ガンホー、元幹部級職員による架空の業務発注を通じた資金流用の経過を報告…捜査機関に協力、組織体制見直し再発防止策も実施
ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>は、この日(12月17日)、元幹部級職員による架空の業務発注を通じた会社資金の流用などの不正行為について、株主や取引先など関係各位に謝罪するとともに、その後の経過報告を行った。同社によると、不正行為は過去数年にわたり行われており、元従業員は既に懲戒解雇されている。そして、この不正行為は組織的なものではないが、事態の全容解明に向け捜査機関の捜査活動に全面的に協力するとともに、被害金の回収対応も引き続き進めていく。
あわせて、同社は、不正行為を受けて社内体制を検証し、再発防止策も実施したとのこと。
【特定の職員に対する権限集中の回避】
本件不正行為の背景として、当該元従業員への権限集中と、発注稟議および支払承認プロセスにおけるチェック機能の不全が挙げられる。このため、同社は組織体制を見直し、権限の分散を実施した。具体的には、当該元従業員が所属した部門を6月に廃止し、機能を他部門へ移管した。また、特定の職員に集中していた一定のシステムに係る管理者権限の運用を改め、8月以降、複数の担当者への権限分散や相互監視体制の構築を進めており、2026年3月までに完了する予定だ。
【コンプライアンス教育・研修の拡充】
国内でのコンプライアンス意識をさらに強化するため、同社および国内子会社の常勤役員および全従業員(正社員、契約社員、アルバイト、派遣社員)を対象としたコンプライアンス研修を実施した。本日現在、対象者全員の受講が完了している。この研修には、不正取引に特化した動画視聴によるオンライン研修(9月、10月に計2回)と、11月から12月にかけてテスト形式で行われたe-ラーニングが含まれる。研修を通じ、不正リスクに対する感度を高め、内部通報制度の積極的な利用を促すことなどを改めて周知徹底している。従来のコンプライアンス研修も来年度以降継続的に実施する方針。
【外部業者との取引の発注・支払承認プロセスにおける内部統制の改善】
発注稟議について、リスクが高い高額な取引はより上位の役職者によって慎重に審査されるよう、10月に外部業者との取引発注における部門長の決裁権限の上限額の見直しを実施した。支払承認では牽制機能を強化するため、8月以降、財務経理本部においてプロセスを見直した。今後はチェック体制を強化し、取引の実在性および妥当性の確認を徹底する。
【内部監査によるモニタリングの強化】
前例を踏まえた不正リスク評価およびリスクベースアプローチによる内部監査の強化に取り組んでいる。内部監査部門では、通常の年度内部監査とは別に、各取引の実態を確認するための個別監査を新たに実施している。この個別監査は今後も継続的に実施し、その結果は取締役会に継続的に報告する体制となる。
会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森下 一喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高1036億円、営業利益174億9100万円、経常利益200億1300万円、最終利益111億7100万円(2024年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765