公正取引委員会は、12月9日、ライバー事務所4社に対し、独占禁止法第19条の不公正な取引方法の規定の違反につながるおそれがあるとして、AEGIS GROUP、Colors、321、WASABIの4社に注意を行ったことを明らかにした。これらの4社は、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>が提供するライブ配信プラットフォーム『Pococha』における取引額が上位のライバー事務所である。
公取委によると、4社は所属するライバーとのマネジメント契約において、合理的な理由が認められないにもかかわらず、ライバーの移籍や独立を牽制する目的で、契約終了後一定期間、ライブ配信活動を行うことの禁止や他のライバー事務所との間でマネジメント契約を締結することの禁止、自社と同種の事業を営むことの禁止の全部又は一部を内容とする規定を設け、ライバーの事業活動を制限していた。
公正取引委員会は、所属ライバーの契約終了後の事業活動を不当に制限する行為が、他のライバー事務所の取引機会を減少させ、ライバー事務所間における公正かつ自由な競争に影響を与えるおそれがあると判断したという。審査の過程で、4社から、該当する規定の内容を見直す予定である旨の申出があったとのこと。
公正取引委員会は、今後も、本件と同様に関連する分野における独占禁止法上問題となり得る行為に接した場合には、「実演家等と芸能事務所、放送事業者等及びレコード会社との取引の適正化に関する指針」(2025年9月30日策定)等の指針を踏まえ、厳正かつ的確に対処していく、としている。
