上げ効果が限定的となったことなどから、売上高は前年同期比0.5%減となった。紙出版においては、配本部数のコントロールおよび雑誌の隔月化や休刊を実施した結果、売上高は前年同期比27.3%減となった。
このほか、2025年4月にはぶんか社から2作品がテレビドラマ化され、「黒弁護士の痴情 世界でいちばん重い純愛」がTOKYO MXにて放送、「子宮恋愛」が読売テレビにて放送された。また、2025年10月には「じゃあ、あんたが作ってみろよ」がTBSテレビにて、「娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?」が関西テレビ放送にて、「橘くん 抱いてください! ハジメテの相手は同僚王子!?」がTOKYO MXにて、それぞれ放送された。
■前回発表予想から変更なし
2025年12月期通期の業績予想については、第2四半期決算の発表と同時に発表されて修正予想から変更なく、以下のとおり。
売上高164億6300万円(前年同期比10.8%減)
営業利益14億1800万円(同20.6%減)
経常利益13億6400万円(同21.0%減)
最終利益6億3600万円(同51.1%減)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ビーグリー
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 吉田 仁平
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高184億4600万円、営業利益17億8600万円、経常利益17億2600万円、最終利益13億300万円(2024年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3981