
女性向けエンターテインメント市場を主戦場とするcoly<4175>は、2026年1月期第3四半期累計(2025年2月~10月)の決算説明資料を公表した。売上高は前年同期比13.9%増の48億9900万円と堅調に拡大する一方、新規開発案件への積極投資を継続したことで、営業損失は2億9900万円となった。ただし赤字幅は前年同期から2億9700万円改善しており、既存事業の収益力は引き続き高い水準を維持している。


■ディズニーIPを活用した新規ゲーム開発が明らかに
今回の決算における最大のトピックは、2022年に発表されていた「大手エンターテインメント企業」との取引契約の相手先が、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社であることが正式に公表された点だ。
colyは同社とディズニーIPを使用したオリジナルオンラインゲームの企画・開発・運営に関するライセンス契約を締結しており、サービス開始時期は2027年1月期上半期を想定している。
一方、開発中の複数の新規タイトルについては、品質向上を目的とした精査の結果、リリース時期を変更(延期)する判断を下した。これに伴い、2026年1月期の通期業績予想は現時点では非開示としている。

■第3四半期累計は増収、既存事業は黒字を確保
2026年1月期第3四半期累計の業績は、売上高48億9900万円(同13.9%増)。内訳を見ると、主力のモバイルオンラインゲーム事業が28億8200万円(同8.6%増)、メディア事業が20億1700万円(同22.4%増)と、両事業とも成長を継続した。
利益面では、既存事業のみでは約7億円の営業黒字を確保している。一方で、新規ゲーム開発や新規事業への先行投資として約10億円の費用を計上した結果、全社では営業損失2億9900万円となった。先行投資フェーズにあるものの、事業基盤の収益性自体は維持されている構図だ。


■Web課金「coly ID」が収益構造改善に寄与
収益構造の改善要因として注目されるのが、8月にリリースされた「coly ID(Web課金)」の進捗だ。プラットフォーム支払手数料の圧縮が進んだことで、増収効果に加え利益率改善にも寄与している。ユーザー側にとっても、ポイント還元や限定セット販売、アカウント連携・引き継ぎの容易化といったメリットがあり、利用比率は順調に拡大しているという。


■「もっと、面白く」を掲げ、女性向けエンタメ市場で500億円規模を目指す
colyは「もっと、面白く」というビジョンのもと、女性向けエンターテインメント市場をリードするIPクリエイター&ディベロッパーを目指している。成長戦略の柱は、「ゲーム事業」「メディア事業」「AI活用」の3点。中長期的には、女性向けエンタメ市場を中心に売上高500億円規模への成長を目標に掲げる。


現在運営中のタイトルは、『スタンドマイヒーローズ』『魔法使いの約束』『ブレイクマイケース』『ドラッグ王子とマトリ姫』など計5本。開発中タイトルとしては、ディズニーIPを用いた1本に加え、未発表タイトル2本を2027年1月期のリリース目標としている。

■既存IPは周年施策とメディア展開で存在感を維持
既存タイトルにおいても、IP価値を高める施策が継続されている。『スタンドマイヒーローズ』は9周年を迎え、2.5次元舞台化を実施。『魔法使いの約束』は6周年イベントに加え、全国5都市での交通広告などゲーム外施策を展開した。

また、『ブレイクマイケース』では1.5周年記念イベントに加え、公式ぬいぐるみ「SPINNIES」の発売など、メディアミックスを強化している。

■ユーザー目線とIP一気通貫モデルが競争力に
colyの競争優位性として挙げられるのが、ユーザーと近い感性を持つ組織体制だ。女性社員比率は約7割(69.5%)に達し、実際のユーザー層から入社した社員も多い。これにより、企画・開発段階からユーザー目線を反映できる体制が構築されている。
また、ゲーム開発にとどまらず、グッズ販売などのMD展開を創業初期から手掛けてきたことで、IPの企画・開発から製作、流通、販売までを一気通貫で行えるビジネスモデルを確立している点も強みだ。

■ダイバーシティ施策も高水準
ダイバーシティやSDGsへの取り組みも特徴的だ。女性管理職比率は40.0%、女性役員比率は42.9%と、いずれも全国平均を大きく上回る。さらに、同性間の事実婚やパートナーシップについても、異性間の婚姻と同様の祝金・休暇を付与する制度を導入するなど、多様性を尊重した組織づくりを進めている。

会社情報
- 会社名
- 株式会社coly(コリー)
- 設立
- 2014年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 中島 杏奈/共同創業者 代表取締役副社長 中島 瑞木
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高65億円、営業損益5億1600万円の赤字、経常損益5億1000万円の赤字、最終損益5億4600万円の赤字(2025年1月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4175