ドリコム、出版と並行して売り切り型ゲーム発のIP創出にも取り組む モデルはクリエイターと伴走して開発する「大手出版社の取り組みに近い」

 

ドリコム<3793>は、本日開催した決算説明会において、従来のモバイル運営型ゲームへの依存を見直しつつ、PC・コンソール領域やインディーゲーム市場への展開を強化していく方針を示した。モバイル向け運営型タイトルについて「マーケットの成熟」を理由に、新規大型タイトルへの投資判断を慎重になる一方で、新たなIP創出の起点として、中小規模のPC・コンソールタイトルへの取り組みを拡大していく考えだ。

特に注目されるのが、外部クリエイターとの連携を前提としたインディーゲーム型の開発戦略だ。質疑応答では、「hololiveのholoindieなどの事例をイメージすればよいか」と問われたのに対し、説明にあたった内藤裕紀社長は「どちらかというと大手出版社が行っているようなIP創出に近い」と説明した。具体的な社名は出なかったが、集英社や講談社の取り組みに近いモデルであることを示唆した。

単なる小規模ゲーム開発の支援ではなく、企画段階から外部クリエイターと組んで、ゼロから新規IPを育成していくモデルを志向していることを強調した。

この方針の背景には、同社が『Wizardry Variants Daphne』を通じて得た「IP育成」の成功体験がある。ドリコムは現在、IPプロデュースのバリューチェーンを「生む」「育てる」「収益化する」の3段階で整理しており、PC・コンソール向けの買い切り型ゲームを、IP創出フェーズにおける重要な投資対象として位置付けている。

具体的には、ノベルやコミックに加え、「買い切り型ゲーム」をIP創出の起点とし、その後、アニメ、SNS、グッズ展開などでファン層を拡大する。そして、最終的に運用型ゲームやマーチャンダイジングで収益化する流れを構築したい考えだ。

 

また、会計方針の変更も、この戦略転換を反映している。これまではモバイルゲーム開発費をソフトウェア資産として積み上げる傾向が強かったが、今後はシリーズ化など継続性が見込める作品を除き、PC・コンソール向けタイトルなどの投資は費用計上を基本とする方針を示した。これは、ヒットを前提に資産化するのではなく、「IP創出への先行投資」として積極的にチャレンジしていく姿勢を示すものといえる。

足元では、世界的にSteamを中心としたインディーゲーム市場が拡大する一方、開発規模の大型化が進むAAA市場ではリスクも増大している。そうした中、中小規模タイトルからIPを育て、メディアミックスへ展開していく戦略は、ゲーム会社というよりも出版社や総合IP企業に近いアプローチとも言えそうだ。

株式会社ドリコム
https://drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高175億4700万円、営業利益4億800万円、経常利益3億1800万円、最終利益2億1300万円(2026年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
企業データを見る