【coly決算レポ】26年1月期は過去最高売上70億円達成&最終黒字転換 次期はディズニーIPなど新作3本投入想定で営業黒字化を目指す

 

coly<4175>は、2026年1月期の通期決算説明動画を公開し、売上高70億円(前の期比8.0%増)と創業以来の過去最高を更新した。先行投資で営業損益は1億4400万円の赤字となったものの、最終利益は7200万円と黒字を確保した。

 

既存IPの安定運営とメディア展開の拡大に加えて、Web課金システム「coly ID」の浸透によるコスト改善が収益性の回復に寄与した。そして投資有価証券売却益と固定資産受贈益などにより最終利益は黒字転換した。

 

■既存IPが安定成長、メディア事業も拡大

セグメント別では、主力のゲーム事業が堅調に推移した。『ブレイクマイケース』の周年施策が売上増に寄与したほか、既存タイトルも安定的に推移し、ゲーム事業の売上は40億9300万円(同5.8%増)となった。

一方、メディア事業は29億2600万円(同11.1%増)とゲーム事業を上回る成長率を記録。自社IPのグッズ販売やイベント、常設店舗のほか、他社IPを活用したライセンスビジネスも好調だった。

売上構成においては、メディア事業が約40%を占める水準が定着しており、同社が志向する「IPを軸とした多角的収益モデル」が形になりつつある。

 

■「coly ID」が利益改善に寄与

利益面では、Web課金サービス「coly ID」の普及が大きなポイントとなった。同サービスはアプリ外での課金を可能にすることで、最大30%程度発生するプラットフォーム手数料を圧縮することが可能になるという。他社でも見られる状況だ。特に周年イベントと連動して利用が進んだことで、売上総利益は前年同期比122%と大きく改善した。この結果、売上原価は前期比で減少し、収益構造の改善が進んでいる。

 

■開発投資13.8億円で営業赤字も大幅改善

一方で、営業損益は引き続き赤字となった。要因は、新規タイトル開発を中心とした積極投資で、2026年1月期は合計13億8000万円を計上したことによる。このうち13億円が新規ゲーム開発に充てられているという。

ただし既存事業は12.4億円の黒字を確保しており、赤字は成長投資によるものという構図だ。営業損失も前期比で3.7億円改善しており、収益基盤自体は強化されている。

なお、同社は新作の開発費を資産計上せず即時費用化する方針を採用しており、リリース後は償却負担が発生しない。このため、新作の収益化が進めば利益体質への転換が進む見通しだ。

 

■27年1月期は新作タイトルは3本投入へ、ディズニー案件含め「回収フェーズ」の鍵に

2027年1月期については非開示。既存タイトルの安定推移を見込んでいることに加え、複数タイトルのリリースを想定しており、リリース後は投資回収フェーズに入る見込み。営業黒字化を前提に、適切なプロモーションおよび運営を通じて収益最大化を図っていくとのこと。

 

このカギとなるのは、新規タイトルの投入だ。同社は、ウォルト・ディズニー・ジャパンとの共同開発タイトルに加え、未発表タイトル2本の計3作品をリリース予定としている。いずれも期中の投入を見込んでおり、業績の変動要因として最も大きな位置付けとなる。 

 

特にディズニー案件については、グローバルでのIP認知力を背景に、同社にとってこれまでとは異なるスケールでのユーザー獲得が期待される。一方で、収益貢献のタイミングや規模については不確実性も大きく、会社側も現時点では合理的な業績予想の算出が困難としている。

 

■開発パイプラインは複線化、選別型でクオリティ重視

開発体制にも変化が見られる。同社は現在、運営中タイトル8本に加え、複数の開発ラインを並行して進行。新作3本に加え、「企画中」のタイトルも複数抱えており、パイプラインは複線化している。

一方で、開発は厳格な選別プロセスを経る方針だ。企画→プロトタイプ→本開発と段階的に進行し、基準に満たない場合は途中で開発を中止する判断も行うとしている。

これはタイトル数の拡大よりも「IPとして成立するクオリティ」を重視する戦略であり、同社が掲げる長期運営型IPモデルを前提としたものといえる。

 

■「費用先行型モデル」からの転換点に

同社の特徴的な会計方針として、ゲーム開発費を資産計上せず、研究開発費として即時費用化している点がある。このため開発期間中は利益が圧迫されやすいが、リリース後は償却負担がなく、ヒット時の利益貢献が大きくなる構造だ。

実際、2026年1月期は新規開発に13億円規模を投じたことで営業赤字となったが、これらのタイトルが2027年1月期にリリースされることで、同社は「回収フェーズ」に入る見通しを示している。

 

■既存IPに続く“柱”を作れるかが焦点

これまでのcolyは、『スタンドマイヒーローズ』『魔法使いの約束』『ブレイクマイケース』といった自社IPを長期運営し、ゲームとメディアを組み合わせた収益モデルを確立してきた。

新作においても単発ヒットではなく、

・長期運営可能なIP化
・メディアミックス展開
・グッズ・イベントへの波及

といった“IPの多層展開”が前提となる。2027年1月期は、単なる新作リリースの年ではなく、次の成長カーブを描くためのIP創出の成否が問われる局面といえる。

株式会社coly(コリー)
https://colyinc.com/

会社情報

会社名
株式会社coly(コリー)
設立
2014年2月
代表者
代表取締役社長 中島 杏奈/共同創業者 代表取締役副社長 中島 瑞木
決算期
1月
直近業績
売上高65億円、営業損益5億1600万円の赤字、経常損益5億1000万円の赤字、最終損益5億4600万円の赤字(2025年1月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
4175
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