モイ、26年1月期の営業利益予想を1.15億円→3.28億円に上方修正 マーケティング費用の抑制で NexToneと楽曲利用に関する認識で齟齬、協議中

モイ<5031>は、12月10日、2026年1月期の業績予想の上方修正を行い、売上高66億1200万円(前回予想66億1000万円)、営業利益3億2800万円(同1億1500万円)、経常利益3億7300万円(同1億2900万円)とした。

・売上高:66億1200万円(前回予想66億1000万円)
・営業利益:3億2800万円(同1億1500万円)
・経常利益:3億7300万円(同1億2900万円)

【従来予想からの修正率】
・売上高:0.0%増
・営業利益:185.2%増
・経常利益:189.1%増

【前年実績との比較】
・売上高:0.3%増
・営業利益:41.3%増
・経常利益:45.7%増

売上高は66億1200万円(前回予想と変わらず)の着地見込みである。これは、主力サービス『ツイキャス』がライブ配信市場の競争環境の変化やクリエーター活動の多様化の影響を受ける中でも、メンバーシップ売上が堅調に成長し、5億6300万円(前回予想比5.5%増)を見込んでいること、およびプレミア配信売上についてもオンラインイベントの平均チケット販売単価の想定上振れを踏まえ2億1600万円(前回予想比5.9%増)となる見込みである一方、ポイント販売売上は平均課金ユーザー数であるポイントPUの軟調な推移により58億2600万円(前回予想比0.7%減)となる見込みであるためだ。

利益面では、配信者満足度向上を優先し報酬である売上原価を低減させない方針のため、売上総利益は33億2200万円(前回予想比3.2%減)となる見込み。しかし、販売管理費においては、予定していたマーケティング計画の一部来期へのスケジュール変更などによりマーケティング費用が1億3700万円(前回予想比24.2%減)となるなど、各費用が前回予想を下回る見込みである。特に、ポイント販売におけるアプリ以外の決済手段の比率上昇で手数料費用が14億3600万円(前回予想比13.6%減)に低下する。一方で、JASRACと合意済みの楽曲利用に伴う音楽著作権使用料の増加により、その他費用は3億7200万円(前回予想比15.5%増)となる見込みである。

この結果、営業利益は前回予想を大きく上回る3億2800万円(前回予想比183.6%増)の着地となる見込みだ。また、営業外収益に計上される自主音楽レーベル『Moi Records』の管理楽曲に係る収益増加も寄与し、経常利益も前回予想を大きく上回る3億7300万円(前回予想比187.6%増)となる見込みである。最終利益については、今後の見通しを踏まえた繰延税金資産の回収可能性の検討に時間を要するため、引き続き未定であるとした。

なお、「ツイキャス」での楽曲利用に伴う収入報告の内容について、JASRACと認識の齟齬があり、協議を重ねてきたが、今回解決し2400万円の特別損失を計上した。あわせてNexToneとの間にも認識の齟齬が発生したことが顕在化し、現在、解決に向けた協議を行っているという。協議事項の解決には費用が発生する見通し。

モイ株式会社
https://about.moi.st/

会社情報

会社名
モイ株式会社
設立
2012年2月
代表者
代表取締役社長 赤松 洋介
決算期
1月
直近業績
売上高64億3300万円、営業利益1億4200万円、経常利益1億5600万円、最終利益1億9400万円(2024年1月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
5031
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