Epic Games、『フォートナイト』の世界のApp Storeでの配信再開 Appleの“反競争的慣行”を改めて批判

木村英彦 取締役 編集長
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Epic Gamesは5月19日、人気バトルロイヤルゲーム『フォートナイト』について、世界各国のApp Storeで配信を再開したと発表した。背景には、Appleを巡るアプリストア規制の強化や、各国規制当局による監視の高まりがある。

同社は、声明の中で、Appleが米国最高裁判所に対し、「米国外の巨大市場における手数料率を決定する上で、世界中の規制当局がこの訴訟を注視している」と説明したことに言及。米国で進む訴訟や規制強化が、各国のアプリストア政策にも波及するとの見方を示した。

続けてApp StoreにおけるAppleの運営について、「代替アプリストアの禁止」や「決済競争の妨害」といった反競争的な慣行が存在すると改めて批判。日本や欧州連合(EU)、英国では、すでに規制当局による法執行が始まっているものの、Apple側が警告画面や手数料、複雑な審査要件などを通じて、規制を実質的に回避していると主張した。

近年、モバイルアプリ市場を巡っては、各国で巨大プラットフォーマー規制が加速している。日本では2025年に「スマホソフトウェア競争促進法」が成立し、AppleやGoogleに対して外部決済や代替アプリストアへの対応を求める流れが進んでいる。EUでもDMA(デジタル市場法)の施行を通じて、プラットフォーム事業者への規制強化が進むなど、App Storeを取り巻く環境は大きく変化している。

一方、Epic Games自身も厳しい経営環境に直面している。主力タイトル『フォートナイト』は依然として巨大IPとしての存在感を維持しているものの、近年はユーザーエンゲージメントの低下や収益性の悪化が指摘されていた。

同社は2023年に全従業員の約16%にあたる約830人の削減を実施。その後もグループ会社などを含めると、累計で1000人規模の人員整理を進めてきた。Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは当時、「長期間にわたり収益を上回る支出を続けていた」と説明しており、『フォートナイト』依存からの脱却や収益構造の改善が課題となっている。

そうした中で、Epic Gamesにとってモバイル市場への復帰は収益機会の拡大という意味でも重要な意味を持つ。『フォートナイト』はかつてiOS版が高い人気を誇っていたが、Appleとの決済システムを巡る対立によって配信停止となり、長期間にわたってApp Storeから姿を消していた。

なお、オーストラリアのApp Storeについては、現時点で配信再開を見送っている。同国ではEpic Games側が訴訟で一定の勝訴判断を得ているものの、Appleが問題視された規約を現在も維持しているとして、同社は引き続き裁判所に対応を求めている。

 

▼AppStore
https://apps.apple.com/us/app/fortnite/id6483539426

 

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