【決算レポ】トーセ、第1四半期はレベニューシェア減少で減益も過去2期に比べて順調な立ち上がり 家庭用ゲーム開発堅調、5億円以上のプロジェクト複数

トーセ<4728>は、この日(1月8日)、2026年8月期第1四半期(2025年9月〜11月)の連結決算を発表した。ゲーム事業における複数の主要開発プロジェクトが引き続き活発に進行したことから、売上高は前年同期比7.9%増の18億5500万円と増収を確保した。ただ、営業利益は2億3200万円(前年同期比21.6%減)、最終利益は1億8600万円(同12.7%減)と減益となった。主要な開発プロジェクト自体はスムーズに進行しており、基礎的な収益性は良好に推移しているものの、前年同期に一時的に膨らんだレベニューシェアの反動が減益要因となった。

【概要】
・売上高:18億5500万円(前年同期比7.9%増)
・営業利益:2億3200万円(同21.6%減)
・経常利益:2億6400万円(同10.1%減)
・最終利益:1億8600万円(同12.7%減)

 

■家庭用ゲーム機・PC向けが牽引、Nintendo Switch 2向け案件も始動

事業別に見ると、家庭用ゲーム機・PC関連は引き続き好調だった。2023年8月期以前から継続しているプロジェクトを含む複数の主要案件で、開発が最も活発なフェーズが前期から継続しており、その進捗に応じて売上が拡大。加えて、Nintendo Switch 2向けを含む小規模な新規開発プロジェクトも複数立ち上がり、稼働状況は徐々に改善している。

この結果、家庭用ゲーム機・PC関連の売上高は前年同期比26.3%増の14億7100万円となり、主軸事業として前期のV字回復に続く堅調な推移を示した。

 

■スマートフォン向けは新規開発を抑制、減収が続く

一方、スマートフォン関連は厳しい状況が続いている。市場競争の激化を背景に、同社は新規開発について家庭用ゲーム機向け案件を優先しており、当第1四半期時点では新たなスマートフォンゲームの開発プロジェクトは進行していない。

既存タイトルの運営は安定しているものの、いずれも配信開始から5年以上が経過しており、一部で収益が減少傾向にある。これにより、スマートフォン関連の売上高は前年同期比17.2%減の2億8500万円となった。

 

 

■ゲーム事業全体では増収、利益は減少幅を抑制

その他を含めたゲーム事業全体の売上高は17億5800万円となった。セグメント営業利益は2億2300万円で、前年同期比では減益となったものの、減益幅は4400万円にとどまった。

前年同期はクライアントによるキャンペーンなどによりエンドユーザー向け販売や課金が好調で、レベニューシェアが一時的に増加していた。今期第1四半期は、販売時期の関係で貢献タイトルが限定されたことや、スマートフォンゲームの収益縮小が影響し、家庭用ゲーム機・PC関連、スマートフォン関連ともにレベニューシェアは減少した。ただし、家庭用ゲーム機・PC向けの主要開発プロジェクトによる増収と、スムーズな開発進行によるコスト管理が奏功し、利益水準は一定程度維持した。

なお、ゲーム事業では2026年8月期通期で5億円以上の売上計上を見込む開発プロジェクトが複数存在しており、いずれも概ね良好に進行しているという。

 

■その他事業は減収、将来に向けた仕込みフェーズ

その他事業では、新規ビジネス創出に向けた取り組みを継続している。教育分野では、学習状況に応じて教材を最適化し、学習データを授業や教材改善に活用するインタラクティブなデジタル学習基盤の開発・保守に参画。また、エンタテインメント分野でも他業種とゲームを組み合わせた企画やIP提案などを進めている。

しかし、前年同期の売上に大きく寄与した教育関連コンテンツの開発が前期中に終了していることから、当第1四半期の開発売上は減少した。家庭用カラオケ楽曲配信事業の収益は安定して推移したものの、その他事業全体の売上高は前年同期比52.5%減の9700万円、セグメント営業利益は同66.8%減の900万円となった。

 

■通期予想は据え置き、下期の不確実性を考慮

2026年8月期の通期業績予想について、トーセは前回発表から変更していない。第1四半期は売上・利益ともに好調で、通期予想に対する進捗率は28.5%と、過去2年の第1四半期と比べても順調なスタートを切ったという。

【2026年8月期の見通し】
・売上高:65億1000万円(前期比1.9%減)
・営業利益:4億0500万円(同41.3%減)
・経常利益:4億1000万円(同39.5%減)
・最終利益:7億9000万円(同215.7%減)
・EPS:104.23円

【通期計画に対する進捗率】
・売上高:28.5%
・営業利益:57.3%
・経常利益:64.4%
・最終利益:23.5%

 

一方で、ゲーム事業の主要開発プロジェクトの一部は今後終盤を迎える予定であり、下期には複数の新規プロジェクトが立ち上がる見通しだ。クライアントとの調整が必要な案件も多く、現時点では不確実性が高いことから、業績予想は慎重に据え置く判断とした。

 

なお、長岡京トーセビルの建替えに伴う土地売却により、2026年8月期第4四半期に特別利益の計上を見込んでいる。このため、親会社株主に帰属する当期純利益の第1四半期時点での進捗率は、営業利益や経常利益に比べて低水準となっている。土地売却による収入は、新オフィスビル建設資金として活用する予定だ。

 

株式会社トーセ
http://www.tose.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社トーセ
設立
1979年11月
代表者
代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
決算期
8月
直近業績
売上高66億3600万円、営業利益6億8900万円、経常利益6億7700万円、最終利益2億5000万円(2025年8月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4728
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