GENDA、北米事業の立て直しを本格化へ 独自アプリ導入で無人店舗運営を改善 大手シネコン向け出店も加速

GENDA<9166>は、本日5月12日、機関投資家向けに開催した北米事業説明会の要旨を公表した。説明会では、足元で課題となっている北米事業の収益低迷について、景気悪化や競争激化ではなく、M&A後のシステム統合に伴うオペレーション不備が主因との認識を示した。そのうえで、独自業務アプリの導入や店舗運営改善を通じて、2026年夏以降の正常化を目指す方針を明らかにした。

同社によると、理想的な運営ができている「ミニロケ」では前年を上回る売上推移となっており、クレーンゲームを中心としたサービス需要自体には引き続き手応えがあるという。現在の株価低迷についても、「米国事業の立ち上がりが見えていないこと」が最大要因との認識を示し、北米事業の早期回復を最優先課題として位置づけた。

立て直し施策の中核となるのが、北米の無人店舗向けに開発した業務アプリ「Kiddleton Force」だ。同アプリでは、現場スタッフによる現金カウントや銀行入金作業を効率化するほか、AIを活用した巡回ルート最適化機能、スマートフォンカメラによるメーター自動読み取り機能などを実装。これにより、店舗運営の標準化とデータ化を進める。

同社は、これまで低下していたスタッフの巡回頻度も改善傾向にあるとしており、現在は現場スタッフが新アプリに適応するためのリードタイム期間と位置づけている。今夏から本格的なオペレーション正常化を図る考えだ。

PMI(買収後統合)施策については、ミニロケ向けの「SWAP(既存ゲーム機との入れ替え)」施策を見直す。オペレーション不備が発生したことを受け、新規SWAPは停止し、既存店舗の改善を優先する。一方で、既存大型クレーン機を活用した大型景品への切り替え施策は継続する方針で、追加設備投資(CAPEX)が不要な点をメリットとして挙げた。

また、ゲームセンター向けには「Add on」施策を推進する。これは既存店舗に新たなゲーム機を追加設置する施策で、追加分の売上純増だけでなく、店舗全体の集客力向上による既存機売上の押し上げ効果も期待している。資料では、今期・来期で1700店舗規模への導入を予定していることも示された。

出店戦略では、大手シネコンやレストランチェーン内への展開を加速させる。特にシネコンについては、アミューズメント施設との親和性が高いと説明。M&Aによる店舗網拡大によって、現地チェーン企業との大型契約が可能になったという。

一方、NENが保有するWalmart店内の小型区画については、M&A前からの計画通り、数年かけて撤退を進める。ただし、その代替として、従来比5〜10倍規模となる大型テナント区画への出店を進めているとした。

景品戦略では、日本の有名IP景品比率を6〜7割まで高める方針を打ち出した。将来的には、アプリを通じて収集する地域別売上データを活用し、店舗ごとの需要に応じた景品配送の最適化も目指す。

このほか、組織面では日本側からの人員増強によるガバナンス強化を進めるほか、管理部門の効率化やレベニューシェア率の引き下げ交渉など、収益改善施策も実施。インフレや関税によるコスト上昇については、景品構成の見直しや調達改善によって利益率維持を図るとしている。

北米市場では、クレーンゲームや日本IP景品の人気拡大を背景に、日本企業による進出が相次いでいる。一方で、GENDAの説明からは、急速なM&A拡大に伴うPMIや現場オペレーション整備が重要課題になっている実情もうかがえる。今回の説明会では、単なる店舗拡大ではなく、「運営精度の改善」に取り組む姿勢を強く打ち出した格好だ。

株式会社GENDA
https://genda.jp/

会社情報

会社名
株式会社GENDA
設立
2018年5月
代表者
代表取締役会長 片岡 尚/代表取締役社長 申 真衣
決算期
1月
直近業績
売上高1707億8700万円、営業利益74億2500万円、経常利益59億7900万円、最終利益36億5500万円(2026年1月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
9166
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