意外と知らないアニメ制作の仕事とは?第二原画・動画・撮影・リギング・ルックデヴを解説

アニメのエンドロールを眺めていると、監督、脚本、キャラクターデザイン、作画監督といった比較的なじみのある役職のほかにも、さまざまな職種の名前が並んでいることに気付くはずです。

しかし中には、言葉自体は見たことがあっても、実際にどのような作業を担当しているのかイメージしづらいものも多いはず。本稿では、アニメ好きでも意外と仕事内容までは知らない制作職をいくつか紹介していきます。

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第二原画

TVアニメのエンドロールで、かなりの頻度で見かけるのが「第二原画」という役職。アニメをよく見ている人であれば、一度は目にしたことがある言葉かもしれません。その反面、「原画」はなんとなく分かっても、「第二」とは何なのか、具体的にどのような作業をしているのかまではイメージしづらいのではないでしょうか。

そもそも原画とは、キャラクターの動きや芝居の要所となる絵を描く工程のことを指します。たとえばキャラクターが立ち上がる、振り向く、走り出すといった動きの中で、重要なポイントとなる絵を描き、アニメーションの骨格を作っていきます。

それに対して第二原画は、原画マンが描いたラフな原画を、次の工程に回せる状態まで整える仕事を指します。原画の段階では、線が粗かったり、細部が描き込まれていなかったりすることがあります。そうした原画を清書し、キャラクターの形を整え、動画や仕上げなど後続の工程で扱いやすい素材にしていくのです。

エンドロールでは原画や動画と並んで表示されることも多いですが、第二原画はその間をつなぐような存在。派手に名前が知られる職種ではないものの、原画を次の工程へ橋渡しし、作品全体の作画品質を支えるうえで欠かせない仕事です。

動画

アニメのエンドロールで「動画」という表記を見かけたとき、映像制作や編集に関わるスタッフをイメージする人もいるかもしれない。しかしこれもまた絵を描く工程のひとつです。

動画の主な役割は、原画スタッフが描いた絵と絵の間を埋め、キャラクターや物体の動きを滑らかにつなぐこと。原画が、キャラクターの動きや感情を表現するうえでポイントとなる絵を描く工程だとすれば、動画はその間を丁寧につなぎ、映像として自然に見える動きを作り上げる工程です。

動画スタッフは、原画マンが作成した「タイムシート」と呼ばれる動きの指示書に従い、指定された枚数の絵を正確に描き起こしていきます。どのタイミングで、どの絵を、何枚入れるのか。原画の意図を読み取りながら、線の太さやキャラクターの形、動きの流れにズレが出ないよう調整する必要がある役どころです。

一見すると地味な作業に思えるかもしれませんが、動画の精度はアニメの見やすさに大きく関わってきます。線が不安定だったり、動きのつながりに違和感があったりすると、視聴者は無意識のうちに引っかかりを覚えてしまうのです。
逆に、丁寧な動画によって原画同士が自然につながることで、キャラクターの動きはより生き生きとしたものになります。

アニメーターのキャリアは、この「動画マン」から始まることも多いです。動画の工程で線を正確に描く力や、動きの構造を読み取る力を身につけ、やがて原画へとステップアップしていく。まさに動画は、アニメ制作の基礎を支える仕事であり、作品の動きを陰から支える縁の下の力持ちといえるでしょう。


撮影

アニメのエンドロールで見かける「撮影」という言葉から、実写作品のようにカメラで人物や風景を撮る仕事を想像する人もいるかもしれません。アニメは絵で作られているのに、なぜ撮影という工程があるのか。不思議に感じたことがある人もいると思います。

現在のアニメ制作における撮影は、それまでに作られた素材を一つにまとめ、実際に放送できる映像へと仕上げていく工程です。キャラクターの絵、背景、3DCG、エフェクト、光や影など、さまざまな素材を組み合わせ、画面として自然に見えるよう調整していきます。

たとえば、キャラクターと背景をなじませたり、光の表現を加えたり、カメラが動いているような演出をつけたりするのも撮影の仕事です。素材をただ重ねるだけではなく、作品の雰囲気やシーンの見せ方に合わせて、最終的な画面の印象を整えていきます。

また、撮影は細かなチェックやリテイクも多い工程です。素材の抜けやズレがないか、意図した演出になっているか、放送に耐えうる品質になっているかを確認しながら作業を進めるため、技術だけでなく根気も求められます。

ちなみに「撮影」という呼び方は、決して的外れなものではありません。PCを使ったデジタル制作が普及する前、セルアニメーションの時代には、実際にセル画と背景を撮影台にセットし、カメラで文字通り撮影していました。その名残として、現在もこの工程は「撮影」と呼ばれているのです。

リギング

3DCGを活用したアニメ作品のエンドロールを見ていると、普段あまり聞き慣れない横文字の職種が並んでいることがあります。「リギング」も、そのひとつです。名前だけを見ると、どのような仕事なのかイメージしづらいかもしれません。

リギングとは、3DCGモデルやイラストなどの静止した素材に、「ボーン」と呼ばれる骨格や関節、動きを制御するためのコントローラーを組み込む仕事です。キャラクターの腕や足、顔、髪、服などが自然に動くように、モデルの内側に動きの仕組みを作っていきます。要は、3DCGモデルに命を吹き込むための準備をする仕事です。

3DCGモデルは、完成した時点ではまだ“動かせる人形”のような状態ではありません。見た目がどれだけ精巧に作られていても、そのままでは自由に歩いたり、手を振ったり、表情を変えたりすることはできません。リギングによって骨や関節の仕組みが入ることで、アニメーターがキャラクターを動かせるようになります。

リギングの対象は、人間のキャラクターだけではありません。動物やモンスターのような生き物はもちろん、車や飛行機などの乗り物、ロボット、武器、登場人物が手にする小物などにも、動くための仕込みが必要になることがあります。どの部分がどう動くのか、どこまで変形させるのかを考えながら、モデルごとに適した構造を作っていきます。

ルックデヴ/ルック開発

3DCGを活用したアニメ作品では、「ルックデヴ」や「ルック開発」と呼ばれるスタッフが関わることがあります。こちらもリギングと同じく、3DCG作品ならではの職種のひとつです。

ルックデヴとは、映像の中に登場するキャラクターや物体が、画面上でどのように見えるかを決めていく仕事です。たとえば、金属、木材、肌、衣服、ガラス、プラスチックなど、素材ごとの質感をどう表現するかを調整します。

同じ3DCGモデルでも、質感の作り方によって印象は大きく変わります。金属らしく光を反射させるのか、木材の温かみを出すのか、人の肌をリアルに見せるのか、あるいはアニメらしいセルルックに寄せるのか。作品ごとの方向性に合わせて、見た目のルールを作っていくのがルックデヴの役割です。

また、物体の質感だけでなく、光の当たり方や反射、屈折の見え方なども重要な要素です。どこから光が差し込むのか、どの角度で反射するのか、透明な素材がどのように光を通すのかといった調整によって、画面全体の説得力が変わってきます。

日本のアニメ制作では、キャラクターや小物などを立体化するモデラーが、そのままルックデヴを担当するケースもあります。職種として独立している場合もあれば、モデリングやCG制作の工程の中で兼任される場合もあり、現場によって担当範囲は異なります。

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アニメ制作の現場では、絵を描く力だけでなく、CG、映像処理、質感表現、進行管理など、さまざまなスキルが求められています。エンドロールに並ぶ職種の意味を知ることで、「自分の経験や得意分野も、アニメ業界で活かせるかもしれない」と感じた人もいるのではないでしょうか。

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