
ネクソン<3659>は、この日(3月31日)に開催した「CAPITAL MARKETS BRIEFING」において、新体制による経営戦略の再設計と2026年度以降の成長ロードマップを発表した。パトリック・ソダーランド氏が新設の会長職に就任し、意思決定の迅速化とコスト管理を徹底する新たな運営モデルへと移行する。
概要の詳細は以下の通りである。
■経営体制の刷新とガバナンス強化
【新体制の構築】
パトリック・ソダーランド氏が会長として戦略・開発・コスト管理・ビジョン策定を担当し、イ・ジョンホン社長が日々の業務執行と成果創出を担う役割分担を明確化した。
【迅速な意思決定】
「難しい決断を下すのが遅い」という従来の課題を克服するため、経営陣が週に一度集まり即断即決を行う体制へ変更した。
【リスク管理】
『MapleStory: Idle RPG』での不祥事を受け、最高リスク責任者(CRO)の設置や二重報告体制の義務化など、構造的なガバナンス改革を実施した。
■事業戦略の再定義(2027年目標の修正)
【目標達成の見送り】
2024年に掲げた2027年度の数値目標について、当初のスケジュールでの達成は見込めないと公式に認めた。
【要因分析】
新作の延期、開発コストの上昇、『アラド戦記モバイル』等のリテンション不足といった構造的課題を背景に挙げている。
【選択と集中】
ポートフォリオ全体を精査し、一定の貢献利益率基準を満たさないプロジェクトの再編成や中止を断行する。
■ゲーム開発プロセスの変革
【AI基盤『Mono Lake』】
30年分、数百億件のプレイデータという「文脈」をAIに学習させ、開発から運用までの意思決定を高度化・迅速化する。
【Embarkモデルの展開】
少人数・低コストで高品質なゲームを制作したEmbark Studiosの成功モデルを全社に広め、非クリエイティブな作業を削減してイノベーションに集中できる環境を構築する。
■フランチャイズ成長戦略
【IP拡張マトリックス】
『メイプルストーリー』で成功した「コア・クラシック・ライト・フロンティア・ディフィニティブ」の5つの拡張モデルを、『アラド戦記』や『マビノギ』にも適用する。
【ハイパーローカライゼーション】
単なる翻訳を超え、地域の嗜好に合わせたコンテンツ調整とコミュニティ育成を徹底し、グローバル市場での成長を加速させる。
【新作パイプライン】
2026年以降に向けて、『Dungeon & Fighter: Idle RPG』『Overkill』『NAKWON』など、持続的な収益貢献が見込める6本の新作開発に注力する。

『Dungeon&Fighter: Idle RPG』
・『アラド戦記』IPを用いたライト拡張タイトルである。
・『MapleStory: Idle RPG』の成功モデルを踏襲し、カジュアルで手軽に楽しめる体験を提供する。
・2026年のリリースを予定している。
『Dungeon&Fighter Classic』
・『アラド戦記』のクラシック拡張タイトルである。
・特に熱量の高かった2009年版をリブートし、オリジナルのアクション体験を現代的なUXで再構築する。
・2027年のリリース開始を予定している。
『Project OVERKILL』
・PCおよびコンソール向けのオンラインアクションRPGである。
・『アラド戦記』の象徴的なレイドや協力プレイを再解釈し、ビジュアルや戦闘物理を全面的に現代化している。
・初期テストにおいて、プレイヤーからの強い関心が確認されている。
『Dungeon&Fighter: ARAD』
・新しい市場とプラットフォーム(PC、コンソール、モバイル)に向けたプロジェクトである。
・『アラド戦記』を新たな形で再構築し、より若年層でカジュアルなグローバルユーザーの獲得を狙う。
『Vindictus: Defying Fate』
・『マビノギ』フランチャイズに属する、PCおよびコンソール向けのモダンなアクション体験を提供するタイトルである。
・『マビノギ』のIP拡張戦略における、新規ジャンルおよびハードコアな体験を担う。
『NAKWON: LAST PARADISE』
・崩壊後の都市を舞台にした、グローバル展開の可能性を持つマルチプレイヤー・サバイバルゲームである。
・クローズドアルファテストで同時接続者数37,000人超を記録した。
・開発チームはEmbark Studiosと連携しており、2027年のリリースを予定している。
■財務方針と株主還元
【コスト構造の改革】
2026年度は人件費や広告宣伝費を前年比で横ばいに抑え、売上成長が直接利益に結びつく構造への転換を目指す。
【還元の強化】
2026年度の1株当たり年間配当を60円(2025年度は45円)に増配する計画である。
【資本効率】
ROE 10%以上を維持し、中長期的には15%以上の達成を目指すとともに、追加的な自社株買い等の還元策も積極的に検討する。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ネクソン
- 設立
- 2002年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上収益4751億200万円、営業利益1240億1200万円、税引前利益1404億5100万円、最終利益920億5200万円(2025年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3659




