大和証券キャピタル・マーケッツ(大和証券CM)は、10月18日付の「中国インターネット企業取材報告」と題するレポートで、中国のインターネット市場は、モバイルによる次の波が期待される、としている。中国のネット企業の紹介や市場動向などバランスよく記述されており、中国市場に詳しくない記者にとっては、極めて興味深いレポートであった。
大和証券CMによれば、中国のインターネット業界では、ここ数年、PC向けオンラインゲームが市場拡大のけん引役であったものの、今後は3G回線の整備やスマートフォンの普及を背景に、モバイルゲームの爆発的な伸びが期待されているという。通信環境の問題や課金代行手数料が売り上げの4~6割と高いため、すぐに高い成長にはならないが、大都市部を中心に拡大を見込まれており、有力ネット企業各社はコンテンツリリースの準備を進めている。
また、中国のインターネット企業では、Tencentの強さが際立っている模様。カジュアルからMMORPGまで幅広いコンテンツを揃え、圧倒的なユーザー基盤を生かし、薄く広くマネタイズするノウハウを有している。パートナーであるグリー<3632>にとっても頼もしい提携先となり、年末から年明けにかけて具体的な成果が出てくるとの見方を示した。
なお、市場規模の予測データについても紹介しており、中国のSNSのユーザー数は、2009年推計の1.8億人から2013年には4.3億人に拡大し、SNSの市場規模も7.8億元(約94億円)から2013年には53.0億元(約636億円)に拡大する見通し。ソーシャルゲームについては、2009年の2.4億円(約29億円)から2013年には28.5億元(約342億円)になると予想されている。
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632